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• 中山 由希子

  彩の国東大宮メディカルセンター　栄養科

• 山本 純子

  彩の国東大宮メディカルセンター　栄養科

• 新野 真純

  彩の国東大宮メディカルセンター　看護部

• 小島 成浩

  彩の国東大宮メディカルセンター　外科

• 市原 広太郎

  彩の国東大宮メディカルセンター　消化器内科

• 神田 大輔

  彩の国東大宮メディカルセンター　内科
  白岡中央総合病院　内科

ひきこもりとなり，即席麺の極端な偏食によってビタミンB12と葉酸の欠乏による巨赤芽球性貧血を経験したので報告する．症例は31歳男性．16歳から一人暮らしを始め，26歳から家にひきこもるようになった．金銭的な理由もあり食事は約5年間ほとんどカップ麺で済ませていた．歩行困難となり入院となった．BMI 14.1 kg/m²の高度のるい痩と25.5%の高度体重減少を認め，著明な大球性貧血（Hb 2.8 g/dL）を伴う汎血球減少，筋力低下と下肢の位置覚・振動覚低下も認められた．血中ビタミンB12および葉酸の欠乏が確認され，補充したところ症状は回復し退院となった．社会情勢の変化により失業やひきこもりが増加すると，経済的困窮などにより安価で簡便な即席麺に頼り，若年者においても重度の栄養障害が引き起こされる．社会問題を抱える人には栄養障害を未然に防ぐ予防的な視点も重要であり，社会的仕組みの構築が求められる．