若い方に文字文化を伝える為に渡していただければ。

【 一人でも戦える時代に 】

大阪　貴澄 ハル

　神戸学院大学・上脇博之教授は「独自調査した（自民党の）各派閥裏金問題」で自民党を刑事告発しました。この告発で自民党の裏金が一般庶民の知るところとなり、世間を揺るがす大事件に発展したことは周知のとおりです。

　上脇博之教授は一人の力・熱意もあなどれないことを証明しましたが、私もここに有力政治家でも著名な知識人でも成功した業界人でもない、草莽の人物がたった一人でNPO団体の闇を暴いたことをお伝えしたく思います。

　皆さんは暇空茜（ひまそらあかね）さんなる人物をご存じでしょうか。ユーチューブやXポスト、その他ネットメディアでは非常に有名な人物であり、一昨年から孤独な闘いを続けてこられた一般人です。その暇空茜さんが「あるNPO団体の活動」に疑問を抱いたことから、この事件は始まりました。

　仁藤夢乃（にとうゆめの）さん率いるNPO団体「Clabo（以下コラボと表記）」は、東京都の【性暴力や虐待などの被害を受けた若年女性らを支援する事業】を業務受託し、新宿を活動拠点として、不遇な若年女性（家出した女子や売春する女子）を支援していました。

　この仁藤夢乃さんはテレビメディアにも出演し、ＮＰＯ団体ではつとに有名な人です。ただ女性支援が行き過ぎた運動になることもあり、それに疑問を抱いた暇空茜さんがこの団体の闇を暴いたのです。

　暇空茜さんは徹底的にこの団体の会計や活動を調べました。その結果、夥しい不正疑惑が出てきました。そして暇空茜さんは、都に住民監査請求するとともに、自身のユーチューブやＸポストで逐一報告を始めました。それらが大多数のネット閲覧者の知るところとなり、多くの人が注目するに至ります。

　それらに対して、コラボ側は事実無根と大激怒し、豊富な資金を武器に、弁護士七人を従えて、暇空茜さんへ1100万円の損害倍種請求を起こしました。

　さて一般人ならそんな訴訟などごめんだし、訴訟費など考えれば、何としても回避したいところ。しかし暇空茜さんは違いました。あくまでも戦うと決め、クラウドファンディングで寄付を募るとわずか数日で数千万円が集まり、コラボ側と完全対決することになります。

　その間、次々とさまざまな不正疑惑が明るみに出ます。

最大の問題は「東京都とＮＰＯ団体のずぶずぶな関係」です。

　まず都の支援事業を計画するにあたり、有識者が集められます。そして彼らの意見を尊重し事業綱領が決定します。ところが、その有識者がNPO団体の関係者で、自分たちの都合のいいように綱領が作られ、その挙句、都の委託事業費用すべてが五団体のみに分配されるような仕組みを作り上げたのです。仁藤夢乃さんは堂々と都に予算を増やすよう要請しており、完全な利益相反になっていました。

　さらには次々とコラボの闇も世間の知れ渡るところになりました。たとえば「仁藤夢乃さんは左派系の活動家であり沖縄の反基地運動に参加していた（辺野古で警察に排除される写真あり）。そして支援事業で出会った女子らを辺野古まで連れていき、反基地運動に参加させた。当然その活動費も委託事業費から出ていたのではないか」というものです。

　東京都への追及もやみません。都議の川松真一朗らが中心となり、都の事業支援とＮＰＯ団体の関係を徹底的に追及しました。

　そしてその結果、不正請求の実態が明らかになり、昨年以降、コラボおよび他特別団体への事業委託はなくなりました。

　ネットが発達した現代、たった一人でさえ、不条理に立ち向かうことができるようになりました。ただし立ち向かうにはそれなりの正義、理論武装が必要です。しかし正義を貫く意志さえあれば支援する仲間は現れます。現在暇空茜さんは友人の「なる」さんと弁護士数人で不条理と戦っています。さらには支援金として一億円以上の寄付が集まっています。暇空茜さんにはただただ脱帽するばかりです。