
子供の頃のことって、妙なことをはっきり覚えていたりするもの。
その最たるものが、この ―干しシイタケ争奪戦― なのだ。
いまでも「松江城」と聞くと、真っ先にこれを思い出してしまう。
というより、これしか覚えていない(笑)。
「小泉八雲記念館」などは、私にとって、『とても魅力ある場所』
なんだけれども、残念ながら、小学生当時の私にとっては、
よくわからない、退屈な場所・・・だったのだ。
本当にもったいないことなんだけれど―― 。

あの日はたしか、両親と、(小学校6年生の)私、の3人で
松江城を訪れていた。
お城にさして興味のない私は、早々にお城見学を終え、
ひとり、近くをうろうろ・・・。
近くには、団体旅行客とおもわれる、年配のおばさま方・・・。
と、その時。
「無料で干しシイタケをお配りしていま~す!」という声が。
「!!!」
小学生とはいえ、「未来の主婦」である私は、「無料」の声に即反応。
干しシイタケの袋が、山と積んである、テーブル目掛けて ― ダッシュ!!!
( → テーブルは、会社の会議室にあるような、折り畳み式のものです。)
一緒に来ていた母の分(1人1袋・・・という、とっさの判断(笑))と合わせて
2袋をゲット!
干しシイタケなんて、決して好きではなかったのだけど、
母が「干しシイタケって、結構高級品。高いんだよ~。」と言っていたのを
何故かとっさに思い出し、すばやくゲットへと向かった、子供の私。
そして、母のもとへ、戦利品を持って、走り出していた、その時。
ドドドドドド・・・・・・あらあら~という声が。
どうやら、後から来たおばさま方の集団が、勢い余って、
干しシイタケの袋が積まれていた、『テーブル』を押し倒した模様・・・。
(けっこう危なかった。将棋倒しみたいなもの。先頭にいた私は、間一髪。)
が、しかし。
それ以上に、私に強烈な印象を残したのは、目の前で繰り広げられた、
―― おば様たちの、激しい「干しシイタケ争奪戦」 ――
なかなかの激しさだったので、ちょっぴりトラウマかも(笑)。
子ども(小学生)の私には、衝撃的な思い出だな~。
だから、40年以上経った今でも、はっきり覚えているわけね(笑)。
いまや、そのおばさま方と、同じような年齢の、私だけれども・・・。
しかし、 ”無料でお配りしま~す” なんて、今は、まず無いわ。
あっても、なにか裏がある、怪しいもの(笑)。
昭和の古き良き時代。懐かしいな。やっぱり、いい時代だったわ。

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