当たり前のことですがタイヤがスムーズに回転しなければクルマは走ることができません。それは簡単そうに見えて難しい部分です。この部分で重要な役割を担っているのがハブベアリングです。
ただ回転部分にタイヤを取り付けただけではスムーズに回転しませんし、回転によって熱を持ちますから耐久性の問題もでてきます。そこで重要になるのがハブベアリングです。ハブベアリングがナックル側に取り付けられていることで、タイヤはスムーズに回転できるようになります。さらにこの部分の剛性はサスペンション性能にも影響します。
ハブベアリングにはボールベアリングやローラーベアリングが使用されています。これらは、ナックルにユニットとして収まるようになっており、耐久性を保つためにグリースが封入され、より滑らかな回転ができるようになっています。また雨水の侵入などを防ぐような工夫がなされています。
とくに低燃費という面が重視される現代のクルマでは、ハブベアリングの回転抵抗も重要な部分になっています。クルマ全体が重くなる傾向がある中で、耐久性を保ちつつさらに抵抗も減らすという性能が求められています。
フロントのハブベアリングについて見てみると、FRの場合ナックルに取り付けられたスピンドル(回転軸)にハブベアリングが取り付けられます。この場合は、タイヤはベアリングによって空回りすればいいので、比較的シンプルといえます。
しかし、FFの場合は事情が違います。駆動しながらさらに舵も切るためにハブベアリングの中をドライブシャフトが通らなければなりません。このパーツはタイヤを切った状態でも駆動力を伝えることができるパーツです。このドライブシャフトの先端にホイールが取り付けられるハブが装着されます。
ドライブシャフトには等速ジョイントというパーツが使用されていますが、これについては改めて解説しようと思います。
ライター、編集者です。主にクルマ系の単行本を執筆しています。主な著書:「モータリゼーションと自動車雑誌の研究(グランプリ出版)」、「スバルサンバー 人々の生活を支え続ける軽自動車の半世紀(三樹書房)」、「きちんと知りたい! 自動車エンジンの基礎知識(日刊工業新聞社)」など多数。
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