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本作は、60年代後半低迷気味だったヒッチコックが、母国であるイギリスに戻って制作した復活作と言われる。
もっともワタシはその低迷期の映画を観てないのでその通りなのかは分からないのだが、本作がとてもヒッチコックらしいユーモアを感じさせる快作なのはワタシも同意する。
オープニングのテムズ川の空撮からロンドンに戻ってきたぞ! というのを強く感じる画になっているが、役者陣も見事にブリティッシュな面構えが揃っていて観ていて心地よい。
演出も冴えていて、第一の殺人被害者が発見される場面や、主人公の女友達がアップになった後に一瞬音が消え、はっと振り向くとラスクが立っている場面など、時間差というか「間」と音の演出が粋だし、第二の殺人を凶行場面でなく犯人の台詞一言で描き、逆にカメラがどんどん引いていく演出などお見事としか言いようがない。
今こういう映画を撮るなら、猟奇殺人犯の人間像やバックグラウンドを描くのに時間が取られるのかもしれないが、ヒッチコックの場合、監督が変態だからの一言で済むのですっきり話が早い(失礼だぞ!)。
本作は犯人に間違えられた男が何とかして嫌疑を晴らそうと奮闘するよくあるタイプに分類されるが、その主人公がなかなかにダメな奴で、見事に窮地に陥ってしまう。本作のブラックユーモアについては、犯人がトラックの中で格闘する場面が顕著だが、復讐を誓う主人公の犯人襲撃の顛末までその感覚が貫かれていて、これは面白い映画でした。
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id:yomoyomoはてなブログPro雑文書き、翻訳者。1973年生まれ。著書に『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』、『情報共有の未来』、訳書に『デジタル音楽の行方』、『Wiki Way』、『ウェブログ・ハンドブック』がある。

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