狭山丘陵の多摩湖・狭山湖近くにレトロな雰囲気の「トンネル自転車道」があることを発見。こりゃ行ってみるしかないッスね。

　武蔵村山市のHPによると、昭和初期に当時の東京市が山口貯水池（狭山湖）建設へ向け多摩川から砂利などを運搬するために敷いた軽便鉄道線があったという。その廃線跡を1981年（昭和56年）、武蔵村山市が整備して約4キロの野山北公園自転車道として市民に開放した。区間の中には丘陵を越えるために掘られたトンネルが6カ所あったが、そのうち4つが現在も通ることができ、これが「トンネル自転車道」と名付けられているようだ。

　この日は関戸橋から多摩サイに入り、日野橋で離脱。昭和記念公園からは残堀川沿いを進み、狭山湖側から自転車道を目指した。

　ところがもう少しで自転車道の赤坂トンネルというところで住宅が途切れ、舗装も終わってダートとなりうっそうとした山の中へと突っ込まされた。山道は初めはダブルトラックだったのでなんとか乗れたが、やがて草の生い茂るシングルトラックの「けもの道」となりまともに漕ぐこともできなくなった。こりゃ参った。

　グラベルロードで来るべきだったのか。いや、もしかして自転車で来るところじゃなかったか。もうやめるか。諦めかけたが、ナビを見るとこの先を左に曲がればトンネルがあることになっている。もう少し行ってみるか。

　ヘビが出てきたら戻ろうと思いながら雑草をかき分けながら進む。すると、少し先に開けたところがあり、そこにはなんと車止めがあるじゃないか。直射日光に照らされ、まるで後光が差すように光り輝く、まさに希望の「車止め」。信じられないことにそこから舗装された自転車道が唐突に始まっていたのだ。

　あとで気が付くのだが、山の中を抜けて東側から自転車道に入る人はいないみたいね。県道のある西側から入り、突き当たりの様相を呈するここで引き返すのが普通のようで、どうも逆にルートを引いたみたい。それを表すかのようにこちら側にはトンネルの名前が書かれていない。あきらかにここが「野山北公園自転車道」のゴールのようですな。

　ちなみに車止めの反対側に別な道があり、ここを進むと「5号隊道」があるのだが、残念ながら立入禁止となっているようだ。武蔵村山市さん、もう少し頑張って多摩湖自転車道へつなげてくれませんかね。

　この日は群馬県伊勢崎市で国内歴代最高の気温41.8度を観測し、武蔵村山市でも最高気温は37度。しかし、トンネルの中はメチャ涼しい(^o^)　猛暑の中を漕いできてヘロヘロだったので、ここにずっといたい気分！

　赤坂トンネルを皮切りに、御岳トンネル、赤堀トンネル、そして最後の横田トンネルと続くのだが、このトンネル群を「千と千尋の神隠しに出てくるトンネルのよう」と武蔵村山観光まちづくり協会は紹介している。「近くに湖があり、昔湯屋のような料亭があった」そうだ。

　何とも言えないけど、横田トンネルから行くと段々と静かな森の中へ入って行くので、まあ、それなりの雰囲気は味わえそうだ。これで多摩湖へ出られれば最高なんだけどなぁ。もう一度言うけど、なんとかなりませんか。

　実はこのトンネル群はシャッターがあり、午前7時に開き、夏季は午後6時、冬季は午後5時に閉鎖される。周囲に民家はあるけど生活道路というわけではなさそうだ。

　横田トンネルを出た後は、県道を越えて野山北公園自転車道をそのまま西へと進む。ほぼ直線の道が続くが、サイクリングロードという割には舗装は綺麗ではなく、快適ではない。スピードを出させないためだろうけど、もう一度走りたい道ではないかな。

　この日の走行距離は90.4キロ、獲得標高は759メートル。ほとんど土地カンのないところをナビ任せで走ったので、いったいどこにいるのやら状態が続いたが、尾根幹に出てようやくほっとひと息なライドだった(^_^;

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