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SNSアプリ「BeReal」にZ世代が熱狂　リアルな自撮りがはやる理由

2024年02月01日読了時間： 6分

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鈴木朋子
ITライター／スマホ安全アドバイザー

2024年、注目のSNSアプリといえば「BeReal（ビーリアル）」だ。撮影した写真や動画の加工ができず、投稿する時刻や回数すら選べないこの“不自由なアプリ”が、Z世代の心をひき付けた。間もなく公式アカウント機能も開始される。“盛り”なしのリアルの共有を追求するBeRealの人気について解説する。

1日1回送られてくる通知に、2分以内に自撮りで対応。時間制限がリアルな自撮りを引き出す「BeReal」の魅力　（画像：Tada Images／stock.adobe.com）

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「通知」に自撮りで反応、ゲーム性の高さが魅力

　2024年、成人の日の午後、成人式の会場が一斉にざわつく瞬間があった。それは、SNSアプリ「BeReal」の通知が来た時刻だ。

　「BeReal来た！」「早く撮ろう」とスマートフォンを掲げる新成人たち。BeRealで撮影した画像には、自分の自撮りと周囲にいる仲間たちが1枚におさまる。「いいね」の役割を果たすスタンプにも、晴れ着姿の友人の自撮りが並ぶ――。

　フランスのBeRealが20年に開発したBeRealが、日本でもZ世代を中心に人気急上昇中だ。注目すべきはその独特な仕様にある。

　1日1回、ランダムな時間に通知が送られてくるので、通知が来たら2分以内に前後カメラで撮影した写真を投稿する。アプリで撮影した画像しか投稿できないため、美顔加工した自撮りや見せたくない箇所を塗りつぶした画像は投稿できない。早朝に通知が来た場合は寝起きの顔を、散らかった自室にいるときは廊下などに出て撮影する。授業中に通知が鳴ったときは教室がざわつき、こっそりとクラスメートと撮影することもある。

　「人に見せられる状況じゃない」と投稿しないでいると、友人の投稿すべてにぼかしがかかって見られない。一方、2分以内に投稿すれば、ボーナスとして追加で2回投稿のチャンスを得られる。

　そこで、撮影しづらい場面のときはとりあえず天井と床などを撮影して投稿し、本当に友人にシェアしたい画像をいつでも撮影できるようにしておく。通知から1日以内なら自分が好きな時間に投稿できるが、「〇分遅れ」と投稿に記載されてしまう。その結果、「この投稿は映えているけど、通知から遅れていてずるい」などと評される。

　つまり、通知が来た時間にリアルが充実していることが最高のステータスとなるのだが、実際はそううまくはいかない。このゲーミフィケーションが公平性ともなり、Z世代の心をつかんでいるのだ。