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関節痛や筋肉痛が少ない印象の今年のインフルエンザ 治療薬の効果はほぼ一緒 軽症なら不要な場合も

関節痛や筋肉痛が少ない印象の今年のインフルエンザ 治療薬の効果はほぼ一緒 軽症なら不要な場合も

 先日、家族でディズニーシーに行きましたが、ツリーやパレードがきれいでした。自分も人混みに行っておいてなんですが、今、インフルエンザが猛威を振るっております。今回は、今シーズンのインフルエンザで、僕が実際に診察して感じる症状や、治療薬の僕なりの選び方、そして変異株に対するワクチンの効果の最新の研究をお伝えしたいと思いまシュッ!

いわゆる風邪症状が多い

 まず症状ですが、やはり39度前後の高熱が出ているイメージです。たまに37度台で来院されて、抗原検査をしたらインフルエンザだったという例もあるにはありますが、体感としては少ないです。そして今年のインフルエンザは、せきや鼻水や頭痛といったいわゆる風邪症状が多い印象です。従来多い筋肉痛や関節痛は、今年は少ないイメージです。

 なので、関節痛がないからインフルエンザじゃないのかな?とは思わずに、迷ったら受診したり、ご自身で市販の抗原検査キットをやってみたりしても良いと思います。ただ、自分でやる場合は、発症して12時間たってから行うようにしましょう。12時間以内だと実際に感染しているのに陰性と出てしまう、「偽陰性」となる割合が上がります。データでは、5人に1人程度見逃してしまう恐れがあるとのことです。

治療薬は1日早く元気にさせてくれる

 そして治療薬に関しても簡単に説明しまシュッ!

 現在治療薬で使われているのはオセルタミビル(タミフル)、ザナミビル(リレンザ)、ラニナミビル(イナビル)、バロキサビル(ゾフルーザ)、ペラミビル(ラピアクタ)です。ラピアクタのみ点滴で、基本的には入院患者さんに使われるのでここでは割愛させていただきます。その他の薬は、大まかに言えば「効果は一緒」です。症状発現を1日短縮させる、つまり1日程度早く元気にさせてくれるという効果です(正確には1日にも満たないくらい)。

タミフル:内服薬。1日2回5日間飲む。2001年発売で、歴史もありエビデンスは豊富。高齢者、妊婦、基礎疾患持ちなどで使いやすい。胃腸障害の副作用が出やすい。


リレンザ:吸入薬。1日2回5日間使う。吸入がうまくできない人は使えない。


イナビル:吸入薬。10歳以上は2容器、10歳未満は1容器を、1回のみ吸入して終了。こちらも吸入がうまくできない人は、1回しかチャンスがないため効きづらい。


ゾフルーザ:内服薬。1回の内服で終了。上記3つとは違う作用の仕方で効果を出す。ウイルス量を減らすスピードは速い。耐性株が話題になったが、そこまで心配しなくて良さそう。

薬の使い分けはちゃんと飲み切れるかどうか

 個人的な僕の使い分けとしては、重症化リスクの高い人にはタミフル、1回だけで済ませたい人はイナビルやゾフルーザを使うことが多いです。簡単に薬の説明をして、患者さんに希望を聞くこともあります。外来での軽症例においては、効果にそれほど差がないなら、「薬をちゃんと飲み切れるかどうか」が一番重要だと僕は思っています。その点は1回で完遂できるものは使いやすいし、患者さん側にとってもメリットだと思います。

 治療薬は発症してから48時間以内に飲むことが原則です。ただ少し補足すると、インフルエンザの治療薬の処方は日本でとても多いです。どの程度までが治療薬の対象となるかは議論の分かれるところで、日本は使いすぎという指摘もあります。ひとまず軽症であれば、本来これらの治療薬は必ずしも使う必要はないものです。この辺りは、医師でも意見は分かれています。

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しゅんしゅんクリニックP(しゅんしゅんくりにっく・ぴー)

 医者芸人。1983年、前橋市出身。群馬大医学部卒。NSC(吉本総合芸能学院)東京校16期卒。2011年、漫才コンビ「フレミング」結成、16年解散、ピン芸人に。ダンスしながら医療あるあるを歌うリズムネタ「ヘイヘイドクター」で注目され、テレビや舞台、YouTube、学園祭などで活躍。最近は77歳の若手芸人「おばあちゃん」とのコンビ「医者とおばあちゃん」も話題。埼玉県内のクリニックなどに勤務。書著に「40歳を過ぎるとなぜ健康の話ばかりしてしまうのか?」(ヨシモトブックス)

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