劇作家、演出家で女優の渡辺えりさんは、コロナ禍で外食ができなくなってから食べ始めた朝の蒸し野菜で、健康になったそうです。韓流ドラマや推し活でストレスを解消しながら、作品づくりを続ける日々です。(聞き手・道丸摩耶、撮影・秋元和夫)
大好きな野菜で疲れにくくなった
――体力維持のために気をつけていることはありますか?
コロナ禍で外食がなかなかできなくなったのがきっかけで、自炊をするようになりました。それまでは忙しくて、とても作る時間がなかったんです。私はブロッコリーとかキャベツとか野菜が大好きなので、朝は蒸した野菜と目玉焼きなんかを作って食べるようにして、そうしたら昔より疲れにくくなって、体の調子が良くなりました。
――野菜は体に良いんですね。
朝から大量の野菜を食べて、そこにサバ缶を入れたりしています。大量に蒸しておいて、温め直してまた夜に食べたり、野菜を多めに入れたカレーを作り置きして、小分けにして食べたりしています。野菜も魚も好きなので、自分の好きなものを食べているだけなんですが、調べたら、私が好きなものは全部、健康にいいとされているものでした。
――睡眠は十分にとれていますか?
この業界は朝がすごく早かったり、夜が遅かったりと、規則正しい生活が難しいんです。忙しくて朝まで原稿を書かなくちゃいけない時も、そのまま早朝から仕事だったりします。そうやって眠る時間を削っていたら、それが癖になっちゃったのか眠れなくなりました。睡眠導入剤を飲むことにしたら、8時間とか長く眠れるようになりましたが……。
――眠れなくなったのは、いつ頃でしたか?
48歳ごろだったと思います。ところが最近また、長く眠れなくなっちゃって。もっと寝ていたいのに起きちゃう。悔しいですね。眠るにも体力が必要だから、年をとるとあまり寝られなくなると聞いていましたが、このことかと実感しています。
韓流スターの「ファンミ」にも参加
――心の健康を保つために心がけていることはありますか?
韓流ドラマを見るとスカッとします。ストレス解消です。私の仕事はすごく根を詰めないといけないので、それをすっきりさせてくれる趣味は必要かなと思います。ジュリー(沢田研二さん)のコンサートにも行きましたし、忙しくても、推しがいるとちょっと晴れやかな気持ちになります。
――韓流ドラマはずっとお好きだったんですか?
はまったのは今年の初めくらいです。実は以前、「愛の不時着」にはまって、韓国語を習おうと考えたこともあるんですが、主演のヒョンビンさんが、恋人役を演じたソン・イェジンさんと結婚してさめちゃったんですよね。ところが、昨年の終わりから今年の始めくらいに、友人の女優、木野花さんと桑原裕子さんから勧められて、夜中に仕事が終わったときに渋々見始めたらはまっちゃいました。
いろいろな作品を見ましたが、魂が入れ替わった男女のファンタジー「シークレット・ガーデン」は、同じ「人魚姫」を題材にしたうちの芝居にすごく似ていて驚きました。韓流ドラマからは昭和のにおいがします。7月には、素敵だなと思った韓流スターのファンミーティングにも行ったんですよ。
――ファンミ! それは一般のお客さんとして行かれたのですか?
そうです。チケットを取るのが激戦でしたが、何とか当たって4階席から見ました。
――ご自身もステージに立つ側ですが、ファンとして見るのはいかがでしたか?
まったく別物ですね。こちらはアングラの小劇場で、ちょっと考えこむような芝居を作っていますが、推しのステージは、本当にわかりやすく楽しい。格好いい素敵な人の明るい笑顔を見るわけですから、まったく違います。すごく参考になりましたね。