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いつのころからか耳にするようになった「気になる言葉」を、漫画家でコラムニストの辛酸なめ子さんが独特の切り口で読み解く夕刊「popstyle」の人気連載「辛酸なめ子のじわじわ時事ワード」。今回は【31歳の赤ちゃん】(さんじゅういっさい・の・あかちゃん)です。
アメリカで、1994年に冷凍された受精卵(胚)から7月に男児が生まれました。出生に至った凍結胚としては世界最長記録とのこと。「31歳の赤ちゃん」と呼ばれて話題になっています。

オハイオ州のリンジー・ピアースさん(35)は、約7年間にわたる不妊治療の末、凍結された受精卵で出産しようと決めました。そしてたどり着いたのが、キリスト教系の受精卵養子縁組機関です。その機関で、体外受精で作った胚を長期保存していたのが、リンダ・アーチャードさん(62)。年間数千ドルの保管料を払いながら、胚がふさわしい人に出会うのを待っていました。
ついにマッチングしたのが、条件通りの、米国在住の白人でキリスト教徒の既婚カップルでした。リンジーさんは無事に息子のタデウスくんを授かり「まるでSF映画のワンシーンみたい」と家族と話しているそうです。リンダさんも、赤ちゃんの写真を見て「自分の娘とよく似ている」とコメントしています。
SNSには“史上最高齢”となった「31歳の赤ちゃん」についてのジョークや
「自分が間違った世代に生まれたと主張する権利を持つ最初の赤ちゃん」「彼はY2Kを経験できたかもしれない。マイケル・ジャクソンの伝説的な活躍、ビヨンセの台頭、携帯電話やインターネットの誕生を目にしたかもしれない。今、彼が手に入れているのはドバイのチョコレートとラブブだけ」「この子はクリントン時代に生きていて、TikTok時代に生まれました。土星回帰をスキップするなんて」「このかわいそうな子は、歴史上最も素晴らしい時代に生まれるはずだったのに、ココメロン(子供向けの動画シリーズ)、TikTok、ゴミみたいなAIの時代に生まれてしまった」と、昔は良かった的な書き込みの数々がありました。
「おめでとう! ビンテージベビーの時代に入ったね」「生命が受胎から始まるなら、この赤ちゃんに運転と投票の機会を与えてください」「もうクラブに行ってる年なのに」などと、ネットでいじられています。
もしかしたら受精卵の時、凍結保存されながらも、どこかで時代の波を感じていたかもしれません。写真を見るとなんとなく老成している顔立ちにも感じられます。世界に名前が知れ渡り、一生言われ続けそうな「31歳の赤ちゃん」ネタ。長年誕生を待ち続けた赤ちゃんは、持ち前の忍耐強さで世間の声にも動じない予感です。

中国では若者の失業率が高く、ストレスが多い環境で赤ちゃん返りしたい人も多いのでしょうか。大人用おしゃぶりが中国のZ世代のあいだで
おしゃぶりをくわえると、見た目は大人なのに赤ちゃんなので違和感が……。本人的には、何も悩みがなかった幼児期に退行できるのでしょうか。「仕事でプレッシャーを感じると、おしゃぶりを吸います」「禁煙期間中、精神的な安らぎが得られました」といった愛用者の声が。
不安を和らげ、睡眠を改善するという説もありますが、長時間使用でかみ合わせが悪くなる可能性も。大人のおしゃぶりは、大人として使用時間や節度を守って適度に取り入れるのが良さそうです。
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