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損害保険各社でつくる損害保険料率算出機構は、2023年4月から自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の保険料を平均10%程度引き下げる方針を固めた。値下げは21年4月以来、2年ぶりとなる。
自賠責保険は車やバイクの全所有者に加入が義務づけられている。機構が19日に開催予定の理事会で値下げ幅を確認し、来年1月の金融庁の金融審議会で正式に決める。
交通事故の件数や保険金支払額が減少傾向にあることを反映した。日本損害保険協会によると、21年度の保険金支払額は前年度より8・9%少ない約5600億円だった。自動ブレーキなど安全性能を強化した車が普及する中、今後も事故は減り、値下げをしても収支が維持できると判断した。
自賠責保険を巡っては、ひき逃げなど加害者不明の被害者救済に使われる「賦課金」の増額が23年度から予定されている。賦課金は自賠責の保険料に組み込まれており、現在は約32円だが、100円程度上乗せされる見通し。ただ、賦課金を除いた保険料が引き下げられるため、自賠責保険料全体では、全車種平均で10%程度の値下げとなる。
現在の自賠責保険料(沖縄県と離島を除く)は、一般的な2年契約で乗用車が2万10円、軽自動車が1万9730円。21年4月の改定では平均6・7%値下げされた。22年度は据え置かれていた。