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2024年にエリザベート王妃国際音楽コンクールで優勝したウクライナのバイオリニスト、ドミトロ・ウドビチェンコ(26)=写真=が来日し、20日に上野の東京文化会館小ホールでリサイタルを開く。プログラムは「今だからこそ弾く意味がある」と語る、ショスタコービッチとヤナーチェクのバイオリン・ソナタなどだ。
ロシアの侵略を受けるウクライナ・ハルキウに生まれ、17歳でドイツに移住。22年以降、大きな国際コンクールで次々に優勝し、注目を集めた。「戦争が始まったタイミングでの世界デビューに内心は複雑ですが、コンクールは子どもの頃からの目標でした」と話す。
バイオリンについて「私が私であることの意味、自分とは何者かを教えてくれた」。そして音楽とは人生そのものだ、とも。
「ショスタコービッチのバイオリン・ソナタは避けがたい宿命、死について語っています。ヤナーチェクのバイオリン・ソナタの結末も悲劇的です。それらは今の私にとって、どちらも普遍的な感情として迫ってくるのです」
午後7時開演。曲目はほかにブラームスのバイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」など。共演は指揮でも活躍するフィンランドの俊英ピアニスト、ミカエル・ロポネン。(電)03・5685・0650。