【FACT(事実)を重視しよう】
プレスリリースは、あなたが所属する団体・企業の公式な情報発表の場となります。その企業・団体について調べようとしたときに、コーポレートサイトやオフィシャルサイトと同じくらい、プレスリリースは信頼のおける公式な情報源として活用されます。データを記載するときは、出典元や引用元も忘れず記載しましょう。
また、「素晴らしい」や「大人気」などの形容詞を使うのは、可能な限り控えましょう。
おそらく、あなたがプレスリリースに書こうとしている事柄が、どれだけ素晴らしいものか、どれだけ大人気なのか、あるいはどれだけ新鮮なのか・・・あなたにはよくわかっているかと思います。
しかしその事柄に初めて接する記者は、それがどれほどなのか、あなたほど鮮明にはわからないのです。
たとえばアーティストの紹介文で、
「将来有望! 聴くと癒やされる素晴らしい歌声のシンガーソングライター、山田花絵さん」
と書いても、将来有望なアーティストはたくさんいます。また、聴くと癒やされる歌声を持つアーティストは世の中に何人もいます。「素晴らしい歌声」も然りです。漠然としています。
この文章を読んで誤解なく把握できることは、山田花絵という名前と、シンガーソングライターという肩書きだけです。
そこでたとえば、データを用いて説明してみます。
1994年生まれのシンガーソングライター、山田花絵さん。先月リリースされたメジャーデビューシングル『古里(ふるさと)』がオリコンチャート8位を記録。美空ひばりさんや宇多田ヒカルさん、徳永英明さんの歌声に見られる、ヒーリング効果があるといわれる『1/fゆらぎ』の声を持つ。
「『古里』は、最初の一小節を聴くだけで、山田の歌の世界に引きずり込まれ、そのまま5分が経ってしまう。声はランドセルを背負った女の子みたいに可愛らしいけど、歌声の底には人を引き込む力がある。まだ若いし、これからが本当に楽しみなアーティスト」と、音楽評論家の山田太郎氏。
だいぶ印象が明確になったのではないでしょうか?他にも、
「古くから地元の人々に親しまれる、老舗の団子屋『あすか』」
と書くのを、
「創業1890年。創業当時から客席は5席の、団子屋『あすか』」
と書いたり。
「いくら書いても書きやすい! クルクル尖るシャーペン『クルトガ』」
と書くのを、
「新開発したシャープ内部機構により、文字を書くたびにシャープ芯が少しずつ回ることで芯先が均一に摩耗し、常に円錘形の芯先を保つことで、いつも細く、濃く書くことができる回転シャープ『クルトガ』
―自動芯回転機構「クルトガエンジン」とは?―
シャープペンの芯先に初めて注目して、新開発した機構です。機構内部が3つのギアに分かれており、芯に連結された中ギアが、文字を書くときの筆圧を利用して、上下に運動します。上下のギアと斜めに噛み合うことで、一画書く度に中ギアと芯が少しずつ回転します。一画で約9度回転し、40画で1周します。」
出典元:三菱鉛筆株式会社 プレスリリース 2008年03月18日
http://www.mpuni.co.jp/news/pressrelease/detail/20130326153850.html
と書きます。
※このようにデータを引用したら、出典元も書きます。
数字やデータで具体的に表現するよう努める。なるべく形容詞は使わない。
データを引用したら、出典元を書く
これに注意しましょう。
【専門用語を使わない】
先ほどの『古里(ふるさと)』の曲の魅力を説明するとき、業界の方はどうしても業界用語を使ってしまうかもしれません。以下の例は極端を承知で書いてみたのですが、
「1番はアンダンテ・カンタービレな感じだったが、2番ではアパッショナートになっていき、Cメロでは一転、フォルティッシモな歌声に。とてもアジタートな、息を呑む展開になる。最後は、コン・エスプレッシオーネに歌を終える」
音楽に詳しくない人には何がなんだかわからないでしょう。
さすがにこのような書き方は誰もしないかと思いますが、たとえば音楽業界だと「グルーヴ感のあるサウンド」というような言葉が使われるかと思います。音楽業界では通じる言葉かと思いますが、音楽をやっていない人には、グルーヴがどのような意味なのかもよくわからないのです。
専門用語を使わなければどうしても表現できないものならば仕方がないかもしれませんが、なるべく専門用語は、意味を噛み砕いて表現するようにしましょう。辞書を引くと参考になることが多いです。
誰に送るかによって、専門用語の使い方が異なります。