【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。「NHK紅白歌合戦」の出場者が発表され、大みそかに向けて盛り上がりが増してきましたね。初出場は白組が2組に対し、紅組は8組でフレッシュなメンバーが多いのが特徴。通算勝敗は紅組が負け越していますから、今年のパフォーマンスに要注目ですね。
さて、そんなニュースに関連し今週は、「赤」がポイントの一つとなる新作アニメ映画「果てしなきスカーレット」(公開中)を紹介します。
今作は、「時をかける少女」「サマーウォーズ」で知られる細田守監督の最新作。父親を殺害された王女・スカーレット(芦田愛菜)が死者の国に迷い込み、そこで出会った現代日本の看護師の青年・聖(岡田将生)とともに復讐を見据えた旅に出るという物語です。
まず色彩がすごかった。色としてのスカーレットは鮮やかな赤色で、緋色(ひいろ)とも言います。劇中では主人公の名前となっており、赤は赤でも様々な赤が主人公の心情を表現するために出てくるんですよね。スカーレットが絶望すると黒混じりの赤に沈んでいったり、怒りに身を任せると血湧き肉躍るような赤になったりする。そんな絶妙な色彩感覚が素晴らしいと感じました。
細田監督の真骨頂といえば異世界もの、パラレルワールドです。今作も中世デンマークのお姫さまが死者の世界に迷い込んで現代の日本の青年と出会うという摩訶不思議なお話。細田監督はしばしば“ポスト宮崎駿”と表現されますが、宮崎監督とはここが大きく異なる点です。
宮崎監督は作品独自の世界が存在していて、我々の現代社会とは切り離した物語が多いです。細田監督は現代の我々と異世界がつながっているという描き方が多く、その作風はポリシーと言ってもいいでしょう。この細田ワールドを思いっきり味わうのが醍醐味です。ハイファンタジーではなく、日常の延長線上にあるファンタジー。これが、今を生きるすべての人に刺さりやすいテーマとなっていますし、最終的に家族愛という落としどころにつながる。今作はカップルで見ても家族で見ても、もちろん一人で見ても、面白い一本になっていると思いました。
あっという間に今年も残り1か月弱。年の瀬といえば「紅白歌合戦」ですが、こちらの“赤い新参者”にもぜひ注目してもらいたいところです。





















































