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公益社団法人 日本将棋連盟

「女流棋士公式戦番勝負対局規定」の一部変更と公式戦番勝負対局規定(仮称)検討委員会立ち上げについて

更新:2025年12月16日 10:00

 平素より将棋界にあたたかいご支援を賜り、誠に有り難うございます。

 先般、福間女流六冠より、タイトル戦における対局者の妊娠に関する規定について問題提起をいただきました。当連盟としては既に12月10日付で公式サイトにて所見を開示しておりますが、此処にあらためてご説明いたします。
 日頃より応援してくださるファンの皆様にご心配をおかけしていること、そして福間女流六冠に不安を抱かせてしまったことに対しお詫び申し上げます。

 まず、妊娠・産休とタイトル戦の関わりについて、当連盟では、従来より、タイトル戦ごとに定められていた番勝負対局規定(以下「番勝負規定」という。)に基づき、母体の安全と健康の確保、当事者の意思の尊重、そして棋戦全体の公平性を原則として、一定の基準の下で個別事案毎に慎重に対応してまいりました。これらの課題を共に満たすことが重要と認識しております。実際に、昨年の福間女流六冠の妊娠を受け、前期の複数のタイトル戦においても、番勝負規定に定められた対局日の変更条項に基づき対局日の日程を調整し、かつ、椅子対局への変更等の対局環境の調整を行いました。

 そして、本年4月1日、従来の規定を踏まえ、女流棋士公式戦番勝負対局規定(以下「本対局規定」という。)を制定しました。本対局規定は、昨年の女流番勝負における調整を踏まえ、制度設計面での今後の進展を包容しつつ、当時点での課題の明確化の観点から暫定的に作成したものです。

 当連盟としては、まず母体及び子の安全を最優先の方針として、労働基準法を参考に、産前6週間、産後8週間を基準とし、母体に可能な限り影響が出ないような期間を定めました。

 一方で、同期間がタイトル戦の日程と重なった場合には、対局者の変更という不利益が生じるため、番勝負規定と同様に対局日の変更条項も定め、可能な限り、対局日の調整を行うことによって、母体及び子の安全を確保しつつ対局者の不利益を最小化するという、従来の規定及び運用を踏襲する形としました。

 棋士・女流棋士にとって「対局は命」と表現することがありますが、これは決して比喩ではなく、それほどまでに対局とは心身ともに負担が大きいものです。本対局規定は、然るべき制度設計の第一歩として、母体と子の安全を最優先にすることに主眼を置いたものであり、妊娠・出産とタイトル戦の出場の二者択一を迫るものではないことをご理解いただけると幸いです。

 今回の福間女流六冠の記者会見を受け、改めて担当部署等に調査を実施したところ、主催者や一部女流棋士に対し、本規定により、あたかも対局日の変更等はできず、機械的に判断されると受け取れる説明をしていたことが発覚しました。それを受け、当連盟において改めて検討したところ、弁護士からは、本規定は番勝負対局規定を踏襲したもので、従来同様、解釈上、本規定9条1項において対局日等の調整は可能であり、女性の妊娠・出産を自己で決定する権利の観点から、そのような解釈をすることが相当であるとの見解を得ました。また併せて、本規定2条3項が、一切の調整をしないという趣旨であり、そのような運用をするのであれば、女性の妊娠・出産を自己で決定する権利を著しく害するとの指摘も併せて受けました。

 当連盟は主催者や一部女流棋士に対し、かかる説明をしていたことにつき、深く反省しており、再発防止に取り組んでまいります。

 上記経緯から、当連盟としては、本件を重く受け止め、昨日、緊急常務会を開催しタイトル戦の対局者が妊娠・出産する場合の本対局規定を一部変更することとしました。変更点としては、対局日程が産前6週間、産後8週間と重複時は対局者の変更を行う、という規定を削除します。また、それに伴って、妊娠・出産が対局日等の変更事由に該当することを規定上明示した上で、可能な限りの調整を行います。もっとも、対戦相手を始めとする利害関係者間の調整が必要であることも否定できず、物理的に日程が調整できない、対局場の確保が困難で対局日が変更できない等の事情がある時は、対局者の変更を行い、出場できない対局者への代替措置を講じることとします。

 具体的には、「女流棋士公式戦番勝負対局規定」の一部変更と公式戦番勝負対局規定(仮称)検討委員会立ち上げを行います。

・対局者の変更における「妊娠している場合において、出産予定日を基準とした産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間から産後8週間までの期間と番勝負の日程が一度でも重複する場合)」、並びに「前号、出産予定日を基準とした産前・産後の期間に該当しない場合において、番勝負出場に医師の承諾が得られない場合」を削除し、新たに「対局日変更の検討・調整を行ったものの、母体の安全や棋戦の進行上、委員会により今期の番勝負の出場が困難と認定された場合。」を追加します。

・「対局者が妊娠している場合、その他健康上の特別な事情を有する場合には、委員会は、対局日の変更等を含め番勝負の実施方法について検討し、可能な限りの調整を行う。」を追加します。

 上記の改定により、当連盟は対局日の変更等の調整に引き続き取り組むことと共に、以前にも増して妊娠・出産と対局とのバランスに配慮した環境の整備に努めます。

 さらに、こうした当連盟の制度設計や対局規定を専門的かつ多面的な観点から指導し、また、実際に妊娠者がタイトル戦において対局者変更となる場合の代替措置等を検討していただくために、「公式戦番勝負対局規定検討委員会(仮称)」を立ち上げます。仮にこう名付けましたのは、今後予想される女性の棋士の誕生に備えて、本対局規定はすべての棋戦において適用されるべきと考えるからです。委員会の委員については現在選定中ですが、遅くとも来年1月には立ち上げた上で、3月を目途に中間結果を、4月末には最終的な答申案をご提出していただくことを目指します。

 当連盟は、この機会を、女流棋士の権利保護を一層強化する契機ととらえ、丁寧に取り組んでまいります。引き続き、女流棋士、そして応援してくださる皆様の声に真摯に耳を傾けながら、安心して対局に臨むことができる環境作りに尽力してまいりますので、何卒ご理解賜りますよう謹んでお願い申し上げます。

【清水市代・日本将棋連盟会長コメント】
 本件に関しまして、日頃から将棋界を支えてくださっているファンの皆様、関係者の皆様にご心配とご不安をおかけいたしましたことを、深くお詫び申し上げます。
 妊娠・出産を含む人生のさまざまな局面において、棋士・女流棋士が安心して対局に臨むことができる環境を整えることは、将棋連盟の責務であると強く認識しております。
 今回の見直しを一つの出発点とし、検討委員会での議論や女流棋士、主催者、ファンの皆様のお声を真摯に受け止めながら、より良い制度と運営体制の構築に全力で取り組んでまいります。

2025年12月16日
公益社団法人日本将棋連盟

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