ロングゲームを制した二階堂亜樹 ©AbemaTV, Inc. ©M.League EⅩ風林火山の二階堂亜樹は、女流プロとして姉の瑠美とともに長く麻雀人気を支えてきた。Mリーグ創設の2018年ドラフトでは風林火山から1位指名を受け、今シーズンからは選手兼監督に就任している。
上位争いをするチームの選手として参戦した21日の第1試合は、総局数23局、実に2時間26分を要した見応え十分の耐久戦になった。
南場の親番が回ってきたときの亜樹の持ち点は1万8300点。トップ目の白鳥翔(渋谷ABEMAS)には3万7000点の差をつけられていた。すでにここまで、ほぼ1試合分を戦った疲れもあったはず。しかし、亜樹の高い集中力は途切れることなく、大逆転を演じてみせたのだ。
ここから「二索」を切ってシャンポン待ちに ©AbemaTV, Inc. ©M.League大きなポイントになったのは南1局7本場の待ち変え。タンヤオの「二―五索」両面待ちでテンパイしていたのを、「三、四索」のシャンポンに替えて、三索をツモアガり。うれしい「三暗刻」のオマケがついて2600+700オール、トータル9900点の加点が見事だった。
勝利者インタビューで亜樹はこの選択について、「二―五索が待ちとしてすごく弱いと体感していて。三索は山にいそうだし」と話した。
メンタルも体力も擦り減らす耐久戦で〝正解〟を得られたのは、山読みの精度というより研ぎ澄まされた勝負勘のたまものではないか。プロ入り27年目。勝負の世界で長く生き抜いてきた「卓上の舞姫」は恐ろしいほどのタフネスだ。麻雀は〝マインド(頭脳)スポーツ〟。こうでなきゃ、勝ち抜けない。
■片山 真(かたやま・まこと)1961(昭和36)年12月18日生まれ。63歳。広島県出身。東京大学農学部畜産獣医学科卒、同大学院修士課程修了。夕刊紙で本紙予想を務めるなど競馬記者歴39年。麻雀にも造詣が深い。好きな手役は純チャン三色。