ワールドシリーズ第3戦前日の会見に登壇したドジャース・大谷翔平(撮影・横山尚杜) 【ロサンゼルス26日(日本時間27日)=横山尚杜】米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手(31)がワールドシリーズ(7回戦制)第3戦(同28日午前9時開始)の前日会見に出席した。敵地トロントで受けた「We don’t need you(お前は必要ない)」のチャント(大合唱)に対し、妻の真美子さん(28)を引き合いに出して「僕の妻が大好きなチャント。家庭内では言われないように努めたい」と余裕の返答をし、報道陣を爆笑させた。
会見に登場した大谷は柔和な表情で、心の底から置かれた立場と空間を楽しんでいるようだった。敵地トロントで浴びた「お前は必要ない」のチャント(大合唱)の話題になると、笑い飛ばした。
「素晴らしかったと思う。僕の妻(真美子さん)がすごく大好きなチャント。イジられたけど、個人的にはよかったなと思う」
ブルージェイズは2年前のオフに移籍先の最終候補だった球団。第1戦の七回に本塁打を放つと、九回の打席中にやじが降り注いだ。両軍の指揮官、選手が触れるほど話題になったが、大谷は2年前の因縁すら楽しんでいる。
日米に加えてカナダの報道陣で埋まる会場をさらに沸かせたのは、日本記者の自宅でのくつろぎ方についての質問に対する返答だった。「家に帰ったら全体的にリラックスしている。家庭内ではトロントで言われたようなチャントは言われないように努めたいと思う」と再び話題にし、日本の報道陣が爆笑。日本記者の質問、回答は通訳を介さないため、会見終了後には米国、カナダの記者が「大谷は何と言ったのか」と翻訳を求める姿が目立った。
この日は本拠地に戻ってブルペンに入り、約30球を投げて第4戦での先発登板に備えた。先手を取られた後、1勝1敗に戻して迎える第3戦。打撃は15日に屋外でフリー打撃を実施後、5戦連続安打中で「終わったことは切り替えて。3戦先取のホーム開幕だと思って臨めばいい」と前を向いた。
昨季はワールドシリーズ第2戦で左肩を脱臼し「全力で集中できる状況ではなかった」と振り返る。今年は自宅に帰れば、真美子さん、愛犬・デコピンと4月に誕生した長女が出迎えてくれ、グラウンド上では投打に不安がない。「健康体でプレーできることに日々感謝したいし、ワールドシリーズを戦えていることにまず感謝したい」。自然体で過ごす大谷に爆発の予感が漂った。