第171回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が17日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は、医師でもある朝比奈秋さん(43)の「サンショウウオの四十九日」(「新潮」5月号)と、松永K三蔵さん(44)の「バリ山行」(「群像」3月号)に、直木賞は一穂ミチさん(46)の「ツミデミック」(光文社)に決まった。
受賞作を手に写真に納まる芥川賞に決まった松永K三蔵さん=17日午後、東京都内のホテル松永さんは80年水戸市生まれ。受賞作は、勤務先の行く末に不安を覚える会社員が、危険を伴う山登りを通じて自身を見つめ直す物語。記者会見で松永さんは「純文学になじみのない方でも読みやすいものを目指した。多くの人に届いてほしい」などと述べた。
◆松永K三蔵さんの話「純文学に難しいイメージを持つ方もいるかもしれないが、今回私が書いたのは登山の小説で、純文学になじみのない方も読みやすいのかなと思う。日常的に山歩きをする中で着想を得た。小説の構想を練ったり私生活のことを考えたりと、山を歩く時間は一番リラックスできる。社会や世界のままならなさの中でいかに生きていくか、個人の挑戦や葛藤が書きたいテーマの一つ。働く中で学ぶこと、吸収することも多いので、(今後も)働きながら書いていきたい」