フィギュアスケート・スケートカナダ最終日(26日=日本時間27日、カナダ・ケロウナ)グランプリ(GP)シリーズ第2戦。男子フリーが行われ、今季GPシリーズ初戦の羽生結弦(24)=ANA=が前日のショートプログラム(SP)に続いてフリーも1位で自己ベストの合計322・59点で初優勝した。演技後半には4回転トーループ-オイラー(つなぎの1回転)-3回転フリップを世界で初めて着氷し、フリーも自己ベストの212・99点をマーク。2位のナム・ニュエン(21)=カナダ=に59・82点差をつける圧勝だった。
左膝をついて右手でガッツポーズした羽生は、両手で氷をなでてから立ち上がって叫んだ。「勝ったー!!」。秋の深まるカナダ西部のケロウナ。雄大なオカナガン湖がのぞめる会場を、熱気の渦に包み込んだ。
「ベリーグッド。久しぶりに心の中から自分に勝てたなと思える演技だった。スケートカナダで優勝したい気持ちがすごく強くあった」
過去3度出場し、すべて2位だった今大会。2季連続で使用する演目「Origin」を情感たっぷりに舞った。練習から入念に確認してきた冒頭の4回転ループの着氷はこらえる形になったが、その後はほぼノーミスの演技。世界で初めて4回転トーループ-オイラー(つなぎの1回転)-3回転フリップの連続ジャンプを国際スケート連盟(ISU)公認大会で決め、このジャンプだけでルール改正後最高点となる20・90点を荒稼ぎした。
自身のGPシリーズ初戦で、2位のナム・ニュエン(21)=カナダ=に59・82点差をつけて圧勝。ジンクスを打ち破り、「彼に負けたくないという気持ちも強くあった。特にスケートカナダだったんで。完璧とはいえないが、ハッピー」とGP通算11勝目(ファイナルを含む)に笑みを浮かべた。