【朝ドラのころ】貫地谷しほり(1)3回目の挑戦で「朝ドラ」という名の高座に上がる(2/3ページ)

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「ちりとてちん」はオーディション(1864人が応募)でヒロインに選ばれました。朝ドラのオーディションは3回目の挑戦で、当時はほかの作品も含めてオーディションに落ちまくっていて…。マネジャーさんに「ちりとてちん」のオーディションを勧められましたが、また落ちると思って、最初は「受けません」って言ってました。今思えば、ほかの役者さんもたくさん落ちているはずなのに、悲劇のヒロインぶってたのかも。

結局、チーフマネジャーに勧められて受けることになりました。2次審査では自己紹介があって、「ダンスが踊れます」と言って延々と踊りまくる人とか、みんなすごいんですよ。私は自己PRは苦手で、事務所と自分の名前で終わりみたいなタイプでした。

それでも最終審査に進み、「ちりとてちん」を制作するNHK大阪放送局に行きました。事前に作品を想定した台本を渡され、高座のセットがありました。

設定はひとりで落語を練習するシーン。そのときは「絶対に受かりたい」という気持ちが強くなっていました。そのせいか、高座に走り込む演技では勢い余って転んで、ほっぺを畳にこすっちゃったり(笑)。

その後、演技のモニターチェックをしたとき、プロデューサーの方から「今まで朝ドラのオーディションに受からないでくれてありがとう」って言われました。そう言っていただいてうれしかったし、「私、受かったの?」と思いました。ただ、最終審査では友達の役者さんとバッタリ会ってしまって。どっちが受かってもいやだし、複雑な気持ちになりました。

「ちりとてちん」では故郷の福井県小浜を飛び出して家族と離れ、大阪で落語家を目指す喜代美を演じました。常に最悪のことを想定して、そうならなければラッキー、みたいな後ろ向きの性格で、これまでの明るいヒロイン像とは一線を画すものでした。

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大谷翔平

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