ネタニヤフ政権、宗教政党相次ぎ離脱 連立崩壊は回避
イスラエルのネタニヤフ首相が16日、新たな逆風に見舞われた。宗教学校の学生の兵役を免除する法案を可決させられなかったことでユダヤ教超正統派政党の「シャス」が連立政権を離脱した。シャスが離脱する2日前に規模が比較的小さいもう1つの超正統派政党「ユダヤ教トーラ連合(UTJ)」が同じ問題でネタニヤフ氏の極右連立から離脱した。UTJの離脱で連立与党はイスラエル国会でわずか1議席上回るだけの過半数に追い
アフリカで資源ナショナリズム再燃、鉱山会社に対応迫る
10日、マリ政府のヘリコプターがカナダの鉱山大手バリック・マイニングの鉱山施設に予告なく着陸し、金(ゴールド)を運び出した。自国資源への権利主張を強めるアフリカ諸国と鉱山会社の対立が激化し、企業側が大きな課題に直面している現実が浮き彫りになっている。こうした動きは、マリ、ニジェール、ギニアなど西・中央アフリカの「クーデターベルト」と呼ばれる、近年軍事政権が誕生した国々にとどまらない。選挙で政権
ガザの人道支援物資、闇市での高額売却が横行
パレスチナ自治区ガザで、米国の後ろ盾を得て立ち上げられた「ガザ人道財団(GHF)」からの支援物質が売却されている。生活必需品の闇市がはびこる背景には、人々が困窮を極め、配給所で死者が相次ぐ現状がある。配給所は南部に集中GHFが5月に開設した配給所はどれもガザ南部に集中し、遠くから足を運ばなければならないパレスチナ人たちがいる。ガザ当局によると、道中にイスラエル軍からの攻撃で命を落とした地元民
BCGを巻き込んだガザスキャンダルの深い闇(社説)
トランプ米大統領は2月、廃虚と化したパレスチナ自治区ガザを「中東のリビエラ」に作り替え、220万人の住民を別の場所に移すという構想を示し、国際的な非難を浴びた。だがフィナンシャル・タイムズ(FT)が報じたところによれば、その後イスラエルの実業家たちが、米政権に対し、戦後のガザ経済を「トランプ・リビエラ」として再建し、「イーロン・マスク・スマート製造特区」を併設する計画を提示していた。これはパ
パキスタンがトランプ氏に接近 仮想通貨や希土類、ノーベル賞材料に
パキスタンが米国の高関税を課されることを回避し、米トランプ政権との関係を強化しようとしている。代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインのマイニング(採掘)拠点やレアアース(希土類)の供給源として自国の優位をアピールしつつ、トランプ大統領のノーベル平和賞ノミネート支援を申し出るというのが、接近作戦の柱だ。パキスタン財務省は最大の輸出相手国である米国との貿易協定締結に向け交渉を続け、関税の発
フーシ派、紅海で船舶襲撃 イスラエルは直後にイエメン港湾攻撃
イエメンの親イラン武装組織フーシによる2025年で初めての商船への襲撃が6日、紅海で発生し、ギリシャ船籍の貨物船から乗組員が避難する事態になった。ギリシャの海運会社ステム・シッピングが所有するドライバルク(ばら積み)船「マジック・シーズ」への襲撃は、イランが支援するフーシによる商船襲撃としては24年12月以来となる。この襲撃の直後、イスラエル軍はフーシが支配する複数のイエメンの港湾を攻撃した。
India enters a war of words
Passing through Bengaluru airport, I paused to check on my flight to Mumbai. On the departures board, the information was presented both in English and the elegant curls of Kannada, the main Indian l
言語戦争に突入したインドが直面する難題
インド南部カルナタカ州のベンガルールにある空港に降り立った筆者は、西部ムンバイへの乗り継ぎ便の情報をチェックしようとデジタルの出発掲示板の前に立ち止まった。そこには英語とともにカンナダ語で情報が表示されていた。カンナダ語はこの周辺地域の主要言語で、その文字はエレガントでくるくるした曲線が特徴だ。目を引いたのは案内板にヒンディー語の表示がないことだった。この事実を指摘したあるSNSへの投稿が
イランの高濃縮ウラン「ほぼ無傷」 欧州が初期評価
欧州各国政府の初期の情報評価によると、イランが保有する高濃度の濃縮ウランは、米国による3カ所の主要核施設への攻撃後もほぼ無傷で残っている、と2人の欧州当局者が明らかにした。これらの人物によると、兵器転用レベルの一歩手前まで濃縮された408キログラムのウランは、22日の米国の攻撃時にはイラン中部フォルドゥの施設に集められてはいなかったと情報評価は示した。濃縮ウランは分散して保管か高濃縮ウラン
湾岸アラブ諸国、はじけた「安全神話」のバブル
街中は治安が良く、個人所得の非課税制度を享受しつつ、温暖な冬を楽しむ――。外国人駐在員からカタールの人気は高い。だが23日夕、同国にある米軍基地がイランのミサイル攻撃にさらされると、周辺地域の緊張とは一線を画してきた居心地の良さという「バブル」が崩壊した。高級ブランド店などが軒を連ねる複合商業施設「ビラッジオ・モール」では、爆発音で窓が揺れ、警報サイレンが作動し、館内がパニックに陥った。広い通