エヌビディアCEOが訪中を計画 中国向けAI半導体の9月発売にらむ
米半導体大手エヌビディアは中国向けに特別に設計した人工知能(AI)半導体を9月にも発売する計画だ。ジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)が訪中し、中国市場に注力する姿勢を改めて打ち出すことも検討している。 米国の対中輸出規制に対応計画に詳しい関係筋によると、中国向けに発売する半導体は既存の「RTX PRO 6000ブラックウェル」の派生バージョンで、トランプ米大統領が強化した対中輸出規制
中国、価格低迷のニッケル備蓄を増強 米との緊張背景
米国との貿易戦争が激化するなか、中国がステンレス鋼や電気自動車(EV)用電池に欠かせないニッケルの価格低迷を好機と捉え、その備蓄を急拡大している。事情に詳しい2人の関係者と、中国の貿易統計とロンドン金属取引所(LME)からの引き出し状況を調べたフィナンシャル・タイムズ(FT)の分析で明らかになった。中国政府は2024年12月以来、国家備蓄向けに最大10万トンのニッケルを購入したと推測される。他
中国 高まるデフレ懸念、政府の批判の矛先は価格競争に
中国政府は過剰生産の助長が価格下落の元凶だとして、企業や地方政府を強く批判している。近く発表される物価統計では、過去最長に迫っている卸売物価指数(PPI)の下落が続く見通しだ。PPIの前年同月比での下落は2022年9月以降続いており、製造業と輸出に依存した経済成長に慣れ切った政策立案者に難題を突き付けている。(編集注:中国国家統計局は9日、6月のPPIは前年同月比3.6%下落したと発表した。
中国、製造業発展の「難所」じわり克服(下) 半導体も一部は自給化
中国のベアリング(軸受け)メーカーは急速に技術力を高めているものの、それでも、世界のベアリング大手は中国に対して大きな技術的優位を維持している。特にそれが当てはまるのは、宇宙空間や化学プラントなど過酷な環境や温度下で長期の耐久性が求められる機械の重要部品の製造だ。だが、最上位の外国勢も中国の進歩を警戒している。スウェーデンのイエーテボリに本社を置くSKFの中国マーケティング責任者ビビアン・ワ
中国、製造業発展の「難所」じわり克服(上) AI活用で軸受けは急追
中国共産党が長きにわたる戦争で荒廃した国の再建に取りかかった1950年代前半、革命の英雄で党を率いる毛沢東は自国の工業の暗澹(あんたん)たる状況を率直に言い表した。「椅子や机、茶わんや土瓶はつくれる。しかし、自動車や飛行機、戦車、トラクターは一台もつくれない」独ライプチヒ大学のカリナ・ハスヌリナ氏によると、ほどなく中部河南省の古都、洛陽市に第1トラクター工場が建設され、ベアリング(軸受け)工場
中国のレアアース輸出規制、公式対象以外にも 供給網にさらなる波紋
中国によるレアアース(希土類)と磁石の輸出規制が、公式に対象とされている製品以外にも広がっている。サプライチェーン(供給網)への影響が拡大するリスクがあるほか、中国との新たな貿易合意で出荷の遅れは解消したとする米国の主張を揺るがすものだ。世界における重要鉱物の供給を支配する中国は、トランプ米政権による相互関税への報復措置として4月から7種類のレアアースと関連する磁石の原料について輸出を許可制
香港の不動産、財務基盤が脆弱な企業が露呈(Lex)
香港の不動産市場はかつてアジアでは例外とみなされていた。土地が希少な上、強力な法的保護があり、不動産会社に規律があるとみられてきたからだ。中国本土の不動産大手が債務不履行や債務危機の混乱に巻き込まれる中、香港の不動産会社に対する投資家の信頼は、柔軟な価格設定と財務内容が根本的により強靱(きょうじん)だという信念によって持ちこたえていた。だが、こうした認識が改めて精査されている。香港の不動産取引
中国BYDも名乗り、欧州で口火を切った小型EV価格競争
中国自動車大手・比亜迪(BYD)は、英国で最も価格が安い小型の電気自動車(EV)を発売した。中国のEVメーカーが欧州で繰り広げる価格競争が、なおエンジン車の人気が根強い小型車にも及び始めた。最低価格1万8650ポンド(約360万円)という小型EV「ドルフィン・サーフ」は、BYDの人気ハッチバックEV「シーガル(海鷗)」の英国版だ。世界最大の自動車市場である中国では価格戦争が激化しており、シーガ
中国、レアアース輸出先企業に機密情報要求 知財盗用懸念も
西側各国の企業によると、中国がレアアース(希土類)や磁石の輸出にあたって機密性の高い事業情報を企業に要求している。これに対し企業の間ではデータの悪用や企業秘密の漏洩への懸念が高まっている。複数の企業や中国の公式ガイドラインによると、中国商務省は重要鉱物や磁石の輸出承認手続きの一環として、製品生産の詳細情報や機密の顧客リストの提出を求めている。中国はレアアースの加工とレアアースを使った磁石の製
中国規制当局、自動運転車の販売にブレーキ
中国で自動運転機能を搭載した車両が急速に増えている。危機感を覚えた中国の規制当局は自動車業界にブレーキをかけ、安全性と賠償責任に関する問題を吟味している。5台に1台、高度な自動運転機能搭載新しい運転支援技術は法的枠組みがまだ不明瞭だ。しかし、現在中国で販売されている新車のほぼ5台に1台が高度な自動運転機能を搭載している。中国はこうした一連の新技術において急速に世界のトップへと上りつめようと