自民党「基礎年金の受給額底上げ」 衆院選公約に明記

自民党は10日、衆院選の政権公約を発表した。基礎年金の受給額の底上げを掲げたほか、国内投資の促進などによって物価上昇を上回る所得向上を実現すると訴えた。在日米軍の法的地位を定める日米地位協定の「あるべき姿を目指す」と盛り込んだ。

小野寺五典政調会長は記者会見で「公約を絵に描いた餅に終わらせてはいけない」と語った。公約は①ルールを守る②暮らしを守る③国を守り、国民を守る④未来を守る⑤地方を守る⑥新たな時代を切り拓(ひら)く――の6本柱で構成する。
基礎年金の受給額底上げの実現のため、厚生年金加入の拡大などで「手厚い給付を受けられる方を増やす」と記載した。パート労働者の就労調整が発生する原因となっている「年収の壁」も見直す。いずれも年金財政の改善につながる期待がある。
現状のままでは将来世代の年金受給水準が低下するとの予測がある。厚生労働省が7月に発表した公的年金の長期的な見通しによると、一定の経済成長が続くシナリオでも専業主婦世帯の将来の受給水準は現在より6%減る。
派閥の政治資金問題を受けた政治改革については厳しい反省と強い倫理観のもとで、新たに設置した「政治改革本部」を中心に不断に改革すると言明した。
政党から議員に支給する使途公開の義務がない政策活動費は「将来的な廃止も念頭」に透明性の確保などに取り組む。当選が無効になった議員の歳費返納を義務付ける法改正も明記した。
国内投資の促進や物価上昇を上回る賃上げに向けて「政策を総動員する」と言明した。先端半導体や人工知能(AI)といった技術開発への投資を促す。重要物資の供給網を強靱(きょうじん)にする経済安全保障を推進する。
首相が持論とする「アジア版北大西洋条約機構(NATO)構想」への具体的な言及はなかった。「台湾有事が現実の課題となりつつある」と指摘した。
日米地位協定が関わる米軍基地の周辺対策を巡っては「米国と連携し事件・事故防止を徹底」するために議論を進める。
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