戦時下のインテリ酔わせたマジナイ語 「近代の超克」の引力なお
昭和史スケッチブック
ひどく暑い日だった。1942年7月23日の午後である。省線電車の恵比寿駅から長い坂道を上ったさきの料亭「目黒茶寮」に、気鋭の学者や作家、評論家が集まってきた。総勢13人にのぼる。
河上徹太郎、小林秀雄、亀井勝一郎、林房雄ら、いま計算してみると平均年齢は37.7歳。雑誌「文学界」主催の大座談会だ。
テーマは「近代の超克」。対米英開戦から半年余。知識人は時局にどう処するべきか――。翌24日も続けられ...
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「昭和」のさまざまな物語がよみがえる100年の節目。その片隅の出来事をスケッチします。








