[社説]トランプ氏の干渉は不適切だ

トランプ米大統領が衆院選に臨む高市早苗首相(自民党総裁)と自民、日本維新の会の連立政権を「完全かつ全面的に支持する」と自身のSNSで表明した。日本の国政選挙の投開票日を目前に、米大統領が支持政党を鮮明にするのは前代未聞である。
民主主義の基盤となる選挙の公正性を損ね、結果に影響を与えかねないこうした行為は不適切だ。余計な口出しは控えてほしい。
国際法には内政不干渉の原則がある。各国は他国の強制によらず、自らの政治体制を自由に選べる。国連憲章は加盟国の主権平等をうたい、政治的独立を保証している。トランプ氏の言動はこうした考え方にそぐわない。
トランプ氏は同じ投稿で日米首脳会談を3月19日にホワイトハウスで開くことも明らかにした。高市首相が続投するならば就任後初めての訪米となる。トランプ氏が4月に計画する中国訪問を前に、日米首脳が対中政策を擦り合わせるのは妥当と考える。
ただ、衆院選の投開票日が迫るタイミングで、トランプ氏がこのような発信をするのは問題がある。首相の続投を前提に政権に肩入れしていると受け取らざるを得ない。米大統領選の投開票を前に日本の首相が特定の候補を支持するメッセージを出すのがふさわしくないのと同じだ。
第2次トランプ政権は自らの保守的な思想に近い右派政権や政党を後押しするケースが目立つ。
トランプ氏は高市首相への支持とあわせ、4月に総選挙があるハンガリーのオルバン首相への支援も呼びかけた。昨秋はアルゼンチンのミレイ大統領をホワイトハウスに招き、直後に予定されていたアルゼンチンの中間選挙で与党への投票を訴えている。
これが行き過ぎれば、気に食わない国の政権打倒や体制転換をめざすことにもつながる。左派政権のベネズエラ攻撃やキューバへの威圧はその一例だ。地域の安定を揺るがすこうした行為を認めるわけにはいかない。
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