阪神タイガースがセ・リーグ優勝 両リーグ史上最速

プロ野球の阪神が7日、2023年以来となる2年ぶり7度目のセ・リーグ優勝を決めた。9月7日の決定は、1990年の巨人(9月8日)を抜いて両リーグ史上最速。優勝マジック「1」で迎えた本拠地・甲子園球場での広島戦に2-0で勝利した。藤川球児監督は就任1年目での戴冠となった。
阪神は今季、4番の佐藤輝明が本塁打と打点の2部門でトップを走るなど開幕から打線が好調。投手陣も村上頌樹と才木浩人の両エースが順調に勝ち星を重ねるなど投打がかみ合った。救援陣の充実も光り、石井大智が8月に40試合連続無失点のプロ野球新記録を樹立した。及川雅貴や岩崎優らも安定感抜群で、リリーフ防御率が6日現在で1.95と2点台を切っている。
6月上旬に開幕した交流戦では打球が頭部を直撃するアクシデントで石井が離脱した後に7連敗したものの、首位をキープ。リーグ戦再開直後の6月下旬から11連勝するなど6日現在で2位巨人に17ゲーム差をつけてリーグ首位を独走していた。

強さ象徴する盤石の救援陣リレー 危険球退場にも動じず
五回、予期せぬアクシデントが阪神を襲った。先発の才木が先頭打者に頭部死球を与えて危険球退場に。だが、ここからが盤石の救援陣の見せ場の始まりだった。
突然の出番となった湯浅が落ち着いたマウンドさばきをみせた。犠打で1死二塁となってから、中村奨を一邪飛、ファビアンを捕邪飛に打ち取った。不穏になった空気を吹き飛ばした投球は見事というほかなかった。
桐敷と及川も1回を打者3人で終え、八回には石井が登場。2安打を許したものの、要所を締めて1回を無失点で切り抜け、自身が継続中の連続無失点のプロ野球記録を48試合に伸ばした。
九回は現役時代の藤川監督の登場曲が流れる粋な演出とともに、岩崎がマウンドへ。淡々と打者3人で片付けると、守護神を中心にマウンドに歓喜の輪が広がった。
石井が救援陣を代表し、藤川監督に謝辞を述べた。「休むときは徹底的に休ませてくれたおかげでコンディションを整えやすかった」。抜群の管理能力をみせた45歳の新人監督は「選手たちが強かった」。もう優勝を「アレ」などとオブラートに包む必要などない。たくましい選手たちによる史上最速の戴冠劇だ。
(田村城)
【関連記事】

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
この投稿は現在非表示に設定されています
(更新)

プロ野球・阪神タイガースの試合結果やニュース、監督や選手の横顔といったコラムをまとめました。新戦力の補強やキャンプの様子、球団ビジネスなど幅広いテーマを集めました。
こちらもおすすめ(自動検索)












