
記者生活30年超の高原寿夫・編集委員が、今シーズンのタイガースに鋭く迫ります。
5→7→1→8→3→9→0→2…。虎党ならこの数字の羅列、何のことかすぐに分かるはず。そう、背番号だ。この日、阪神の新入団選手発表会が開催され、ここで注目のドラフト1位・立石正広が背番号9となることが決定した。
これで来季、ルーキー立石が加われば、実質“1桁”の背番号選手だけで野手のスタメンを組むことが可能になった。これも虎党の間ではすでに言われていることだが、念のため、1番から予想できる打順で記せばこういう感じである。
中堅 近本光司
二塁 中野拓夢
右翼 森下翔太
三塁 佐藤輝明
一塁 大山悠輔
左翼 立石正広
遊撃 木浪聖也
捕手 梅野隆太郎
「0」は厳密に言えばひと桁ではないらしいが、ここに背番号4の熊谷敬宥が入っても同様だ。言い方を変えれば、このオフの時点で1桁の番号は「6」を除いて、すべて埋まったということでもある。
そこで気になるのが、やはり6番の行方だろうか。言うまでもない最後に着けたのは鉄人・金本知憲だ。闘将・星野仙一が率いた阪神へFAで03年に加入すると一気にチームのムードを変え、リーグ優勝の原動力となっただけでなく現在に至る「強い球団」の基礎作りに貢献した。のちに指揮官も務めている。
プロ生活のスタートは出身地・広島の地元球団カープだったが、今に至っても虎党に愛されるレジェンドなのは間違いない。「6」が“準永久欠番”の扱いになっているのも理解できるところだ。今後はどうか。この日、そのあたりをチラリと球団社長・粟井一夫に聞いてみた。誰も6番を着けることはないのか。
「そんなことは何も決まっていないですよ。永久欠番というワケでもないですし」。そういう答えだった。目新しいものではないが、そう言いながら誰も継承していないのも事実。それだけ重いということだ。
ドラフト2位の谷端将伍が金本にあこがれ、日大では6番だったが、ある球団関係者は「いまは外野手のイメージ」。それも金本の影響だろう。そう言っても過去には藤田平、和田豊と内野の名選手はいたのだが。結果として「準永久欠番」の表現が現状、相応しい状況かもしれない。将来、それを背負うのにふさわしい選手が出てくるか。そんな想像も楽しい。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)
PR

【楽天】前田健太「88年世代」として「パ・リーグを盛り上げられるように」11年ぶりNPB復帰

【ロッテ】高野脩汰「リリーフカーで気持ち切り替えられた」タフになった3年目、年俸3倍近くに

【楽天】前田健太「難しい」けど「イーグルスの一員として勝ちます」交流戦で古巣広島との対戦に

【楽天】前田健太の目標は「日本一」「先発で2ケタ」「規定投球回数」/入団会見一問一答

【ロッテ】「何もできなかった」中村奨吾、現状維持2億円 キャリア最少20試合出場、打率.186




