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  5. 第161回労働政策審議会安全衛生分科会議事録

第161回労働政策審議会安全衛生分科会議事録

労働基準局安全衛生部計画課

日時

令和6年4月26日(金)14:00~16:00

場所

対面及びオンラインにより開催
(AP虎ノ門)
(東京都港区西新橋1-6-15 NS虎ノ門ビル11階)

出席者

会場

公益代表委員
  • 髙田礼子(分科会長)
  • 宮内博幸
労働者代表委員
  • 袈裟丸暢子
  • 佐々木弘臣
  • 中村恭士
  • 奈良統一
  • 門﨑正樹
  • 山口裕之
  • 山脇義光
使用者代表委員
  • 及川勝
  • 鈴木重也
  • 出口和則
  • 七浦広志
(五十音順、敬称略)
事務局
  • 小林洋子(安全衛生部長)
  • 松下和生(計画課長)
  • 小沼宏治(安全課長)
  • 松岡輝昌(労働衛生課長)
  • 安井省侍郎(化学物質対策課長)
  • 大村倫久(産業保健支援室長)
  • 船井雄一郎(主任中央労働衛生専門官)
  • 藤田佳代(化学物質評価室長)

オンライン

公益代表委員
  • 砂金伸治
  • 熊﨑美枝子
  • 中嶋義文
  • 原俊之
使用者代表委員
大下英和
矢内美雪
(五十音順、敬称略)

議題

  1. (1)労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案要綱等について(諮問及び報告)(電気自動車整備業務特別教育関係)
  2. (2)労働安全衛生規則第五百七十七条の二第二項の規定に基づき厚生労働大臣が定める物及び厚生労働大臣が定める濃度の基準等について(報告)(化学物質による健康障害防止のための濃度の基準関係)
  3. (3)第14次労働災害防止計画に係る効果検証について(報告)
  4. (4)今後の安全衛生分科会における検討項目・論点等について
  5. (5)個人事業者等に対する安全衛生対策について
  6. (6)その他

議事

議事内容
○髙田分科会長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから「第161回労働政策審議会安全衛生分科会」を開催いたします。本日は、公益代表委員の新屋敷委員、使用者代表委員の小澤委員が欠席しております。本日は、対面及びオンラインの併用により開催することとしていますので、御承知おきください。また、今回の参考資料1に委員名簿を付けておりますが、使用者代表委員として新たに就任いただいた委員の方を御紹介いたします。3月31日付けで増田委員が、4月16日付けで天沼委員が退任され、新たにトヨタ自動車株式会社の七浦広志委員、JFEスチール株式会社の小澤達也委員が就任されました。それでは七浦委員、一言お願いいたします。
○七浦委員 皆さん、初めまして。トヨタ自動車の七浦でございます。これから、いろいろなことを考えながら1つずつ前に進んでいきたいと思っております。是非、よろしくお願いいたします。お世話になります。
○髙田分科会長 ありがとうございました。なお、小澤委員は本日欠席のため、次回以降御挨拶いただきます。カメラ撮影等については、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。まず、事務局からオンラインによるZoomの操作方法等について説明をお願いいたします。
○計画課長 事務局です。Zoomの操作方法について御説明をさせていただきます。本日は、ハウリング防止のため、御発言されないときにはマイクをオフに設定をお願いします。また、オンライン参加の委員の先生方については、御発言される場合には、発言がある旨をチャットに書き込んでいただき、分科会長から指名がありましたら、マイクをオンにしていただいた上、氏名をおっしゃってから、御発言をよろしくお願いいたします。このほか、進行中、通信トラブルなど不具合がありましたら、チャットに書き込みなどをしていただき、事務局に御連絡をお願いいたします。以上です。
○髙田分科会長 それでは議事に入ります。議題(1)「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案要綱等について(諮問及び報告)」について、事務局から説明をお願いいたします。
○安全課長 安全課です。議題(1)について説明をさせていただきます。今回の改正ですが、労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案を諮問させていただく。それから、もう1件は安全衛生特別教育規程、こちらを改正する件で告示の改正がありますので、改正案を報告させていただくことが2つになります。具体的には電気自動車等の整備業務に係る特別教育関係の改正になります。専門家による検討を経た結果を改正案としてお示ししているところです。資料は1-1の省令案要綱、1-2の概要をお配りしております。資料1-2により、説明をさせていただきます。
 資料1-2の2ページを御覧ください。改正の趣旨の1つ目の○の所ですが、労働安全衛生法では危険又は有害な業務のうち、厚生労働省令で定めるものに労働者を就かせるときは、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行わなければならない、このようになっております。
 2つ目の○にありますとおり、特別教育の必要な業務の中の1つとして、厚生労働省令で「対地電圧が50ボルトを超える低圧の蓄電池を内蔵する自動車の整備の業務」というものが規定されております。ここでは、低圧のという部分に下線が引いてありますけれども、低圧というのは、直流電流の場合ですと750ボルト以下のことを指します。したがって、該当する自動車ですが、電気自動車やハイブリッド車のうち、タイヤをモーターで駆動して走行させるために電圧が50ボルトより高い蓄電池を搭載したものになります。一般的なエンジンだけで走行する自動車は含まれないということです。御参考までに申しますと、現在市販されている電気自動車等は、駆動用に200から400ボルト程度のバッテリーを積んでいるとのことです。
 3つ目の○ですが、現行の規定が制定された令和元年当時、この当時は電気自動車などであっても、低圧の範囲を超える、電圧が750ボルトを超える蓄電池を搭載したものがなかったこともありまして、低圧に限定した規定としております。今後は、低圧の範囲を超える、すなわち、より高圧の蓄電池を内蔵する自動車が登場することが見込まれることもありまして、今回の改正になっているところです。以上を踏まえて、4つ目の○にありますとおり、低圧だけではなく高圧の蓄電池を内蔵する自動車の整備の業務についても、特別教育の対象とできるように、今回の改正を行うことにしているということです。御参考になりますけれども、現行の電気自動車等整備業務の特別教育は、令和元年に義務化されておりますけれども、それ以降これまでの間に電気自動車整備における感電の労働災害の報告はないということです。
 続いて3ページを御覧ください。具体的な省令と告示の改正案になります。2.の改正の概要(1)の部分ですが、労働安全衛生規則の改正点を記載しております。点線で囲まれた改正案と現行の部分、こちらを見比べていただくと分かりますとおり、改正案では赤字になっている「低圧の」という部分を削除することにしています。その下の(2)は、労働安全衛生規則の改正に合わせて、告示である安全衛生特別教育規程の改正点を記載しているものです。そこにある表のように、特別教育の科目、範囲、時間を定めておりますけれども、まずは高圧の蓄電池を内蔵した自動車への対応としまして、現行の表の科目欄や範囲欄にある赤字になっておりますけれども、「低圧の」や「低圧用の」という電圧を限定している部分を削除するということです。これにより、例えば一番上の欄の電気に関する基礎知識の科目の範囲には、高圧の電気の危険性というものが、当然追加されてくるということになります。高圧の電気の場合は、低圧と違いまして、人が通電している電動に直接触れなくても感電することがありますので、このような点を追加で教育をしていくことになります。
 このため、逆に教育に要する時間の延長が必要かということも検討しておりますけれども、この部分はテキストにいたしますと大体1ページ程度ということでして、1時間の教育時間を延長する必要はないだろうという御判断を検討会で頂いているところです。併せて、特別教育を実施している機関や業界団体にもヒアリングをさせていただいておりますが、1時間以内で十分に教育できると伺っておりますので、今回は時間の延長は行わないということです。
 その他の改正については、高圧とは関係ないのですが、現在の電気自動車などの整備業務の実態に合わせて所要の改正を行うことにしています。改正案の表の上から3段目の範囲欄の所にある絶縁用防具ですが、作業に当たりまして作業者が身に着ける手袋などの絶縁用保護具だけでなく、通電部分にかぶせるなどして用いる絶縁用のシートというものですが、このような物が使われていることも踏まえて明示的に追加したというものです。
 同様に、その下の段については、電気自動車等の整備作業に入るに当たり、電気回路を完全に遮断する、停電させる方法として従来からあるサービスプラグの操作以外の方法も最近は用いられるようになっているとのことですので、どのような方法であっても停電させるということをはっきりさせる意味で、サービスプラグを停電という文言に読み替えることで改正をすることにしているところです。一番下ですが、3.の公布日等です。改正省令、告示の公布は5月の下旬。それから、施行は10月1日を予定しております。
 最後の4ページは、検討会の構成員や検討結果になります。要点は、ただいま説明したとおりですので、説明は割愛させていただきます。説明は以上になります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○髙田分科会長 ありがとうございました。本件について質問、意見等のある方は、会場の委員については挙手を、オンライン参加の委員については御発言がある旨、チャットに書き込みをお願いいたします。まずは、会場の委員で御質問、御意見のある方はいらっしゃいますでしょうか。そうしましたら、七浦委員、お願いいたします。
○七浦委員 七浦です。まずもって、この改正について御礼を申し上げたいと思います。この件に関して、やはり自動車の整備や製造関連、あるいはそれに関する労働者にとって、やはり正しい知識、安全な知識が教育できるというところは、これからの自動車業界にとっても本当にものすごい前進だろうと思いますので、この法令を遵守しながらしっかりと教育をする。そして、ユーザーの方に安全に乗っていただくことに対して、非常に進歩したと思います。ありがとうございます。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。ほかは御発言はありませんか。袈裟丸委員、お願いいたします。
○袈裟丸委員 御説明ありがとうございました。諮問内容については、特段異論はありません。改めて申し上げるまでもなく、高圧の蓄電池を取り扱うということは、万が一、感電事故が起こった場合のリスクは、これまで以上に高まることになります。先ほど使用者側からも発言がありましたが、感電事故が起きることのないよう、事業者と連携し、労働者保護の観点から適切に特別教育を実施いただきたいと考えます。また、一定期間経過したのちに検証を行い、必要に応じて見直しを行っていただくことも併せてお願いしたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。ほかは、会場で御発言はありますでしょうか。よろしいでしょうか。オンラインは特に書き込みはないということで、事務局はよろしいでしょうか。ありがとうございます。そうしましたら、七浦委員と袈裟丸委員からの御発言について、事務局から御回答をお願いいたします。
〇安全課長 七浦委員からありましたとおり、技術がどんどん変わってまいりますが、それに合わせて私どもも制度を見直していくことが必要だと思っておりますので、今後とも業界からもいろいろとお知恵を頂きながらやっていきたいと思っております。袈裟丸委員から全くおっしゃるとおりですので、電圧が当然上がっていきますと、感電したときの負傷というか状況も悪くなりますので、こういった特別教育がきちんと現場で行われるようにという指導を、私どもとしてもやっていきたいと思っております。
 それから、特別教育の実施をしっかりやりながら、その結果、災害がもし不幸にして起きれば、そういった状況を見ながら、技術的にもさらに電圧が上がってくるといろんなことがあるようであれば、当然こういったものを見直していきたいと思っておりますので、こちらも是非とも御協力をいただければと思っております。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。ただいまの回答について、七浦委員と袈裟丸委員から何かありますでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。ほかに御発言はありますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは議題(1)「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案要綱等について(諮問及び報告)」について、妥当と認めることとしてよろしいでしょうか。
(異議なし)
○髙田分科会長 ありがとうございます。それでは、事務局で答申の手続をお願いいたします。
〇髙田分科会長 次に議題(2)「労働安全衛生規則第577条の2第2項の規定に基づき厚生労働大臣が定める物及び厚生労働大臣が定める濃度の基準等について(報告)」に関して、事務局から説明をお願いいたします。
○化学物質評価室長 それでは、議題(2)につきまして、化学物質評価室長藤田より御説明いたします。資料2を御覧ください。表紙の括弧書きにありますように、化学物質による健康障害防止のための濃度の基準関係の御報告です。
 めくっていただき、1ページです。表題に、新たな化学物質規制における濃度の基準に関する規定とあります。新たな化学物質規定と申しますのは、国によるGHS分類の結果、危険性又は有害性のある全ての物質をラベルやSGS、つまり安全データシートの交付の対象とした上で、事業者にリスクアセスメント及びそれに基づく措置を自立的に行っていただくといったものとなっております。◆の1つ目を御覧ください。この制度では、事業者はリスクアセスメント対象物のうち、厚生労働大臣が定めるものを製造し、又は取り扱う業務を行う屋内作業においては、当該業務に従事する労働者が、これらの物にばく露される程度を厚生労働大臣が定める濃度の基準(以下濃度基準値)以下としなければならないとされております。今回の御報告は、これを定めるものとなっております。
 ※の2つ目を御覧ください。国により、危険、有害性があるとした物質は、現在およそ2,900物質ありますが、濃度基準値の設定対象物質は800物質程度が見込まれております。この800物質程度は、欧米の基準値策定機関で基準値が定められたものを選定しております。これは、欧米で基準値が策定されているということは、そのための文献等がしっかりしているであろうという考え方に基づいて定めております。本件につきましては、既に昨年度67物質が定められており、今回はこれに追加するものとなっております。
 次のページを御覧ください。基準値は、化学物質管理に係る専門家検討会で検討されております。こちらの検討会の参集者は、4の表を御覧ください。このような先生方にお集まりいただき、検討をいただいております。この報告書の中身ですが、3.報告書の1つ目のポツを御覧ください。こちらで対象物質ごとの濃度基準値に加え測定方法についても、御検討いただいているところです。昨年度は、濃度基準値・測定方法について、計7回の審議をしていただきました。
 次のページを御覧ください。具体的な改正の内容です。改正の趣旨の下から3行目を御覧ください。先ほどの「令和5年度化学物質管理に係る専門家検討会報告書」を踏まえ、今回は新たに112物質について濃度基準値を定めるところといたします。この濃度基準値は、表題にありますように告示事項となっておりますので、この告示を改正するといった運びとなります。
 3.の告示日等を御覧ください。告示日は、令和6年5月上旬を予定しております。また、適用期日は、令和7年10月1日を予定しております。昨年度は、67物質を定めたと申し上げましたが、この67物質につきましては、この4月1日からが適用日となっております。一方、今回は、112物質と物質数が多くなっていることから、適用日までに1年半の期日を設けて、周知に努めてまいりたいと考えております。
 次のページを御覧ください。具体的な告示の内容ですが、表形式で定めることとしております。物の種類の所にありますように、アクリル酸から始まり、あいうえお順に化学物質それぞれごとの八時間濃度基準と短時間濃度基準を定めます。八時間濃度基準は、長期的に物を取り扱ってばく露したことにより生じる危害を防止するための基準です。これは、1日のうちの8時間の平均値です。この八時間濃度基準を超えてはいけないということではなく、8時間の平均がこれ以下であればよいという意味となっております。また、短時間濃度基準値ですが、こちらは短時間で有害性が見られる場合に設定されます。1日のうちに、濃度が最も高くなると思われる15分の平均値です。こちらも、これを超える瞬間があってはいけないという意味ではなく、1日のうちで最も濃度が高いと思われる15分の平均値がこの基準値以下であればよいといった意味となります。また、各覧にバーが見えますが、これは検出されてはいけないという意味ではなく、設定しないといった意味になります。このように、アクリル酸から始まり、5ページから10ページまで飛んでいただき、六塩化ブタジエンまで、計112個の物質について八時間濃度基準と短時間濃度基準値の、片方しかないものも、両方あるものもありますが、そのような基準値を定めたいと考えております。ここまでが、告示の内容です。
 次のページを御覧ください。表題にありますが、技術上の指針の一部改正とあります。こちらは、濃度基準を定めるだけではなく、改正の趣旨の○の一番下の行ですが、当該濃度基準値の適用等に関する技術上の指針を定めることとしております。今般、新たに濃度基準値が設定されましたので、これについて測定方法を追加いたします。新たに濃度基準値が策定された物質は112物質でしたが、測定方法としては116物質となります。これは、下の※を御覧ください。「すず及びその化合物」については、有害性の違いに応じ、すず化合物を5種類に分類してとあります。
 資料7ページまで少しお戻りください。右側の2行目からすず及びその化合物というのが縦に5つ並んでおります。すずとして、0.1mg/m3、0.2、0.003、0.05、0.02とあります。これは、毒性に応じてそれぞれ異なった基準値を設定しているということです。5つあります。
 11ページにお戻りください。先ほどの改正の趣旨の箱の一番下の※の所を御覧ください。次の所に測定方法の違いに応じと書いてありますが、これは測定方法は液クロやガスクロといった、それぞれの物質に適したな測定方法がありますので、この違いに応じて、すず化合物を9つに分類しました。ということで、少し測定方法が増えて116物質の測定方法を決めております。また、今の1番の2つ目の○の2行目を御覧ください。発がん性が明確であるため、濃度基準値が設定できないとされた3物質について測定方法を追加するとあります。発がん性が明確であるため濃度基準値が設定できないというのは、遺伝子に傷を付けてがんを発生させる発がん物質は、これ以下なら安全だという値を設定できないとされております。このことから、基準値を設定しておりません。しかし、基準値がないからといって安全であるかのような誤解が生じないように、技術上の指針で物質を明記して、測定方法も示して、これらの物質のばく露を最小限にしていただくこととしております。
 また、先ほどの3行目を御覧ください。リスクの見積りの評価をより明確にする等の所要の改正を行うとあります。リスクの見積りの評価の方法をより明確にするというのは、改正の概要の(2)を御覧ください。リスクの見積りの一環として、労働者が物質にばく露される程度が、濃度基準値を超えるおそれの有無を判断するためには、労働者の呼吸域(呼吸用保護具の外側の空気)、つまり、マスクの内側ではなく外側の空気における濃度を用いる必要があるということを明確にするための改正を行いました。
 こちらの公示日等ですが、公示日は基準値と同じく5月上旬となっております。適用期日は、マスクの外側を測るといった内容につきましては公示日に、測定方法は濃度基準値が適用となる来年10月1日からの適用といたします。以上が、今回の御報告の内容です。
○髙田分科会長 御説明ありがとうございました。本件につきまして、質問、意見等のある方は、会場の委員につきましては挙手を、オンライン参加の委員につきましては御発言がある旨、チャットに書き込みをお願いいたします。まずは、会場の委員で御発言がある方は挙手をお願いいたします。佐々木委員、お願いいたします。
○佐々木委員 労働側の佐々木です。私からは、1点要望になると思いますが、発言させていただきます。今回新たに112物質について濃度基準値が設定され、基準値が設定できない物質については測定方法を定めるなどの見直しを行うという報告を頂きました。適切なばく露措置を講じ、労働者の健康障害を未然に防止する観点から、対象物質を取り扱う事業者と連携し、当該事業場で働く者に対する十分な周知を改めてお願いしたいと思います。
 また、とりわけ発がん性が明確である物質については、基準値を設定しないということで、安全な物質であるという誤った認識をされることがないよう、特に丁寧に周知していただければと思います。
 最後に、次年度以降についても最新の知見等を反映していただき、可能な限り多くの物質の濃度基準値を設定いただくよう、引き続き対応をお願いしたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。ほかに、ありますか。そうしましたら、鈴木委員が先に手が挙がりましたので、鈴木委員からお願いいたします。
○鈴木委員 鈴木です。御指名ありがとうございます。この度の濃度基準値設定物質の追加と、それに伴う技術上の指針の改正については、労働者の健康障害を防止する観点から大変重要な内容を含むものです。化学物質を取り扱う事業者においては、この内容に基づきしっかりと管理していかなければならないと思っております。
厚生労働省におかれましては、現場への前広な周知・広報に加えて、施行日以降に交付されるSDSにおいて、濃度基準値設定物質への該当性と具体的な基準値が明記されるよう、譲渡提供元となる事業者への働き掛けを丁寧に行っていただきますよう、お願いしたいと思います。私からは以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。続きまして、出口委員、お願いいたします。
○出口委員 出口です。御説明ありがとうございます。67物質に加え、新たに112物質についての濃度基準値を定めることに異論はありません。ただし、他の委員からも発言がありましたように、健康に関して重大な事項です。今後、徐々にこれらの物質は増加していくと思われます。周知もそうですが、実際にそれを実施する事業者側、労働者側にも負担が掛からないように、電子データ化をお願いしたいところです。
 是非、厚労省のホームページに濃度基準値が設定された全ての物質が、検索で迅速に確認できるようにしていただけないでしょうか。それが難しいのであれば、まずエクセル版で一覧表の掲示をお願いいたします。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。ただいまの佐々木委員、鈴木委員、出口委員からの御発言につきまして、事務局からお願いいたします。
○化学物質評価室長 はい。周知をしてほしいといった御意見等、たくさん賜りありがとうございます。本件、当方といたしましても、しっかり周知期間を設けておりますので、周知に努めてまいりたいと思います。特に発がん性物質などは、毎回御指摘を頂いておりますので、丁寧に周知に努めてまいりたいと思います。
 また、一覧で出してほしい、データ化してほしいということですが、厚生労働省の職場の安全サイトなどで検索をしていただきますと必要な情報が出てまいります。そちらに迅速に反映できるようにしてまいりたいと思います。
 それから、SDSのにもしっかり記載されるようにしていただきたいという御要望がありました。こちらにつきましても、丁寧に指導してまいりたいと思っております。以上でございます。
○髙田分科会長 ありがとうございます。ただいまの御回答につきまして、佐々木委員、鈴木委員、出口委員から何か追加で御発言はございますでしょうか。よろしいでしょうか。オンライン参加の委員につきましては、特にチャットの書き込みはないということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。七浦委員から御発言があるということなので、お願いいたします。
○七浦委員 御説明ありがとうございます。実際に、運用までの間に1年半という形になりますので、これに関しては労働者の安全という観点から、やはり保護具等もしっかりと考えていかないといけないなと思っておりますので、使用者側としてもしっかりと、この辺りが明確になってくると保護具の適切な物の選定もやりやすくなりますので、是非分かりやすくしていただくことで、労働者の安全を確保できるのではないかなと思います。我々も、しっかりとその辺りも含めて考えていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
○髙田分科会長 ありがとうございます。ほか、会場から御発言はございますでしょうか。ただいまの七浦委員の御発言について、何かコメントはございますか。
○化学物質評価室長 ありがとうございます。御意見として承り、これからも周知に努めてまいりたいと思います。
○髙田分科会長 ありがとうございます。それでは、議題(2)につきましては、事務局から御説明いただいた方針で進めていただくこととしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
〇髙田分科会長 次に、議題(3)「第14次労働災害防止計画に係る効果検証について(報告)」に関しまして、事務局から説明をお願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 よろしくお願いします。主任中央労働衛生専門官の船井から御説明します。議題(3)「第14次労働災害防止計画に係る効果検証について」ということで、資料3を御覧ください。1枚めくっていただきますと、表が2ページにわたって書いてあります。こちらは既に14次防の中で示しています、アウトプット指標、アウトカム指標になっています。それぞれの指標について、アウトプット指標を労働者の協力の下、事業者の皆様が取り組んでいただいた結果、アウトカム指標に掲げられている効果が得られます。これが積み重なっていくと、災害減少ということになる、そういう作りになっています。
 このアウトプット指標、アウトカム指標は、右側の把握方法の欄にあるように、OPがアウトプット、OCがアウトカムですけれども、それぞれ安全衛生調査や労働者死傷病報告で把握するということになっています。
 もう1枚めくっていただきますと、こういった形で第14次防分科会で御議論いただいて取りまとめたわけですが、その際に国が実施したこういった施策について、アウトプット指標とアウトカム指標の関係性、ちゃんとアウトプット指標の取組が、災害減少などのアウトカム指標に結びついているのか、これをしっかり検証すべきであるという御指摘がありました。
 これを踏まえて、「災害防止計画評価委員会」を、これは委託事業になりますけれども、昨年度実施をし、その評価検証の方法について御議論いただきました。今回はその議論の経過と、今後の進め方について御報告するという位置付けです。
 なお、この委員会ですけれども、このページに構成委員の名簿を付けていますが、前の分科会長の城内先生や熊﨑委員にも御参画いただき、14次防の策定のときの経緯や考え方を、十分分かっていただいた委員にも入っていただいて、御議論いただいたものです。
 次の4枚目のスライドですけれども、この委員会において、いろいろ議論を行いましたけれども、主な指摘として4点、こちらに掲げてあるものを頂いています。1つ目はアウトプット指標、アウトカム指標、それぞれ把握するために必要な項目、これは先ほど申し上げた安全衛生調査や労働者死傷病報告で把握することにしていますけれども、これを比較するということだけではなくて、更に両指標の関係性を明確にするためには、どういう方法が必要なのかという御指摘です。
 あとは、アウトカム指標というのは、災害発生状況を基に把握するわけですけれども、この両指標がどういう関係なのかを検証する上で、要は事業場全体について把握するための安全衛生調査、そういったものによって把握するアウトプット指標というだけではなくて、災害を起こした所についても同じようなことを確認することによって、検証の精度というのが高まるのではないかという御指摘です。
 また、「アウトプット指標を把握するための調査項目」について、安全性調査などに盛り込んでいますけれども、それだけではなくて、関連しそうな項目を追加で把握することによって、より検証精度を高められないかという御指摘がありました。
 14次防で先ほども申し上げましたけれども、このアウトプット指標は労働者の協力の下、事業者の皆さんに取り組んでいただくということになっていますので、この「労働者の協力の下」という部分についても、何か把握できることがないのか、という御指摘がありました。
 例えば1つ、「機械によるはさまれ・巻きこまれ」防止の関係の指標をピックアップしています。この「はさまれ・巻きこまれ」災害防止に取り組む事業場を6割以上とするという部分について、これは安全衛生調査では機械のリスクアセスメントの実施状況などを事業者にお伺いしているわけですが、機械のリスクアセスメントと一口に言っても、機械はメーカーが作ってユーザーが使うというものですので、メーカー、ユーザー双方においてリスクアセスメントを実施していただく。
 メーカーがやった残留リスクなどをユーザーに提供していただいて、またユーザーはメーカーが作った機械を生産ラインなどに組み込むことによって、設計製造段階では想定しなかったリスクなども把握する立場にありますので、そういった災害やヒヤリハットも含めて、リスクをお互い共有するリスクコミュニケーションを図るということも、「はさまれ・巻きこまれ」災害をなくすために重要ではないかという観点です。
 そういった意味で、今申し上げたような指摘も踏まえ、次のページにありますように、対応策として3つ挙げています。1つは、アウトカム指標は労働災害の発生状況などを基に把握しますので、災害発生事業場においても対応策2のところにあります、アウトプット指標を把握するための項目や、それを深掘りするための追加項目、こういったものも把握してはどうか、災害を起こした所における取組状況も把握してはどうかということです。
 対応策2については、アウトプット指標で安全衛生調査等で聞こうとしている項目に加えて、それに関係するような項目を深掘りで確認してはどうか。それによって両指標の関係性の精度を高めるということです。
 対応策の3番目としては、災害発生事業場において、災害発生事業場が取り組んだ状況を把握するのはもちろん重要なのですけれども、「労働者の協力の下」という部分に関連して、労働者に対してその事業場の取組をどう教育していたのか、もしくは周知していたのか。その結果を踏まえ、労働者がどういうふうに理解して実践していたのか。そういったことも把握してはどうかということで、考えています。
 下に簡単にまとめたものですけれども、対応策の1、災害発生事業場における取組状況については、労働者死傷病報告を出していただいた事業場に対して、再発防止指導の一環として把握した情報を検証に活用していくとか、深掘り項目については、関係団体の皆さんの協力も得ながら、実態把握をしていく。3番目については、労働者、とりわけ被災された労働者の協力を得まして、Webアンケートなどを通じて取組状況を確認していこうと考えています。
 最後のページですが、今、御説明したものを簡単にイメージ図にしますと、2つの指標があり、その関係性を検証していくことに関連して、上の吹き出しに対応策1として、災害発生事業場における状況を把握する。それによって事業場全体の状況と、災害発生事業場における取組状況の比較が可能になるので、検証がしっかりできるということです。
 左下の吹き出しにある対応策2については、安全衛生調査などで聞こうとしている項目に関連する項目を追加して、深掘りで状況を把握しようというものです。
 この両指標の関係性のところから出ている右下の吹き出しについては、「労働者の協力の下」という部分について、災害発生事業場を通じて被災された労働者の協力の状況、認識の状況、そういった部分をアンケートなどで把握する。それによって効果検証の精度を高めていこうということです。
 下にスケジュールを書いていますけれども、昨年度は委託事業で、今申し上げました方針や調査項目の案を取りまとめまで行いました。今年度も委託事業を続けてやりますので、先ほども名簿に委員として挙げられていたメンバーの皆さんに、引き続き御議論いただく形で、項目をブラッシュアップし、右側に書いてありますように、労働者死傷病報告を提出した事業場に対する再発防止の際に、把握した情報を集約したり、関係業界団体を通じて実態把握をしたり、あとはWebアンケートの仕組みを作って、被災者の方に入力していただくということを、順次行いたいと考えています。説明は以上です。
○髙田分科会長 御説明ありがとうございました。本件について質問、意見等のある方は、会場の委員ついては挙手を、オンライン参加の委員については御発言のある旨、チャットに書き込みをお願いします。まずは会場の委員で宮内委員お願いします。
○宮内委員 丁寧な説明ありがとうございました。重要事項をこのようにアウトプット指標、またアウトカム指標と明確に取り組まれていることは、非常にすばらしいことだと私も思っております。また、これの結果をしっかり出して、次のPDCAにつながるということを期待しています。
 その中で1点だけ確認なのですけれども、2ページですか、⑤に労働者の健康確保対策の推進で、最後の所に各事業場における必要な産業保健サービスを提供している事業場の割合を、2027年までに80%以上とする所です。
 実はこれは非常に産業保健サービスの幅が広いので、明確なアウトカム指標がなかなか設定しづらいと、私は思っているのです。せっかくですので、何か具体的なアウトカム指標ができたらいいと思いました。
 例えば、治療と仕事の両立支援の実施率とか、そういうことでもよろしいと思いますし、また把握の方法としますと、産業保健サービスが非常に活発であって、これが効率よく行われているということであれば、恐らく人材の定着率が上がるとか、生産性が高まるとか、そういう面で労働力調査などである程度指標が把握できるのではないかと思いましたので、是非ここのところも少し入れていただけると、今後明確になって更に進むのではないかと思いました。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。ほかに会場から中村委員お願いします。
○中村委員 労働側委員の中村です。御説明ありがとうございました。この災害防止計画評価委員会が設置されるとともに、評価委員会の指摘を踏まえて具体的対応方針が示されたことは、今後の指標設定の精度向上、更には労災の未然防止につながり得る取組であると受け止めたいと思います。
 その上で、対応策3の調査方法について、若干懸念している点を発言したいと思います。
 この調査で、被災労働者のプライバシーが守られることはもとより、労働者が調査に回答したことをもって、あるいは回答内容が事業者にフィードバックされることなどによって、不利益を被ることがあってはならないと考えます。
 また、被災労働者が回答するに当たって、事業者から明示、黙示を問わず圧力が掛かるようなことがあってはならず、被災労働者が真に自由意志に基づいた回答ができるよう担保することが重要だと思っています。
 今回は事業者経由で労働者に調査依頼を行うということですが、プライバシーの確保とともに、その労働者の自由意志による回答を確保するため、どのような工夫を行うのか伺いたいと思います。
 併せて、複数の労災が発生している事業場において、被災労働者から一切調査回答がないような場合には、当該事業者に対して指導等を行うのかという点も、お伺いしたいと思います。
 いずれにしても、対応策3のアンケート結果を含めて、初年度の実施結果については本分科会に御報告いただくとともに、適宜適切な見直しもお願いしたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。ほか会場からは御発言ありますでしょうか。よろしいでしょうか。オンライン参加の委員でチャットの書き込は特にないということでよろしいでしょうか。そうしましたら出口委員、御発言をお願いします。
○出口委員 すみません、一点要望なのですが、建設業における化学物質の災害データを、業界団体にて分析、対策を講じることを目的として、災害データを公開又は頂きたいのですが、可能でしょうか。
○髙田分科会長 ありがとうございます。そうしましたら、宮内委員と中村委員と出口委員からの御発言について、それぞれ御回答をお願いできますか。
○主任中央労働衛生専門官 御質問、御指摘ありがとうございました。まず1点目ですが、宮内委員からの御指摘です。現状御指摘のとおりの状況で、アウトカム指標としては設定していないわけですけれども、産業保健サービスを提供している事業場の状況は、これといった把握の仕方とか、何をというのが、今時点ではっきりしているわけではないのですが、状況把握には引き続き努めていくつもりでして、今後この評価検証も踏まえて、指標の見直しなのか、もしくは指標を補足する観点でこういうことも引き続き見ていこうということになるのか、そういったところも含めて検討していこうと思いますので、そういった中で御指摘も踏まえた対応をしたいと思います。
 2点目ですが、中村委員からの御指摘です。対応策3にお示しした、被災労働者に対するWebアンケートの部分ですけれども、これは正しく御指摘いただいた点については、我々も懸念というか問題意識は持っています。
 そのためにまず重要なのが、この被災者の方にWebを通じて回答してもらった内容をベースにして、事業場に対して責任を問うとか、もしくは被災者の方に責任追及するとか、そういうことがある、もしくはあり得るということになると、御懸念のような点につながると思っています。そういう趣旨ではないということを明確にして、これを行うということが、まず1つ重要ではないかと思っています。
 あと、被災労働者の方にお願いしますと言っていただくのは、事業場を通じてやるわけですけれども、回答自体はWebに本人がアクセスして自分で入力できるような形にしたいと思っていますので、そういったプライバシーとか圧力の部分は、今冒頭申し上げました前提条件とセットで、ある程度は解消できると思います。
 これは何分協力ベースでお願いしていますので、回答がない所について、事業場に指導するのかという御指摘ですけれども、指導という言い方が適切なのか分からないですけれども、いずれにしろ事業場に対してアプローチするのは、死傷病報告を提出いただいて、再発防止指導をやっている中で、こういうお願いをすることになりますので、言い方としては粘り強くお願いしていくという形になろうかと思います。
 また、今回委員会の指摘を踏まえて検証する、その結果も含めてどのタイミングになるかは別にして、分科会にも御報告することを考えています。
 3点目の出口委員からの御指摘の、災害データの共有というのは、どういうデータのことでしょうか。
○出口委員 実際に建設業で発生している化学物質の労働災害のデータは頂けるでしょうか。
○化学物質対策課長 化学物質対策課長です。化学物質関係の災害については、従来物質別で、例えば特化物はこうだとか、そういった分析はたくさんしていたのですけれども、業種別の分析は余りいままでやったことがないという実態があります。
 今後は、そういった業種別対策が重要になるということで、あるいは製品との関連性も重要ということで、労働安全衛生研究所と共同で現在分析整理をしているところです。そちらの分析整理が一定整った段階で、時期を見てその分析結果は公表することを予定しています。
○出口委員 少し具体的にお話ししますと、令和5年12月22日の、労働条件分科会労災保険部会等にて、建設業代表で出席している方が化学物質関連の災害のデータを頂きたいということで要望され、その後データをいただけていないので再度要望してくださいという依頼がありました。
○髙田分科会長 事務局のほうはよろしいでしょうか。
○化学物質対策課長 先ほど申し上げましたとおり、業種別分析整理を今行っているところですので、建設業に限らず分析の結果が整った段階で公表したいと考えています。
○出口委員 それは建設業で分類できるようなデータでしょうか。
○化学物質対策課長 建設業だけではないのですけれども、業種別の分析をお示しする予定です。
○出口委員 すみません、それはいつ頃の予定でしょうか。
○化学物質対策課長 いつというのは、今明示的に申し上げられないのですけれども、昨年度末からずっといろいろ分析しているのですけれども、かつてやったことのない分析ということもありまして、それなりにお時間は掛かっています。いつというのは申し上げられませんが、時期を見て公開したいと考えています。
○髙田分科会長 ありがとうございます。時間が掛かるという話ですけれども、また何かありましたら、事務局と直接、お話、調整いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 そのほか、宮内委員と中村委員について、事務局からの回答について補足で御発言はありますでしょうか。よろしいでしょうか。オンラインのほうは書き込みがないということでよろしいですね。
 ありがとうございます。それでは議題(3)については、委員からの御指摘がありましたけれども、そういったことも含めて事務局から御説明いただいた方針で進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
〇髙田分科会長 続いて、議題(4)「今後の安全衛生分科会における検討項目・論点等について」に関して、事務局から説明をお願いします。
○計画課長 安全衛生部計画課でございます。資料4につきまして私のほうから御説明をさせていただきます。資料4ですけれども、今後の安全衛生分科会における主な検討項目・論点等についてということでございます。
 1ページめくっていただきまして、2ページ目の所から説明させていただきます。まずこの資料の位置付けですが、今、厚生労働省が主催して安全衛生に関わる各種検討会を開催しています。こうした中で、検討会におきましては既に議論がされて取りまとめがされているものもございます。また、一方で、現在、検討会の議論が行われている真っ最中の検討会もございます。既に終わったもの、まだ動いているもの、そうした検討会の状況等を踏まえて、今後、本分科会におきまして御議論いただく可能性が高いもの、また大きな制度改正につながりそうなものを事務局のほうで少し整理をさせていただいて、今回、資料として報告をさせていただく位置付けのものとして御覧いただければと思います。
 1つ目ですが、個人事業者等に対する安全衛生対策の推進についてです。これは既に本分科会におきましても御議論、御審議等いただいていますけれども、昨年10月に検討会の報告書が取りまとめられています。それを踏まえて、その報告書の中身に沿った形で、この分科会におきましても省令改正、また健康管理ガイドラインの御議論もいただいてきているところです。加えまして、今後の動きですが、この報告書に書かれてあるもので、まだ本分科会で御議論いただいていない制度面に関わるものにつきまして、今後、御議論していってはどうかということで整理しているのが1つ目です。
 2つ目ですが、2.近年の災害状況を踏まえた労働災害防止対策と健康管理対策の推進についてです。1つ目のポツですが、高年齢労働者の労働災害は御承知のとおり増加傾向にある状況がございます。こうした状況を捉えて、更なる取組を進めるための環境整備について、どう考えていったらいいかということで提案しているものです。「また」の所ですが、高齢化等により疾病を抱えて働いている労働者の方が増えていますので、こうした方々の治療と仕事の両立に当たっての環境整備について、どのように取り組んでいったらいいか御議論いただければということで書いています。
 2つ目のポツの「併せて」の所ですが、これも災害が増えている現場と言いますか、介護施設であったり小売業等が増えています。こうした安全衛生体制、安全衛生委員会等々の設置義務がない事業所における安全衛生管理の在り方についても、どう考えていくのか。これは、令和4年9月に転倒防止・腰痛予防対策の在り方に関する検討会を開催し、中間整理の中でこうした点について取り上げられている点を記載しています。
 続きまして、3.労働者の健康確保対策の推進についてです。これはメンタルヘルス対策の推進ということで、検討会を今年の3月から開催しています。特にストレスチェック制度を中心とした御議論ということで議論を始めているところです。その他、産業保健に係る支援拡充についても御議論していってはどうかということで書いています。
 2つ目のポツですが、これは昨年の12月から検討会で御議論して、今、続いているものですけれども、「労働安全衛生法に基づく一般健康診断の検査項目等に関する検討会」ということで、労働安全衛生法に基づく検査項目についての検討を深めています。この検討会の報告を踏まえて、また分科会でも御議論していただければと思っているものです。
 次のページ、4.特定機械等の製造許可及び製造時等検査に係る民間活力の活用の促進について、これは検討会で検討されて、今年の3月末に報告書も取りまとめられたものです。特定機械というのはボイラー、第一種圧力容器クレーン、ゴンドラなど、そうした特定機械の製造許可及び製造時等検査制度の在り方について御議論いただいたものです。中身としては特定機械等の製造許可の部分、また製造時検査に係る部分で、民間活力の活用の促進について検討会報告書が出されています。そうした検討会の報告書を踏まえて、具体的には製造許可の事前審査について民間で実施できるように見直しを図っていく。また、製造時検査につきましては、既に民間の登録検査機関で実施されているものがございますが、そうしたものを今後、広げていくといったことが報告書の中に書かれていますので、本分科会でもそうした点について御議論いただくということで書いています。
 5.化学物質による健康障害の防止について、化学物質による健康障害防止対策の観点で2つ掲げています。1つ目が、化学物質の関係で個人ばく露測定の関係です。これは測定器を体に装着して測定する方法で、この個人ばく露測定の測定実施者の関係につきまして、法律上、明確な規定がないこと。あと、測定実施者の要件等について定めがないことについて検討が必要ではないかといったところで、報告書の取りまとめを踏まえ、分科会でも御議論いただければということです。
 2つ目のポツですが、化学物質の危険性、有害性の情報につきましては、その化学物質を譲渡、提供する相手方に通知しなければいけないという通知制度がございます。通知するに当たって通知する項目につきまして、項目の中身によっては公表することによって著しい営業上の不利益を被る場合があることもございます。そうした観点から、通知項目の記載について一定の要件を踏まえつつ、一定の省略ができないか。そうした問題意識のもとで検討会を開いて、検討している状況です。この検討会の状況を踏まえつつ、今後、分科会におきまして御議論いただければということで書いているものです。
 最後、6.その他ですが、その他として議論すべき点はないか整理しています。資料につきましては以上です。
○髙田分科会長 御説明ありがとうございました。今後の当分科会における主な検討項目・論点等について整理をしていただいております。本件につきまして質問、御意見等のある方は、会場の委員につきましては挙手を、オンライン参加の委員につきましては御発言がある旨、チャットに書き込みをお願いいたします。まずは会場の委員で何かございますでしょうか。山脇委員、お願いいたします。
○山脇委員 ありがとうございます。労働側の山脇です。今般、示された1~5の検討項目は、安全衛生対策上、それぞれが大変重要な課題であると受け止めていますが、一部の項目については、やや射程が狭いものもあると考えています。個別の項目の射程と、検討に当たっての視点について幾つか発言したいと思います。
 まず、検討項目2に関連して、14次防の重要項目となっている転倒防止・腰痛予防対策の拡充に向けては、中間取りまとめにおいて、引き続きの検討課題になっている安全衛生委員会の設置義務のない事業場の取扱いも含め、改めて検討会を再開し、その成果を政策に結び付けていく必要があると考えています。
 続きまして、検討項目の3についてです。記載のストレスチェックや一般健診の見直しが重要なことは言うまでもありませんが、産業保健のカバー範囲拡大や中小企業における産業保健体制の充実方策など、産業保健の在り方検討会で提起された課題についても、しっかりと議論する必要があります。検討を再開し、それぞれ結論化していくべきであると考えます。
 なお、産業保健を含む安全衛生分野については、ストレスチェックや産業医の選任義務のように、事業場規模によって取扱いが異なるものが幾つかあります。本来、労働者であれば事業場規模にかかわらず、同じ産業保健サービスが提供されるべきであり、こうした事項の解消を図っていくことを、今後の検討に当たっての1つの軸に据えるべきと考えています。
 そのほか、検討事項4について、例えばエックス線装置に係る放射線障害防止対策に関する検討会や農業機械の安全対策に関する検討会のように現在検討が進められている各種検討会では、その起点が労災事故に起因するものも幾つかあります。報告書が取りまとまり次第、早急に分科会で議論すべきと考えます。
 いずれにしても、法令改正が伴うものも多数あると承知しています。それぞれについて労働者保護の観点から本分科会において議論を行い、早急に結論化を図っていくべきと考えています。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。宮内委員、お願いいたします。
○宮内委員 今後の非常に重要な項目について整理いただいたということで、これは私の感想みたいになってしまうのですが、高齢化の時代を迎えるということから、治療と仕事の両立をしなくてはいけない。これは間違いなく来るという問題を前提にして、各企業は努力されていますし、また、ガイドラインもできております。エイジフレンドリーガイドライン等がしっかりできていて、こういう中で助成金とか個別の支援をされていると思いますけれども、これ以上どうするかという問題が出てくると思います。そういう中で、一生懸命やっている企業ももちろんあるわけですし、成果も出ていると思います。ですから、是非、そういう所に関しては、例えば外部評価の機関と連携する形で差別化して、一生懸命やっている所はしっかり評価するという制度も、これからは要るのではないかと思っています。というのは、見本になるような所をまずしっかり出す。それに向かってみんなでやっていくというところに力を入れていくのも、ひとつの手法なのかなと思っています。また、ここの管理体制等についても、今、お話がありましたように事業所の規模によって大分違うというのは致し方ないところですが、しっかりとしたことをやっている、そういったものをどう示していくかということを、是非、今後、考えていただけると私はいいのかなと思います。特に環境整備等については非常にお金も掛かりますし、また、難しいものもあると思いますけれども、是非、今後とも推進していただければと思います。
 もう1つ、センサー技術みたいなものが最近は非常に活発になっています。それをどういうふうにして活用していくかというと、課題もありますけれども、そういうことも是非、中に取り入れて、見本になるようなものを出していただけると、皆さんで推進できるのではないかと思いました。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。及川委員、お願いいたします。
○及川委員 ありがとうございます。1番目の個人事業者等の安全衛生ですけれども、こちらのほう、健康管理のガイドラインの策定ができました。このガイドラインを実効あるものにするためにも制度面の充実は大変必要だと思っています。今後、このガイドラインの実効性ということが鍵になると思いますので、強力に推進をしていただければと思っています。
 2.の近年の状況を踏まえた労働災害の件ですけれども、最後の所に業種別を見た場合ということで介護施設、小売業というのがございます。介護施設、小売業も大変小規模、中小企業という所が多くありますので、業種別プラス規模別にしっかり見ていただく必要があるかと思っています。
 3.の健康確保対策ですけれども、今後、ストレスチェックのことを考えたときに産業保健に関わる整備がしっかりしていることが、まず大きくあると思います。産業保健の整備体制をしっかりすることと、ストレスチェック等のメンタルヘルスのところは大変リンクしていると考えております。共に必要な議論だと思っております。
 4.の特定機械の件ですけれども、製造時の検査について、民間活力ということで特にスピードが大変重要だと思っています。製造認可、それから検査の時間、早く市場に出していただく、使ってもらうということがあると思います。そういったときに人手不足の中で省力化機器が大変重要かなと思っております。是非、推進に向けて省力化ということを考えていただければと思います。
 最後に、化学物質ですけれども、この営業秘密とのバランスが大変重要だと思っています。この営業秘密ということは、これからの中小企業にとっても企業価値、付加価値を生む源泉でございます。どのように生産性を向上させて中小企業の従業員の賃金を上げるかというときに、こういった営業秘密というところが大変重要になってまいります。二律背反的なところがございますけれども、バランスよくしっかり検討していただく必要があるかと思っています。
 最後、その他でございますけれども、全体的に今日的な、今後を含めた議論がPDCAが回って政策がされているのだと感じております。大変改正が多い反面、しっかりscrap and buildをして、政策がすごく骨太で、中小企業に分かるような感じにしていく観点も必要かなと思っています。各分野で検討していきますと、ややもすると面的に受け手の中小企業の所では大変難しいと感じるところがございますので、アップデートときにはscrap and buildの視点も必要だと思います。それから、中小企業にとって何か規制が強化されて負担感があるというような声も出ております。先ほど他の委員からもございましたように、しっかりやっている中小企業もございますので、インセンティブをして引っ張り上げる。こういうふうに誘導してあげるというような政策も必要かなと感じております。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。そうしましたら、山脇委員、宮内委員、及川委員からの御発言につきまして、事務局から回答をお願いいたします。
〇計画課長 事務局でございます。御意見、御質問を頂きましてありがとうございました。まず、山脇委員から、転倒防止・腰痛予防対策の在り方に関する検討会の再開を含めて、検討を進めて深めていってはどうかという御指摘、御意見がございました。ここの部分につきましても、我々、この資料の中に提示させていただきましたが、令和4年9月の転倒防止・腰痛予防対策の在り方に関する検討会、この中間整理で書かれている安全衛生管理体制についてどう考えていくのかということで、今回、資料に記載しています。どういう形でこの議論を深めていくのかというのは、我々、厚生労働省安全衛生部としてもしっかり考え、検討会の在り方も含めて御議論を進めていただき、ひいてはこの分科会の中でも御議論いただきたいなと思っているところでございます。
 次に、産業保健の在り方の話がございました。これにつきましても昨年ですか、産業保健の在り方の検討会を開催し、議論の概要という形で昨年取りまとめをして、検討会は終わっています。産業保健の在り方につきましては、我々、このメンタルヘルスの関係、今、動いているものもございますが、その他の部分につきましても、大変重要な論点、課題があるという認識を持っていますので、どういう形で産業保健の在り方を議論していくのか。これは議論だけでなく、安全衛生部としては予算的な対応ということで、産業保健の支援というのはあり得ると思います。また、これから来年度に向けての予算的な支援について、議論を深めていく時期になってきていますので、そうしたところも含めて産業保健の支援の在り方を我々としてもしっかり考えていき、また分科会にも御報告をさせていただければと思っています。
 御指摘がございましたエックス線の検討会、農業機械の関係の検討会については、今、正に動いている検討会でございます。これらの検討会につきましても取りまとめの内容等を踏まえて、この分科会で御議論いただく内容ということであれば、しっかりと分科会で御議論いただければと思っているところです。
 宮内委員から話がございました高齢化の関係、治療と仕事の両立の関係、また高齢者のエイジフレンドリーガイドラインの関係ということで、一生懸命取り組んでいる所についてしっかり評価をしていってはどうか、外部評価というお話がございました。こうした点は重要な観点であると思っております。我々としましては、一例としまして、エイジフレンドリーガイドラインに沿った形で、取組を進めていただいている企業、事業所におきましては、エイジフレンドリー補助金という形で転倒を防止するための工事であったり、体づくりや健康面、運動プログラムで転倒しない体づくりの指導を行っているものなど、そうした取組についての経費を補助、助成することも行っています。こうした取組等も引き続き続けながら、また、その補助の内容、メニュー等の見直しもしながら、取り組んでいる企業、頑張っている企業を応援していきたいと思っています。また、御意見を頂いたものも含めて、いろいろ我々としてもこれからも考えていきたいと思っています。
 また、センサー技術の話がございました。これは14次防にも書かれていますけれども、DXを取り込んで安全衛生対策をやっていくことを我々として、進めていかなければいけないという認識に立っていますので、この部分は一足飛びにできる部分と、できない部分があるかと思いますけれども、できるものにつきましては速やかに検討して、対応していきたいと思っているということです。
 及川委員から話がございました、個人事業者の健康管理ガイドラインの実効性を高めてほしいということで、正しく御指摘のとおりということでございます。健康管理ガイドラインにつきまして、先日、3月の分科会で御議論いただきまして、分科会としての御了承を頂いたものと認識しております。公表はこれからということですが、今後につきましては、しっかりこのガイドラインの内容を周知、広報していき、ここに書かれている内容がしっかりと届くような形で、個人事業者はもとより、発注者、注文者に届くような形で実効性を高めるような取組を、しっかり考えていきたいなと思っております。
 あとは、業種別、規模別で労働災害の在り方というのは違ってきている。介護施設とか、そうした所で違いがあるということ。御指摘の点も踏まえて、今後、検討を深めていきたいと思っているということです。
 産業保健の関係、メンタルヘルスの取組につきまして、事業所の体制の話がございました。特にストレスチェックのメンタルヘルス対策に関する検討会でも、同様の指摘、お話もあったやに記憶しております。ここの部分につきまして、検討会での御議論を踏まえて、我々、この分科会におきまして御審議いただければと思っているところです。
 次の民間活力のところ、スピードが大事であるとか省力化、DX化を進めていくところが大事だという御指摘がございました。ここの部分も先ほど話がありましたけれども、御指摘のとおりということで、我々としてもしっかり頭に入れて対応を考えていくということ。省力化に当たりましては、先ほどのDX化の話に符合する部分もあるかと思いますので、そうした取組を進めながら省力化の対応も考えていければと思っているところです。
 営業秘密の関係は御指摘いただいた点も踏まえて、また検討会で御議論いただいて、その結果を踏まえて、本分科会におきまして御議論いただければと思っています。
 その他、scrap and buildといった点についても、どういう形でできるのか。しっかり我々としての取組を考えながら進めていきたいと思っているところです。以上となります。
○髙田分科会長 ありがとうございました。山脇委員、宮内委員、及川委員、何か追加で御発言はございますか。よろしいでしょうか。そのほかの委員で御発言はございますか。よろしいでしょうか。オンラインのほうもチャットの書き込みはないということで、よろしいでしょうか。ありがとうございます。そうしましたら、ただいま委員から貴重な御指摘をいろいろ頂きましたけれども、この議題(4)の今後の安全衛生分科会における主な検討項目・論点等について、皆様、御了解いただけたということで、こちらについても引き続きいろいろな検討を踏まえて、分科会に出てきましたら御議論を進めていただければと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
〇髙田分科会長 続きまして、議題(5)になります。「個人事業者等に対する安全衛生対策について」に関しまして、御議論いただきたいと思います。まず事務局から説明をお願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 よろしくお願いいたします。船井から御説明させていただきます。まず、資料5-1を御覧いただいて、1ページめくっていただくと、個人事業者等に対する安全衛生対策の在り方に関する検討会報告書の概要ということでして、昨年11月に分科会にも御報告させていただいた中にあった資料ですが、昨年10月にこの報告書を取りまとめています。報告書の取りまとめ事項について、できるものから順次、分科会でも御議論いただいて形にしていくということで、これまでやってきたわけでして、次のスライドにあるように、灰色に塗ってある部分が、これまで分科会でも御議論いただいて形にしてきた所です。
 この中で、左下にある論点1という部分が、分科会においてもまだ十分に検討できていない部分でして、これを今後、御議論を深めていただくことになっています。論点1については、個人事業者等の危険有害業務に関した取組なのですが、左側にあるように、措置の主体が個人事業者自身であったり、注文者であったり、注文者以外の災害リスクを生み出すような方であったり、非常に多岐にわたりますので、この辺りをどのように議論していくかということで、次ページに今後の検討の進め方という資料を付けさせていただいています。
 この論点1を議論していくに当たり、まず、「個人事業者等」という概念が現行の労働安全衛生法上はありませんので、これをどう扱うかというところが初めに必要ではないかと考えています。そういう意味で、黄色い所にあるように、総論①②ということで分けて書かせていただきましたが、労働安全衛生法上の「個人事業者等」というのは、どういう範囲なのかということと、労働安全衛生法で「個人事業者等」を、どういう場面で保護又は規制していくのか、その考え方を整理する必要があるのではないかと考えています。この整理ができると、報告書で取りまとめられたそれぞれの事項について、各論の議論を深めていただくことができるのではないかと考えています。
 各論としては、下の緑の所にあるように、非常に多岐にわたりますので、幾つかにカテゴライズして、議論を何回かに分けてやっていただくのがいいのではないかと考えています。その際、措置主体というか、誰が災害リスクをコントロールできるのかというところに着目して、個人事業者自身がコントロール可能なのか、若しくはそうではないのかというところで、各論①②という形で分けています。それ以外の事項、例えば災害報告とか、申告制度を作るべきではないかという議論、また支援の話もありました。そういう部分については、①や②をしっかりと実行するための取組ということで、各論③という形で御議論いただければと御提案させていただきたいと思います。
 今申し上げた整理について、次ページにありますが、検討会報告書の項目ごとに対応するとどうなるかということで、一覧で整理したのがこの資料です。今申し上げたような形でやると、既に分科会で御議論いただいて、省令改正ないしはガイドライン発出ということで対応済みのものも含めて、一応、報告書に書いてあることは全部対応する形になると御理解いただければと思います。
 次ページ以降には、総論①②と各論、それぞれ資料を付けています。総論①②については、今申し上げた検討の方向性について御審議いただいて、御了解を得られましたら、後ほど資料5-2、5-3に基づいて、論点提示も含めて御説明させていただきたいと思っております。緑のラベルが付いている各論については、まだ論点は提示させていただいておらず、報告書に書いてあることを先ほど御提案させていただいたカテゴリーごとに並べ替えて、言葉は悪いですが、コピー・アンド・ペーストして載せているものです。今後の議論の際には、これに対応した論点も提示させていただきたいと思っています。まずは、先ほどの3ページの今後の検討の進め方について、御議論いただけると有り難いと思っています。資料5-1については、説明は以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。ただいま、資料5-1に基づいて、これまでの検討の経緯、今後の検討の進め方の全体像について説明がありました。総論として、個人事業者等の範囲や、保護、規制となる場面について、検討会での議論を踏まえて整理した上で数回に分けて各論を議論していくという方向になるということですが、この点について質問、意見等がある方は、会場の委員については挙手を、オンライン参加の委員については、御発言がある旨をチャットに書き込みをお願いいたします。会場の委員でいかがでしょうか。そうしましたら、七浦委員、お願いいたします。
○七浦委員 御説明ありがとうございます。この中で、実際の進み方として、発注者自身が責任を負うような形になるのかというところで、個人事業主が本来であれば、個人としてどう行っていくかという教育とか、そこまで準備ができない際には、各所属されている業界団体とかの巻き込み方ということも含めて、どのような形で進められるのか、少し戻ってしまうのかもしれませんが、この辺りの我々使用者側の認識は、どのように持っておけばいいのかというのを教えていただければと思います。
○髙田分科会長 ありがとうございます。ほかに会場から御発言はございますか。出口委員、お願いいたします。
○出口委員 出口です。検討会でも何度か議論にはなったと思いますので、あくまで確認なのですが、資料5-1についても、安衛法に「個人事業者等」を位置付けたいという形になっています。それは、特に反対はいたしません。ただ、安衛法については労働法の1つということなので、労働法のトップである労働基準法、労働者の大基準の定義がございます。使用者については、第10条の規定、定義がございます。これまでの議論、検討でも出てきたのですが、労働基準法でしっかりと定義しないと、個人事業者の自覚も、その定義なくしては生まれないと考えるところです。労働基準法で定義すれば、また労災保険法への検討にもつながるのではないでしょうか。確認いたします。
○髙田分科会長 ありがとうございます。そうしましたら、七浦委員と出口委員からの御発言について、事務局から御回答をお願いできますか。
○主任中央労働衛生専門官 御質問ありがとうございます。まず、1点目の七浦委員からの御質問に対する回答です。これを事細かに御説明すると、ちょっと長くなってしまうのですけれども、後ほど資料5-3でも出てくるのですが、実は、10月に報告書を取りまとめた検討会においては、個人事業者を保護するという観点だけではなくて、個人事業者であろうが労働者であろうが、個人事業者が労働者と同じ場所で働くのであろうがそうでなかろうが、享受すべき安全衛生の水準は同じであるべきだというのがスタート地点でして、それを誰がどういう方法で確保するのかということになると、これは労働者の場合と個人事業者の場合で違うでしょうと。個人事業者が労働者と同じ場所で働くのか、そうではない自分の事務所で働くのかによって違うでしょうと。それを、関係者の役割を整理しようというのが検討会のまとめでした。
 今後、個人事業者を安衛法上に位置付けると、では、どういう役割を担ってもらうのか。それを推進するために、発注者や注文者の方がどういう役割を担うのかというのは、正にこれから議論していくことになるかと思います。なので、発注者とか注文者に個人事業者を保護するための義務を全部課すということではなくて、個人事業者は個人事業者としてやっていただかなければいけないことがある。発注者や注文者は、その立場としてそれぞれやっていただかなければいけないことがある、若しくは配慮していただかなければいけないことがあると、そういう役割を、今後、整理していきたいと思っております。当然その中で、個人事業者はそういう安全衛生の管理能力が十分にない場合もありますので、関係団体の協力とか、そういったところも含めて考えていければと、御議論いただければと思っております。
 2点目ですが、出口委員からの御指摘です。安衛法に個人事業者を位置付けるだけではなくて、その派生元となっている労働基準法においてもということですが、こちらについては直接の担当ではありませんが、労働基準法の労働者性なども含めて見直しというか、どうあるべきかということを検討する場が、また別途、設けられていると聞いておりますので、そういった議論も我々としては見ながらやらせていただきたいと思っております。
 ただ、検討会における議論においても、大分、有識者の方からも御発言がありましたが、基準法から派生した安衛法ではありますけれども、最高裁判決が出ているように、必ずしも労使関係という枠組みだけではなくて、災害リスクを誰が生み出しているかというのにも着目して、そういう請負関係とかにとらわれない規制というのが、既に安衛法の中には組み込まれていると。そういったところも踏まえて、基準法から派生したので、当然、両法律が相まって物事を進めていかなければいけないのですが、少し踏み込んだ部分まで安衛法がカバーしている状況にあるということは、御理解いただければと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。ただいまの御回答について、七浦委員、出口委員から追加でございますか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。そのほか、会場の委員で御発言はございますか。山脇委員、お願いいたします。
○山脇委員 労働側の山脇です。まず、従来より労働側として求めてきた個人事業者の安全衛生対策に関する法改正に向けた議論が開始されることについて、前向きに受け止めています。また、お示しいただきました資料1を見ると、おおむね検討会報告に沿った形で、今後の議論が進められるものと考えていますので、現段階で資料5-1に対して特段、異論はありません。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。そのほか、よろしいでしょうか。チャットのほうも書き込みがないということで、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、引き続き資料5-2、5-3に基づいて、総論についての説明を事務局からお願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 資料5-2を御覧ください。1枚めくっていただくと、先ほど御了解いただいた今後の検討の進め方について、今回は総論1ということで黄色に塗ってある部分について御議論いただければと思います。
 次のページです。総論1として、まず検討会における議論の前提ということで書いています。検討会において、個人事業者等の範囲をどう捉えていくかという中で、いろいろなデータも出して御説明させていただきましたが、まず、個人事業者が被災した災害について網羅的なデータはないのですが、特別加入の認定状況や監督署が業務の一環として把握した建設現場の一人親方の死亡災害の状況だとか、そういったデータから、個人事業者についても一定の方が被災をしているということと、被災者の中にも個人事業者、フリーランスの方ではなくて、中小企業の事業主や役員の方も含まれているというような状況で、その方々の災害の状況なども見ますと、労働者や個人事業者の方と同じような作業をやっている最中に被災しているという状況が見られました。そういうこともありまして、検討会においては、いわゆる個人事業者だけに限定するのではなくて、同じような作業を行っている方については、広く保護や規制の対象にすべきという考えの下、議論してきたという経緯があります。
 それを踏まえて今回御提示させていただく論点としては、個人事業者をどのように定義すべきか、また、個人事業者以外に、どの範囲で対象に含めるべきか。これを御提案させていただいております。
 次のページを御覧ください。その論点と対応案を書いております。対応案としては、安衛法において、保護対象や義務の主体とする「個人事業者等」の範囲としては、以下のとおりとしてはどうか。①個人事業者です。これは労働者を使用しない方であって、事業者なので事業を営んでいる。それは法人、若しくは非法人、個人であるかは問わないということです。3つ目がポイントになりますが、必ずしもこの方が請負契約とか業務委託のような、誰かから仕事を頂いて、それに対して労務を提供している、若しくは業務をしているということは問わない。こういった請負や委託のような契約の有無は問わないという形で考えたいと思っております。
 ②中小事業の事業主及び役員ということで、個人事業者や労働者が行うのと類似の作業を行っている中小事業の事業主や役員も、対象にしてはどうかということです。もっとも、この中小事業の範囲については、業務上災害の実態とか、関係する基準法令の範囲を見ながら定めたいと考えております。
 このように、請負関係、委託関係の契約を問わないとした背景としては、労働災害防止対策は、これまでいろいろな歴史がございますが、下に書いてあるように、契約関係とか請負関係だけに着目した対策では、なかなか十分な対策を講じられないということがあります。あと、安全衛生に影響を及ぼすような要因、リスクを発生させて、それをコントロールできる人に対して、規制や取組をお願いしていくということが、災害防止効果を上げるのではないか。若しくは③にあるように、災害防止に必要な情報というのも、いろいろな関係者が共有しながら、それに基づいて取組を行うことが重要だと。そういうことが長い歴史の中で教訓として備っていますので、こういったことも踏まえますと、今申し上げましたように請負とか委託とか関係なく、広く対象を捉えることが適当ではないかと御提案させていただいております。
 次のページ以降は参考資料ですが、5ページ目については、先ほど簡単に御説明させていただきましたが、災害の状況です。労働者だけではなくて、個人事業者の方も一定災害が発生しておりますし、それは必ずしもいわゆる個人事業者、フリーランスという方だけではなくて、中小の事業主や役員も入っているということです。
 6ページ目については、これも安衛法上、個人事業者という位置付けがないということで、ほかに出てくる事業者、労働者、発注者、そういった登場人物の定義も参考に付けさせていただいております。
 あと、他法令でも、労働者ではない作業を行う方の位置付けが、家内労働法であったり、フリーランス新法であったりの中に位置付けられております。安衛法に基づいて、今回、個人事業者、若しくは「個人事業者等」というのを位置付けようとしたときに、従来の事業者とか労働者との関係で言うと、このような位置関係になるというのを付けさせていただいております。以上が、資料5-2でした。
 続いて、資料5-3です。1枚めくっていただきまして、「検討の進め方」の黄色い部分の総論②を御議論いただければと思います。この総論②は、今、広めに定義を取らせていただいた個人事業者について、どういう場面で保護し、又は規制していくのか、その考え方を整理しようということです。この個人事業者を広く取ったはいいのですが、この「個人事業者等」を、いつ、いかなる場面でも保護する、規制するというのは、安衛法の立て付けからいって適当かと言いますと、これはなかなか難しい部分がございます。
 次のページに、「検討会報告書の別添2」というポンチ絵があります。これは報告書に付けていた資料です。一番上の○を見ていただきますと、安衛法というのは、確かに直接の雇用関係だけを前提とした規制以外にも、いろいろな規制がございます。ただ、下に※で書いてあるように、労働者以外の人も普遍的に保護対象にしているというわけではないのです。例えば建設現場の統括管理、機械設備の流通規制、機械をリースする方に対する規制など、そういうものはあるのですが、それは労働災害にまつわるものを特別な立場の方を対象にして規制しているということであります。そういった中で、建設アスベスト訴訟の最高裁判決が出まして、石綿の規制根拠になっている労働安全衛生法第22条については、労働者だけではなくて、同じ場所で働く労働者でない方も保護する趣旨なのだという判断が示されたところです。
 こういったことを踏まえて検討会ではどう考えるべきかということで、先ほど七浦委員からの御指摘にもあったように、労働者であろうがなかろうが、若しくは労働者と同じ場所で就業しようがそうでなかろうが、享受すべき安全性水準は同じなのだろうと。だけれども、それぞれの立場に応じて、それぞれ役割が異なるのだということで、その関係を整理した上で、検討会では議論をしてきたわけです。
 それを踏まえると、労働者と同じ場所で就業する場合については、その場所を管理している事業者が、労働者でなくても一定の責任は負うべきだろうと。一方で、そういう形で保護されている個人事業者の方、それはその場のルールと言ったら何ですが、その場で講じられる措置に応じた措置を一定程度やっていただく必要があるのだろうと。これが労働者と同じ場所で働く場合の考え方です。
 一方で、右下のポンチ絵にあるように、労働者と異なる場所で働く場合はどうなのかということがあります。これは、基本的には自分自身で、自分自身の安全衛生、心身の健康は考えていただくのがいいのではないかということがベースになります。ただ、右の絵にある矢印の「請負」という所ですが、このお願いする仕事の条件、内容というのが、安全衛生に影響を及ぼすような、リスクを発生させるようなものであるのであれば、その範囲においては、事業者(注文者)の方が必要な対応を担っていただく必要があるのではないか。このように考えて議論をしました。別な場所で働く場合の個人事業者自身の取組というのは、先般御議論いただいた健康管理ガイドラインにも、そのような形で考え方が入っております。
 一方、下の注文する内容にリスクがある、若しくは健康障害につながる要因があるという部分について、一定程度発注者、注文者に配慮していただく、若しくは何らかの取組を行っていただくという部分については、また既存の枠組をうまく活用して対応できるのではないかということで考えているところです。これが検討会のベースになった考え方です。
 4枚目のスライドを御覧ください。上の四角に書いてあるのは、今、御説明したことを文字にしたものです。これを踏まえて論点として挙げられるのは、労働安全衛生法の枠組み上、個人事業者等自身に措置を求められるのは、どういう場面が考えられるかということです。同じく安衛法の枠組み上、事業者、注文者、注文者以外の建築物、機械の貸与をするような方々に、個人事業者の保護の観点から、法的措置を法令上求めることができるのは、どういう場合が考えられるか。これが2つ目の論点です。3つ目の論点は、今申し上げた上の2つ以外に、法令で措置を求めることが枠組み上、難しいような場合に、どうするかということです。3つの論点を挙げさせていただいております。
 1つ目の論点が5ページにございます。対応案としては、個人事業者自身に措置を求めることができるのは、安衛法の目的を考えると、労働者の安全、健康の確保を通じた労働者保護が主目的にありますので、個人事業者自身に措置を求めるのは、その個人事業者が労働者と同じ場所で就業する場合ということが適当ではないかということで、御提案させていただいております。簡単に言いますと、全然労働の場と関係のない所で働かれている個人事業者の方の安全衛生について、個人事業者の方に何か義務を安衛法が課すというのは、ちょっと難しいのではないかということです。
 下に最高裁判決の考え方や、現行の事業者以外の人に義務を課しているような規定の例も挙げさせていただいておりますが、6ページ目にあるとおり、安衛法上、労働者以外の方にも義務を課している規定の例ということで、就業制限という規定がございます。簡単に言うと、クレーンなどの操作に必要な免許とか、そういった資格です。これは事業者に対しては、こういう資格を持っている人でないと業務に就かせてはならないとなっていて、業務に就く側も、そういう資格を持っていなければ、業務に就いてはならないというようになっているのです。
 これは第2項のほうは、労働者ではなくて、業務に就くことができる者なので、労働者に限定されないということで、これは下の解釈にもあるように、個人事業主や一人親方も対象になっているので、既にそういう部分では、「個人事業者等」に法令上義務を課している部分があるという例で挙げております。ただ、こちらも解釈にあるとおり、いついかなる場面でもということではなくて、産業労働の場以外の場においては適用しないという扱いになっていますので、参考として付けさせていただきました。
 続きまして、2つ目の論点です。安衛法の枠組み上、事業者とか注文者が、建物等の貸与者に、個人事業者保護の観点から措置を求めることができるのかということです。
 対応案として2点挙げております。1点目については、個人事業者自身の措置と同じような形ですが、安衛法が労働者保護を主目的にしているので、やはり個人事業者保護の観点から、措置を求められるのは、「個人事業者等」が労働者と同じ場所で就業する場合とすることが適当ではないかということで、書かせていただいております。ただ、個人事業者が労働者とは異なる場所で就業する場合であってもということで、これは先ほどの検討会のベースになったポンチ絵で言うところの、一番下の所にありますが、注文した仕事に関して、作業場所とか作業方法から災害リスクが生じるのであれば、そういった部分については、注文者とかにも一定の措置をお願いすると。これは既存の安衛法の枠組が活用可能だということなので、そういう場合については、これを活用しようということで、御提案させていただいております。以降、関連の規定などを付けさせていただいておりますので、御参考にしていただければと思います。
 3つ目の論点です。今申し上げた2つ、個人事業者自身に措置を求める場合、若しくは個人事業者保護の観点から、事業者とか注文者とか、注文者以外の建物や機械の貸与者に義務を求める場合、これは今申し上げた点で御了解がいただけたとすれば、それ以外の場合はどうするのかというのを3点目に書いております。
 それ以外の場合については何もしなくていいのかということではなくて、法令に基づいて措置を求めることが困難な場合であっても、「個人事業者等」の危険とか健康障害を防止するという観点からは、ガイドライン等で関係者に措置を求めることとしてはどうかということで、御提案させていただいております。こちらについては繰り返しになりますが、健康管理ガイドラインも、こういう思想に基づいて作らせていただいたものです。以上、資料5-2、資料5-3、総論①、総論②の説明についてでした。
○髙田分科会長 ただいま資料5-2、資料5-3に基づいて、総論①、総論②について、詳しく御説明を頂きました。この議論については、次回の検討会でも議論を進めていく予定です。本日はお時間もございますので、この場で今の説明について御質問等がございましたら、会場の委員については挙手を、オンライン参加の委員については御発言がある旨、チャットに書き込みをお願いできますでしょうか。まず、会場の委員で、この場で確認が必要という方はいらっしゃいますか。山脇委員、お願いいたします。
○山脇委員 「個人事業者等」の定義の箇所について4ページに示されている対応案の内、個人事業者については、フリーランス新法における特定受託事業者よりも、広範に対象としているものと受け止めており、広く保護対象とするということについては賛同の立場です。範囲についても、4ページの下段に整理された考え方が、正確に踏まえられたものと理解をしています。
 次に、中小事業の事業主及び役員について、これらの方々を対象とすることは、全く異論はありません。本検討会の経過を踏まえると、事務局から提案がされているように、個人事業者や労働者が行うのと類似の作業を自ら行うという、行動に着目して対象を規定していくことが重要ではないかと思っています。事業主及び役員は、安衛法上、事業を行うもので、労働者を使用するものとして事業者に当たることが前提であることを踏まえ、その範囲については、今後慎重に検討していく必要があると思っています。
 最後に、家族従事者、家事使用人の取扱いについて確認をしたいと思います。家族従事者の中には、中小事業主と同様に、個人事業者や労働者と類似の作業を行う者もいますが、こうした方々について、どのように取り扱うのか伺いたいと思います。
 こちらの検討会とは別に、労働条件分科会でも同種の検討がなされると承知していますので、労働条件分科会との整合を図る必要があるのではないかと考えているところです。
○髙田分科会長 ほかに確認が必要なことはございますか。山口委員、お願いいたします。
○山口委員 総論②、資料5-3について発言します。3ページの検討報告書の別添2の「上記を踏まえた対応の方向性」に記載されているように、「労働者と同じ場所で就労する者は、労働者以外の者であっても安全衛生水準を享受すべき」との考え方が反映されるように法制度を構築していくことが重要だと考えます。
 また、5~9ページに示された対応案は、検討報告書の考え方に沿って示されたものであると考えますが、7ページの対応案の後段、「労働者と異なる場所で就業する場合」、はもとより、9ページの対応案にある「法令に基づく措置が困難な場合」であっても、個人事業者等に対して最大限の保護がなされるように取り組むべきであるということについて、改めて発言したいと思います。
○髙田分科会長 ほかはございますか。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、今の山脇委員と山口委員の御発言について、事務局から御回答をお願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 御質問、御指摘ありがとうございます。1点目の山脇委員からの御指摘ですが、まず1つ目は、中小事業主や役員の部分について、個人事業者と類似の作業を行っているというところがベースになるということで、バランスを図った検討ということで、これは御指摘を賜って、今後の検討に取り組みたいと思います。
 その上で家族従事者の部分です。家族従事者というのが、安衛法の労働者の定義の中で、同居の親族のみを使用する事業に使用される者は除くということで言われておりまして、要は事業者とそこで働く労働者が、全員生計を同一にする、同居の親族で構成される場合には、その人たちは労働者ではないので安衛法も適用されないということなのですが、その関係というのは、今、御指摘のあった個人事業者の家族という場合においても、同じようなことが言えると思うのです。何が言いたいかと言うと、適用除外にはされているのですが、家族従事者も普通の労働者と同じ作業をすることはあり得ると。でも、その保護を図る際に、要は労使関係、雇用関係で図るのか、特殊な、生計を共にする家族関係で図るのかというところで、この法令の適用が切り分けられているということです。既存の安衛法の切り分けを踏まえた上で、今回も議論をする必要があると思いますので、頂いた御指摘も踏まえて、よくロジカルな整理をしつつ、検討を進めたいと思っております。
 あと、山口委員からの御指摘です。労働者と同じ場所で働かない場合であってもとか、法令の適用ができない場合であっても、ガイドライン等でという部分については、それはおっしゃるとおりで、法令でやるのかそうではないのか、誰にどのような措置を求めるかというのは、既存の法令の立て付けにおいていろいろと変わってくると思うのですが。根っ子にあるのは、同じ場所であろうがなかろうが、労働者であろうが労働者でなかろうが、守るべき水準は同じだということで、それを誰がどういう形でやっていくかというところにあると思うので、法令でできないからといって、何もする必要はないということではなくて、できない部分についてはガイドライン等でしっかり、健康ガイドラインでもお示ししたような考え方と共通する部分はあると思いますが、対応していきたいと思います。
○髙田分科会長 山脇委員、山口委員、本日のところはこの回答でよろしいでしょうか。
○山脇委員 結構です。
○山口委員 結構です。
○髙田分科会長 そうしましたら、お時間がないところを申し訳ありません。次回についても、引き続き総論①、総論②について、議論を進めさせていただいた上で、各論についても進めさせていただくという方針でいきたいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
〇高田分科会長 最後に、議題(6)のその他についてですが、前回の分科会で山脇委員から御発言いただいた防じんマスクの通達の廃止に係る点について、事務局から説明がございますので、よろしくお願いいたします。
○労働衛生課長 前回の分科会において、連合の山脇委員から御指摘を受けた御説明の中で、粉じんの保護具着用管理責任者は通達レベルであるという旨を、私が発言いたしました。正しくは、粉じん則にある保護具着用管理責任者と、通達レベルである保護具着用管理責任者の2種類がございます。
 この後者について、第10次粉じん障害防止総合対策を改正しまして、粉じん保護具着用管理責任者としたと説明すべきであったということですので、訂正させていただきたいと思います。
 また、前回の分科会後ですが、第10次粉じん障害防止総合対策については、じん肺部会での審議を経て決定したものであり、今回の改正についても、事前にじん肺部会での審議の必要性を確認すべきだったのではないかという旨の御指摘を受けたところです。御指摘を受け止め、今後は丁寧なプロセスを心掛けてまいりたいと思っております。
○髙田分科会長 山脇委員、ただいまの事務局の説明を踏まえて、何かございますか。
○山脇委員 特にありません。ご回答ありがとうございます。
○髙田分科会長 そのほか、御発言はありますか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 これで予定されていた議題については終了いたしました。時間を超過してしまって、申し訳ございませんでした。本日も熱心に御議論いただき、ありがとうございました。本日の分科会は、これにて終了いたします。お忙しい中、どうもありがとうございました。

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