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平成20年8月26日

(照会先)
厚生労働省医薬食品局
監視指導・麻薬対策課  工 藤(内線2784)
熊 内(内線2762)

平成19年度無承認無許可医薬品等買上調査の結果について

医薬品成分の含有事例が報告されているいわゆる健康食品及び最近乱用が問題となっている違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)を対象として実施した平成19年度無承認無許可医薬品等買上調査の結果を別添のとおりとりまとめましたので、公表いたします。


別 添

平成19年度無承認無許可医薬品等買上調査の結果について

平成19年度無承認無許可医薬品等買上調査については、いわゆる健康食品のうち、強壮効果を標榜する製品(以下「強壮用健康食品」という。)、痩身効果を標榜する製品(以下「痩身用健康食品」という。)及び最近乱用が問題となっている違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)を対象として実施した。

調査方法、調査結果等は以下のとおりである。

1 調査方法等

1)参加都道府県

平成19年度無承認無許可医薬品等買上調査に参加希望のあった全47都道府県にいわゆる健康食品及び違法ドラッグの買上業務を委託した。

2)買上時期

平成19年9月〜平成20年3月

3)買上対象品目

強壮用健康食品、痩身用健康食品及び違法ドラッグ

4)医薬品成分の分析

強壮用健康食品、痩身用健康食品及び違法ドラッグに配合されていることが疑われる医薬品成分について分析を行った。

2 調査結果の概要

各都道府県において、いわゆる健康食品等279製品(重複を除くと266製品)を購入し、国立医薬品食品衛生研究所において医薬品成分の分析を行った。(医薬品成分が検出された製品の詳細は別紙参照。)

1)強壮用健康食品については、169製品(重複を除くと156製品)のうち26製品(重複を除くと20製品)から、シルデナフィル等の医薬品成分を検出した。

2)痩身用健康食品については、71製品(重複を除くと71製品)のうち医薬品成分の検出されたものはなかった。

3)違法ドラッグについては、39製品のうち1製品から、指定薬物であるDPTを検出した。

3 対応状況

医薬品成分が検出された製品については、無承認無許可医薬品に該当することから、関係都道府県において、当該製品を取り扱う業者等に対し、販売中止、回収等の必要な措置を行っているところである。


別 紙

1. 医薬品成分が検出された強壮用健康食品

No.製品名検出された医薬品成分製品の形状国内発売元備考買上都道府県
1紅蜘蛛シルデナフィルカプセル剤不明セットで販売北海道
クロザピン液体
2威哥王(2007新包装)シルデナフィル錠剤不明12,14,16,26と同一製品北海道
3うたまろチオデナフィルカプセルアトラスコーポレー
ション
 山形県
4藏鞭宝シルデナフィルカプセル不明 岐阜県
5百○偉哥
(○:月生<にくづきに生>)
シルデナフィルカプセル不明 岐阜県
6Power Againチオデナフィル、チオキナピペリフィル錠剤不明23と同一製品愛知県
7ORLチオデナフィル、チオキナピペリフィル錠剤不明 愛知県
8Planetチオデナフィル錠剤不明 愛知県
9I.Oneチオデナフィル、チオキナピペリフィル錠剤不明24と同一製品愛知県
10Proud Extraシルデナフィル、チオデナフィル錠剤不明 愛知県
11威龍シルデナフィルカプセル不明 奈良県
12威哥王三鞭粒シルデナフィル錠剤不明2,14,16,26と同一製品奈良県
13強力性元素ホモシルデナフィル錠剤不明 和歌山県
142007威哥王シルデナフィル錠剤不明2,12,16,26と同一製品(16とは販売店が異なる)和歌山県
15Magic ens coffeeチオデナフィル粉末不明 和歌山県
162007威哥王シルデナフィル錠剤不明2,12,14,26と同一製品(14とは販売店が異なる)和歌山県
17特制 大鉄牛シルデナフィル錠剤不明 和歌山県
18REMAN’s DELAY 
SPRAY
リドカインスプレー不明 山口県
19La mant(ラ・マン)タダラフィルカプセルワタリ薬品工業 香川県
20Arm Strongアミノタダラフィルカプセル(株)フジライフエイ
 高知県
21巨蟻精タダラフィルカプセル不明 福岡県
22皇帝超威龍(サンプル品)シルデナフィル、ヨヒンビンカプセル不明 福岡県
23Power Again
(パワーアゲイン)
チオデナフィル、チオキナピペリフィル錠剤不明6と同一製品福岡県
24I.One(アイ・ワン)チオデナフィル、チオキナピペリフィル錠剤不明9と同一製品福岡県
25金剛噴霧剤 男性至寶リドカインスプレー不明 沖縄県
26威哥王シルデナフィル錠剤不明2,12,14,16と同一製品沖縄県

2. 医薬品成分が検出された痩身用健康食品

該当なし

3. 医薬品成分が検出された違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)

No.製品名検出された医薬品成分製品の種類販売店の種類備考買上都道府県
1MAJIK HERBDPT粉末アダルトショップ指定薬物福岡県

参考資料

(1)強壮用健康食品から検出された医薬品成分について

○  シルデナフィル(sildenafil)

国内ではクエン酸シルデナフィルが医薬品として承認されている。
適応:勃起不全
副作用:頭痛、ほてり、視覚障害等

化学構造式

○  タダラフィル(tadalafil)

国内でタダラフィルが医薬品として承認されている。
適応:勃起不全
副作用:頭痛、潮紅、ほてり、消化不良等

化学構造式

○  チオデナフィル(thiodenafil)

国内外で医薬品としては承認されていないが、シルデナフィルと類似の化
学構造を有する物質であり、類似の作用を有することが考えられ、健康被
害が発生するおそれがある。

化学構造式

○  ホモシルデナフィル(homosildenafil)
○  アミノタダラフィル(aminotadalafil)
○  チオキナピペリフィル(thioquinapiperifil)

国内外で医薬品としては承認されていないが、シルデナフィルと類似の化
学構造を有する物質であり、類似の作用を有することが考えられ、健康被
害が発生するおそれがある。

○  ヨヒンビン(yohimbine)

国内ではヨヒンビンの塩酸塩が医薬品として承認されている。
適応:老衰性陰萎、衰弱性射精、神経衰弱性陰萎等
副作用:発疹、発赤、めまい、発汗、虚脱感等

○  リドカイン(lidocaine)

国内ではリドカインの塩酸塩が医薬品として承認されている。
適応:麻酔等
副作用:血圧降下、不整脈等

○  クロザピン(clozapine)

海外でクロザピンが医薬品として承認されている。
適応:統合失調症
副作用:無顆粒球症、心筋炎、痙攣、高血糖等

(2)違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)から検出された医薬品成分について

違法ドラッグについて

違法ドラッグとは、麻薬等と同様に多幸感、快感等を高めるものとして販売されている製品であるが、乱用者自身の健康被害の発生にとどまらず、麻薬や覚せい剤等の乱用の契機(ゲートウェイ)となることも懸念されるとともに、犯罪等に悪用されるおそれもあるものである。

平成17年2月25日付け厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課長通知「いわゆる「脱法ドラッグ」に対する指導取締りの強化について」において、違法ドラッグについては、使用目的に係る標榜ぶり如何に関わらず、事実上、人体への摂取を目的として販売されていると判断される場合には、薬事法上の無承認無許可医薬品に該当し、取締りの対象になる旨を各都道府県等に通知している。

また、平成19年4月1日には、違法ドラッグ対策を盛り込んだ改正薬事法が施行された。現在、33品目が指定薬物に指定され販売等に関しての規制がなされた。

<検出された医薬品成分>

○  トリプタミン系化合物

・N,N−ジプロピルトリプタミン(DPT)(指定薬物)


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