



北信地域
たけのこ、サバ、たまねぎ、豆腐、卵、味噌
「たけのこ汁」は、根曲がり竹を使った味噌汁で、北信地域と新潟県上越地域で食べられている郷土料理。「根曲がり竹」とは、ちまざさという笹の新芽で、山間部でとれるたけのこのこと。初夏の極わずかな時期にしかとれないため、出回る量が少なく、手に入りにくい希少なたけのこ。多雪地帯特有のもので、アクが少なく味が良いといわれている。一部の地域でははちくを用いることもある。「たけのこ汁」といえば、無くてはならないのがサバの水煮缶。昭和30年代に広まったサバ缶は、海がない長野県では重宝され、以前は高価なものだった。味噌汁にサバを入れるのは地域特有の食べ方で、あっさりとした味噌汁に油とコクが加わり、「たけのこ汁」に欠かせない旨味にもなっている。シンプルにたけのことサバ缶だけでも十分美味しいたけのこ汁になるが、たまねぎ、人参、油揚げ、豆腐、溶き卵などを入れることもある。
根曲がり竹は、5月から6月の初夏に収穫される。アクが少ないので、収穫して直ぐであれば皮を向いてアク抜きせずにゆでて食べることができる。根曲がり竹が出回る時期になると、地元のスーパーマーケットにはサバ缶がずらりと並ぶ。たけのこは、瓶詰めや缶詰にされたものが手軽に購入でき、塩漬けにして保存したものなどを使って一年中楽しめる。
皮をむき、節の硬い部分を切り落としたたけのこを切り鍋に入れ、たまねぎや人参などの具材とサバ缶を加え、水と酒で煮る。たけのこが煮えたら豆腐を加え、味噌を溶く。煮立ち始めたら溶き卵を加える。
たけのことサバ缶だけのシンプルな味噌汁から、具沢山の味噌汁など、地域や家庭によってつくり方は様々。
たけのこは、「一晩おくと山へ帰る」といわれているほど、時間が経つとアクが強くなる。購入したら、その日のうちに調理する。
現在も、各家庭でよくつくられており、親から子へ継承されている。根曲がり竹は、地元の産直や道の駅で手に入れることができる。
レシピ提供元名 : 「未来へつなごう ばあちゃんの味 かあちゃんの味」(飯山市食の風土記編集委員会)
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