ロジスティクスJVCケンウッド・公共産業システム(東京都港区)は、物流業界が直面する「2024年問題」の解決に向け、映像解析技術を駆使したソリューション展開を加速させている。同社が主力として提供する「車両ナンバー認証システム」は、単なる機器販売にとどまらず、長年培った”映像技術”と”現場知見”を融合したシステムとして、トラック待機時間の削減や入退場業務の無人化などの成果を上げている。
プロダクトデザイン部映像ソリューショングループの上條雄樹グループ長に、同社の技術的優位性と今後の展望を聞いた。

▲JVCケンウッド・公共産業システムの上條雄樹グループ長
過酷な現場条件に挑む車両ナンバー認証物流施設における車両ナンバー認証は、一般的な駐車場に比べて格段に難易度が高い。車高の高さ、進入角度のばらつき、ナンバーの汚れ、日照条件など、撮影環境は常に変動する。
上條氏は次のように語る。「従来のアルゴリズムでは、斜めからの撮影や逆光のある環境、暗所での認識に限界があった」

▲車両ナンバー認証システム(出所:JVCケンウッド・公共産業システム)
同社はこの課題に対し、独自のアルゴリズムを有する認識エンジンを活用した解析でアプローチした。ご当地ナンバーや図柄入りナンバーを含め、実環境において97%以上という高い認証率を実現する。
しかし、上條氏が強調する“真の競争力”は、カタログスペックではない。
技術の核は「現場知見」と“すり合わせ”の力「認証精度を最大化するには、カメラの設置角度や設置場所の選定に深い知見が不可欠。他社が容易に真似できる領域ではない」
「JVC」「Victor」ブランド製品を有し、60年以上にわたり業務用映像機器の製造販売を手掛けてきた同社は、
といった、現場に根差した“すり合わせ”の技術を強みにしている。単にカメラを設置するだけでなく、現場環境に合わせてシステム全体を最適化するエンジニアリング力こそが、同社の最大の武器だ。

▲基本構成図(出所:JVCケンウッド・公共産業システム)

同社ソリューションの核心は、本システムを活用した入退場プロセスの完全自動化による「ドライバーの負担ゼロ」である。物流現場では、トラックドライバーの荷待ち時間は平均で1時間34分。労働時間規制の中で大きな課題となっている。そのような中、車両入退場におけるアナログな受付業務は、ドライバーと倉庫作業員の双方に重い負荷を与えてきた。
同社のシステムは、バース予約システムと連携することで車両入退場の省力化に威力を発揮する。具体的な運用フローはこうだ。
これによりドライバーは車から降りて事務所で受付をする必要がなく、施設側は受付の人員省力化も図ることができる。

▲具体的運用の流れ(出所:JVCケンウッド・公共産業システム)
Hacobu(ハコブ、東京都港区)のバース予約システム「MOVO Berth(ムーボ・バース)」と連携した花王豊橋工場(愛知県豊橋市)の事例では、場内トラック運行のスマート化によりトラック入出場管理を無人化。手書きの受付表を廃止し、デジタルデータとして正確な時間を記録することで、荷待ち時間の可視化と短縮を同時に実現し、車両の在場時間を1時間以内に抑制することに貢献した。

▲花王豊橋工場事例(出所:JVCケンウッド・公共産業システム)

新築倉庫の場合は建物の設計段階から関与し、数年がかりでシステムを導入するが、喫緊の課題を抱える既存施設(既築)への導入相談も増えている。
「既設の建物であれば、半年から1年程度で導入・稼働が可能です」
現場調査、画角シミュレーション、配線設計、施工、そして運用テストまでワンストップで提供できる体制が、このスピードを支えている。物流現場の稼働を止めずに、スムーズにシステム移行を行う点にも同社の施工・保守部隊の経験が生きる。
同社の視線は、車両の入退場管理にとどまらない。倉庫内の作業撮影、作業者のログ記録など、持ち前の映像技術を応用し、物流現場全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を見据えている。
「車両ナンバー認証にとどまらず、物流現場の幅広い課題に対応できます」
2024年問題への対応は、単なる法規制の順守ではない。映像データを活用し、サプライチェーン全体の効率化と”ホワイト物流”の実現に貢献する姿勢を明確にしている。
JVCケンウッド・公共産業システムは、確かな技術と現場力で、物流の未来を支えるインフラづくりに挑んでいく。
(出所:JVCケンウッド・公共産業システム)

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