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著者印南敦史
2025.02.26 lastupdate
リーダーになったものの、「なかなか評価されない」という悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。多くの案件を抱え込み、まじめに仕事に取り組んでも評価が得られないのであれば、ストレスを感じてしまったとしても無理はありません。
だからこそ注目したいのは、『仕事が速いリーダー 仕事に追われるリーダーの時間の使い方』(吉田幸弘著、あさ出版)の著者の主張です。そもそもいまは、「仕事を減らす」という思考を強く持って仕事をすることが求められる時代だというのです。
時間に対して高い意識を持ち、その価値を理解して仕事をすることが、リーダーとしてのパフォーマンスを上げることにつながります。
「仕事を減らす」ことで余裕ができるので、部下にとって、会社にとって、必要なタイミングで決裁や緊急な事案に対応することもできます。
心が穏やかにいられるので、物事をフラットに見て判断することもでき、部下の状態にも目を向けることができるので、チームの人間関係も良好です。(「はじめに」より)
とはいえそれは、やみくもに仕事の量を減らすという意味ではないようです。そうではなく、「リーダーが背負わなくてもいい仕事」「リーダーだからこそしなくてもいい仕事」を減らすことこそが重要だというのです。
また、見逃すべきでないのは、「テクニカルスキル」を高めても仕事は速くならないという事実。むしろ「ヒューマンスキル」と「感情のコントロールスキル」を理解してこそ、リーダーならではの時間術が身につくわけです。
そこで本書において著者は、仕事を早く終わらせるリーダーの時間の使い方、心の整え方、集中力の高め方、部下とのコミュニケーション術、生産性の高め方などを紹介しているのです。
きょうは第3章「集中力を高めるタイムコーディネート術」のなかから、2つのポイントを抜き出してみることにしましょう。
仕事に追われるリーダーは集中力が続く限り仕事を続け、
仕事が速いリーダーは90分続けたら強制的に休憩を入れる(82ページより)
たとえば集中して3時間ぶっ続けで仕事をしたりするようなことは、誰にでもあるでしょう。しかし、キリのいいところまで仕事を終わらせてから休憩した場合、「きょうはがんばった」とそこで満足してしまい、次の仕事に取りかかろうという欲求がなくなったりもするものです。そのため再開が難しくなったり、再開できたとしてもペースが落ちてしまったりするわけです。
また、「キリがいい」というのは自分の尺度で決めるものなので、「もっといいものができるのではないか」という考えにとらわれ、「高すぎるもの(完璧)」を追求し続けて終えられなくなることも考えられます。
一方、ここで紹介されている“仕事が速いリーダー”は、どんなに集中していても90分経ったら強制的に休憩をとるようにしているのだそうです。
これは、集中力が持つのが15分の繰り返しであることに起因しています。
仕事によって集中力の違いは出てきます。反復作業を繰り返すような仕事は短時間集中して休むというやり方がいいのですが、クリエイティブな要素が必要な仕事をする人の中には、せっかく乗ってきたと思ったら休憩というのはかえって効率が悪いと考える人もいます。
しかし、休憩せずにぶっ続けで仕事をしていると、気づかぬうちに疲弊してきてしまいます。(84ページより)
つまり、どれだけ集中していたとしても、強制的に90分で休憩を入れるようにするべきなのです。「作業の途中で手を休めたら、落ち着かないし、しっかり休めない」と思われるかもしれませんが、大切なのは手を休めることではなく、脳を休めることであるわけです。
また、時間で管理することによって「締め切り効果」が発生するもの。つまり、「この時間までに仕事を終わらせよう」という気持ちになるのです。しかも、そうすることで仕事の能率をキープできるのですから、仕事を完全に終わらせることよりも、“中途半端な状態で休憩に入る”という選択をしたほうが効率的。
心理学者のブリューマ・ゼイガルニクは、のちに「ツァイガルニク効果」として有名な事象を実験により発見しました。被験者に20の異なるタスクを与え、そのうち半数には中断させ、残りの半数には最後までやってもらったところ、完了したタスクより未完成のタスクのほうが記憶に残りやすいことが証明されたのです。(85ページより)
タスクが中断されると、「完成したい」という欲求が満たされず、ある種の緊張感が生まれることになります。それが執着となって、やる気につながるのでしょう。(82ページより)
仕事に追われるリーダーはモチベーションに頼り、
仕事が速いリーダーは興奮させる仕組みをつくる(92ページより)
人間は感情の生き物であるだけに、モチベーションをないがしろにして行動することは難しいもの。とはいえモチベーションを活用してなにかを成し遂げようとしても、なかなか計画どおりにはいかないものでもあります。
むしろリーダーとしては、モチベーションに関係なく仕事を進められるような仕組みをつくること――「作業興奮」を活用することが重要だと著者。「やってみたら勢いがついてできてしまった」というような気持ちを重視するのです。
たとえば、20ページの会議資料をつくるように指示され「そんなの無理だ」と感じたとしても、「とりあえず最初の1行だけ、最初の1ページだけ」とやってみたところ、思いのほか進めることができたというようなことはあるものです。
最初の1歩を仕組み化し、それだけでいいからやってみる。
メンバーには、まずやらせる。
これがリーダーの仕事です。
なお、リーダーは「メンバーのモチベーション」を上げなくてもいいですが、下げないようにだけ気を遣いましょう。上げることはリーダーだけの力では無理ですが、リーダーが要因で下がることは防止できるからです。(87ページより)
そのためにも、仕事の仕組み化や声かけの方法に気を遣うことは重要。そしてメンバーのモチベーションが下がっている時間はいつなのか、下がりやすい仕事にはどんなものがあるのかなど、特徴を把握しておくことも忘れるべきではないようです。(82ページより)
そもそもプレイヤーとリーダーとでは、仕事がまったく異なるもの。そのため、時間術も違って当然なのです。本書を参考にしながら、リーダーに最適な時間術を身につけ、“仕事に追われ続ける状況”を改善したいところです。
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Source:あさ出版
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