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著者印南敦史
2025.02.25 lastupdate
タイトルからもわかるとおり、『STOIC 人生の教科書ストイシズム』(ブリタニー・ポラット 著、花塚 恵 訳、ダイヤモンド社)の根底にあるのはストイシズム(ストア哲学)。人生においてさまざまな障害に直面してきた著者にとっても、それは重要な意味を持っていたようです。
いったい、それはどのようなものなのでしょうか?
ストイシズムには、人生の意味を見出そうとする人や苦難に耐える人を助けてきた長い歴史がある。
具体的には、「目的」と「意志」を備えた人生にするための手段として2000年以上にわたって試され、その効果が実証されてきた。(中略)
ストイシズムの原則にのっとったストイックな生き方には、自制と内省が必要になる。要は大変なのだ。(「INTRODUCTION 『毎日1つずつ』成長する」より)
ストイックな生き方の恩恵にあずかりたいなら、大切なのは数々の内省を行うこと。そこで本書において著者は、ストイシズムの教えをわかりやすく解説しているのです。
ストイシズムを実践していると、「日々の生活から負の感情が減り、活力を強く実感するようになる」と研究で実証されている。そうしたメリットの享受は私自身も経験ずみで、実践していくうちに私はストイシズムを強く支持するようになった。(「INTRODUCTION 『毎日1つずつ』成長する」より)
著者が「ストイシズムは自分にとっての拠りどころとなり、自身の人生を受け入れ、満足できるようになる」のだと断言しているのは、そうした経験があるからこそ。
その点を踏まえたうえで、PART2「ストイックに生きる」のなかから第2章「受け入れる」をクローズアップしてみたいと思います。
先延ばしほど人生を無駄にするものはない。
先延ばしは、一日がくるごとに人から一日を取り上げ、後からするという約束を盾に、いまを奪い去る。
生きていくことの最大の障害となるのが、明日を頼りにして今日を無駄にする期待だ。
……あなたは何を目指しているのか?
これからやってくることはすべてが不確実だ。
ただちに生きよ!
――セネカ『人生の短さについて』(第9章1)(106ページより)
“いま”という時間にとっての脅威は、ものごとを明日に先延ばしすること。さらにいえば、“明日になればすべてが魔法のようによくなる”と「期待」することはさらなる脅威となる――。著者はそう述べています。
上記のとおり、セネカも「いまという時間は二度とないのだから、立ち向かいたいことや成し遂げたいことにいますぐ取り組むべきだ」と説いています。時間は不確かで頼りにならないけれども、いまこの瞬間に自分がとる行動は頼りにできるのです。(106ページより)
1. 瞬間、瞬間を満喫する一日はどんなものになるか、想像して記述しよう。ものの見方や感情への影響など、あなたの内面でどのようなことが起きるか、具体的に書こう。
2. いま現在、あなたの前にはどんな機会が広がっているか? 今日、つかむと決めた機会を1つ書こう。
(107ページより)
今日、わたしはすべての悩みから抜け出した。
というより、すべての悩みを追い払った。
というのも、それが外ではなく内にあり、わたしの意見のなかにあったのだ。
――マルクス・アウレリウス『自省録』(第9巻13)(108ページより)
マルクス・アウレリウスが教えてくれているのは、“意見を変えればものの見方がすっかり変わる”ということ。そこで、この教えに従って、自分の身に起きたことに対する意見を変えてみてはどうかと著者は提案しています。
そうすれば、腹立たしく思えていた人や状況が腹立たしくなくなり、場合によっては好意的に思えるようにもなるから。それは、相手や状況が変わったのではなく、自分の見方が変わったということです。(108ページより)
1. 人、もの、状況に対する見方が変わったときのことを書こう。それは、相手が変わったからなのか、それとも、あなたが新たな視点を得たからなのか?
2. 大嫌いな人やものを思い浮かべて、その人やものに対する意見を変えられないか考えてみてほしい。その人やものを好きになれたら(せめて嫌いでなくなったら)、あなたの人生はどう変わるだろうか?
(109ページより)
あまり風が吹きつけない木が安定して丈夫に育つことはない。
木は揺らされるからこそ強くなり、しっかりと根を張るようになる。
風のさえぎられた谷で育った木はもろい。
――セネカ『摂理について』(第4章16)(126ページより)
セネカはここで私たちに、「厳しい条件が課されることは理想的ではないかもしれないが、それは新たなスキルの習得や自信の獲得、自分への信頼を生むことにつながる」と教えてくれています。
木と同じで、つらい環境は人間の精神力を鍛え、やり抜く力やレジリエンスを育むということ。逆境に対する受け止め方を変えれば、人生も変わるのです。(126ページより)
1. あなたが過去に出合った大きな困難を1つ選び、その困難においてもっともつらかった問題をあげる。次に、その問題についての受け止め方を変えてみよう。その問題に出合ったおかげで、鍛えられたと思える部分はないか? 過去に戻れるとしたら、その問題に出合わない道を選びたいと思うか?
2. 自分を木に見立てた場合、根や枝は丈夫だと思うか? 丈夫にせよ、丈夫でないにせよ、何が原因でそうなったのか? 逆境にあっても耐えられるか? 強くしたいと思っているもろい部分はあるか?
(109ページより)
自分が望んでいることについてじっくりと考え、望みに従って“どう生きるか”を決められるのは自分だけ。「平静」な心で「目的」を携えて生きていけるか否かは、自分の内面にかかっている――。そうした考え方に基づく本書は、限られた人生をよりよく生きるための指針となってくれることでしょう
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Source:ダイヤモンド社
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