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  4. Google マップの「イマーシブビュー」はナビゲーションの未来。『仮想空間』で何ができる?

Google マップの「イマーシブビュー」はナビゲーションの未来。『仮想空間』で何ができる?

著者Make Use Of [原文]翻訳風見隆(ガリレオ)

Image: MakeUseOf
Image: MakeUseOf
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冒険好きのオートバイ乗りとして、私はナビアプリに多くのことを求めています。

そのため、完璧なソリューションを求めて主要なサービスを一通り試してきましたが、どれもそれぞれに、独自の強みがあることがわかりました。

たとえば、直観的な操作性と強化されたプライバシー保護機能が魅力のMagic Earth、オフラインマップ機能が充実したSygic、そしてリアルタイム交通情報が便利なWaze、といったところです。

ですが、機能の豊富さという点では、Google マップが抜きんでた存在と言えます。

中でも見逃されがちな新機能が「イマーシブビュー」です。これは、ここ数年で同プラットフォームに追加された中でも、もっともすばらしい機能の1つです。

イマーシブビューとは?

イマーシブビューで見たゴールデンゲートブリッジ
Image: MakeUseOf

2023年から段階的に展開されたイマーシブビューは、AI、ストリートビューの画像、衛星データを融合して、都市やルートの詳細な3D視覚化を実現します。

世界を多次元的にデジタルコピーした模型のようなもので、街並みを滑るように移動したり、ランドマークをざっと見たり、1日のさまざまな時間で目的地を眺めたり、さらには天候の様子まで確認したりできます

この機能の対応エリアであれば、ロンドン、シカゴ、東京といった都市を、ダイナミックな光の変化、流れる往来、シミュレートされた天候を伴うリアルに再現された仮想空間で巡ることが可能。

たとえば、ゴールデンゲートブリッジが夕暮れ時にどのように見えるかを知りたい場合、イマーシブビューで東を向けば、湾を横切る光が薄れ、橋の細長い影が水面に伸びる様子を再現できるのです。また、予測される気象データを活用して、想定される雲の厚さまで反映してくれます。

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旅行前の詳細な下見や、アクセシビリティの把握などに活躍

エンパイアステートビルを見る
Image: MakeUseOf

Google マップのイマーシブビューを、ストリートビューと連携させて使用することで、単なるルート確認ではなく「体験」そのものを計画できます

実際に足を運ぶ前に、ランドマークや会場、レストラン、さらには地域全体をバーチャルツアーのように巡ることができるのです。

自宅の近所でも、ランニングのルートを計画したり、用事を済ませるのに最適な条件を確認したりできます。

イマーシブビューは、安心感も与えてくれます

たとえば、出発前にルートや周囲の状況を把握したり、安全を確保したり、地図上ではわかりにくい暗い路地で道を間違えないようにしたりできるのです。初めての場所でも、照明、地形、交通状況を事前に確認できるので、自信を持って出かけられるでしょう

とりわけ、移動に支援が必要な方にとっては、イマーシブビューは計り知れない価値があります。勾配、歩道、出入口、便利な駐車スペース、段差など、静止した地図では決して表現できない形で、物理的な環境を可視化します。

さらに、ベビーカーを使用する人、自転車に乗る人、アクセシビリティや駐車場を確認したい人、あるいは単に新しい場所の雰囲気を確認したい人にとっても、画期的なツールとなるでしょう。

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結局、「気晴らし」に過ぎない?

イマーシブビューは世界の主要都市や有名スポットの一部にしか対応していない
Image: MakeUseOf

イマーシブビューを、「見た目だけで中身がない」と切り捨てる声もあります。求められてもいず、必要でもない技術がまた1つ増えただけだと。

結局は、位置情報や移動データをGoogleが収集するための新たな仕掛けなのでは、といった懸念もあるでしょう。

また、利用できる地域が限られているという問題もあります。イマーシブビューは、世界の主要都市や有名スポットの一部にしか対応していません。

この機能を利用するには、検索する場所に「イマーシブビュー」のカードが表示されている必要があります

エッフェル塔からラテン地区を通ってルーブル美術館まで歩きながら周囲の環境を確認したい場合にはすばらしい機能ですが、深夜3時のプノンペン中心街を確認したい場合はお手上げです。

さらに、イマーシブビュー・モードではデータ消費量が非常に大きくなるため、数分使うだけで端末が熱くなります

通常は、Google マップの標準インターフェースで十分でしょう。最寄りの地下鉄駅までの行き方を調べたり、目的地を入力して移動したりできるのなら、わざわざ仮想のロンドンを飛び回る必要はありません。その意味では、イマーシブビューは「おまけ的」な存在です。

ですが、思い出してほしいのは、これは無料の追加機能であり、包括的なパッケージの一部に過ぎない、ということです。

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高度な3Dマッピング技術は、氷山の一角かもしれない

イマーシブビューが描く拡張現実へのより大きな構想
Image: MakeUseOf

イマーシブビューは、従来のGoogle マップ体験を置き換えるものではなく、拡張するためのものです

衛星写真ビューから3Dマップに至るまで、マッピング技術のあらゆる重要な進化は、過剰とも見なせるものでした。ですが今や、日常生活や多くの業界で欠かせない存在になっています。

イマーシブビューもそれと同じだと私は思っています。美しい映像を見せること以上に、空間と移動の理解を深めようとする試みなのです。

イマーシブビューは、Googleが描く拡張現実(AR)への、より大きな構想を垣間見せてくれます。生成AI、予測モデリング、高度な3Dデータ統合が融合し、デジタルと現実のナビゲーションが一体化する「未来の地図」の基盤を築いています。

その可能性は計り知れません。イマーシブビューの基盤技術は、都市のプレビューを超えて、旅行体験の改善だけでなく、大規模な環境シミュレーションの作成、都市計画の支援、新たなデジタル観光の創出などにも応用できるでしょう。

ナビゲーションの未来はすでにはじまっている

イマーシブビューは、単なるGoogle マップの新機能ではありません。これは、マッピングの次なるステップであり、周囲の環境をより詳細に探索し、遠隔地の環境を多角的な視点からより良く理解する手段です

ある場所に関して、より鮮明なイメージを持って探求し想像することを可能にし、より深い計画を立てるよう促します。

大都市や名所への旅行を計画する際には、私は必ずイマーシブビューで検索します。立体的に表示された街を上空から見渡す視点を使うと、その構造を瞬時に把握できるからです。私はこれを、ナビゲーションの未来だと考えています。

これは、単にA地点からB地点へ移動するだけでなく、その間のあらゆる事柄に関するより深い理解が得られるようなナビゲーションなのです

ジャック・ミッチェル

2024年6月より『MakeUseOf』に参加。エンターテインメントおよび関連テクノロジーを専門分野とする。 2010年から執筆活動を開始し、『SlashGear』『BestReviews』『Ezvid Wiki』といった定評あるオンラインメディアにて数多くの記事やレビューを発表。「読者にインスピレーションを与え、知見を広げるような魅力的なコンテンツ作り」に情熱を注いでいる。その活動範囲は広く、南米、ヨーロッパ、南アジア、東アジアなど世界各地を歴訪しており、グローバルな旅の経験が現在の執筆スタイルにも色濃く反映されている。大学では音楽テクノロジーの学士号(BA)を取得。その背景から、特に音楽ハードウェア、制作ソフトウェア、ストリーミングサービスといった同分野の最新トレンドに強い関心を持つ。オフの時間は、愛車のバイクで遠方へのツーリングに出かけたり、ギターを演奏したりして過ごすのが日課。また、Mac愛用者でもあり、「Logic Pro」での楽曲制作や「Final Cut Pro」を使ったVlog制作など、クリエイティブな趣味を楽しんでいる。

Original Article:You’re ignoring Google Maps’ best new feature by MakeUseOf

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