マックのAI生成広告に「魂が感じられない」と批判殺到➡︎取り下げに。制作側は「7週間ほとんど眠らず...」と擁護【オランダ】

AI生成の質だけでなく、メッセージの内容にも批判が寄せられている。一体どんな広告だったのかーー。
マクドナルド・オランダのAI生成されたCMが物議を醸している
マクドナルド・オランダのAI生成されたCMが物議を醸している
Vera Tikhonova via Getty Images

オランダのマクドナルドは、生成AIを使用した最新のクリスマス広告に多くの批判や嘲笑が寄せられたことを受け、同広告を取り下げた。

SNSでは、「これほど魂がなく不誠実な作品を見た記憶はない」と投稿する人も...。いったいどんな内容だったのか。

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45秒の広告は、アンディ・ウィリアムスさんのクリスマスの名曲「It’s the Most Wonderful Time of the Year」をもじり、「It’s the most terrible time of the year(1年で最悪な時期)」に変えた歌に合わせ、雪道で滑ったり料理が焦げたりするなど、クリスマスのカオスに苦しむ人々をAIで生成した映像が続く。

最後には、「だからあなたは、喧騒やライト、お祝いムードから逃れて、1月が来るまでマクドナルドに隠れる」と歌う音楽とともに、AI生成された男性がマクドナルドに入っていく様子が映し出される。

あるXユーザーは、「AIのクオリティの悪さを抜きにしても、この広告は『クリスマスなんてクソだ、家族なんてクソだ、代わりにマクドナルドを食え』と言っている」と批判した。

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一方、オランダのTBWA\Neboko社とともにこの広告を手がけたThe Sweetshop社は、作品を擁護している。

テック系ニュースサイトFuturismに引用された声明によると、「7週間の間、最大10人の社内AIおよびポストプロダクションスタッフは、ほとんど眠らず、監督たちとともに当社のAIエンジン『The Gardening Club』で作業した」という。

CEOのメラニー・ブリッジ氏は声明の中で、「私たちは、何千テイクもの『シーン』を生成し、質の高いプロダクションがするようにそれらを編集していきました」「これはAIのトリックではなく、映画です」と述べたという。

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また、「私はこの広告を”斬新なもの”や“季節的なちょっとした実験”とは見ていません」と続け、「技巧とテクノロジーが意図をもって融合すれば、本当にシネマティックな作品が生まれます。だからこの映画はAIが作ったのではなく、私たちが作ったのです」と語ったという。

しかしネットでは、「AIの話の中で“プロンプトを書く”という言葉を、芸術的な誇りのように使う人がいることに本当に胸が痛む」「企業は、最小の労力でどれだけ多くの人を怒らせることができるのか競争をしている」など、この反論にも揶揄するが寄せられた。

マクドナルド・オランダの広報担当者はハフポストUS版に対し、現在YouTubeから削除されているこの広告について「オランダでクリスマス時期にストレスになる様々な瞬間を表現する意図だった」と述べた上で、こう続けた。

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「しかし、私たちの多くのお客様にとって、この季節は“1年で最高の時期”であることを理解しています。私たちはその感情を尊重し、すべての人に良い時間と良い食事を提供する体験づくりに引き続き取り組んでいきます」

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

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