「フラッシュメモリの容量はそろそろ限界の壁を打つ」

この不吉な発言の主は、米サンディスクのエリ・ハラリ創業者兼CEO。
初代フラッシュメモリー(コンピュータの電源を切っても情報が記憶できるもの)を出荷した1990年から、同社のフラッシュメモリーチップは14年で容量が19回倍になり今や最大容量640億bitなんですけど、「電子の限界を越えつつある」とNYタイムズに語ってます。
情報を記憶するセルに詰め込む電子の数が、「最初はセル当たり約100万だったのに今は数百個」で、さすがに「1個未満には落とせない」ので限界は自ずからくるそうな。チップが古くなる(例えば7年)に従い精度が落ちる問題もあるし。
というわけで、チップ容量を2倍に増やせるのは、あとせいぜい2回が限界。業界が今の640億bitから2560億bit(32GB)に達したら、それで天井を打ってしまうんだそうです。
あとは?
「マンハッタンに土地がなくなった時、彼らは高層ビルを建てた。われわれも同じですよ」(同氏)同社が4年前に買収したMatrix Semiconductorがやろうとしてたのがまさにそれで、このフラッシュメモリーの3D研究の動きは他社にもあります。サンディスクは現状、なんとか4層か8層に積み上げられるところまできたんですが、なんせ書き込みは1回しかできないので、DVDやソフト配布には使えても、カメラなんかの使用には不向き。まだまだ改善が必要みたいですねー。
新素材でも出ない限り、ムーアの法則も永遠ではないようでございます。
[Bits]
matt buchanan(原文/訳:satomi)
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