
現在、65歳以上の4分の1が認知症とその予備軍と言われている。
80歳を超えた今も、認知症の根本治療薬の研究や開発に携わる薬学者で脳科学者の杉本八郎さんは、脳細胞が元気であれば認知症の予防につながるとし、脳細胞を元気にするには「脳の血流を良くすること」だという。
最新の科学的根拠にもとづいた食事・運動習慣と生き方や考え方のヒントをまとめた、著書『82歳の認知症研究の第一人者が毎日していること』(扶桑社新書)から、3つの認知症の原因と予防のカギを一部抜粋・再編集して紹介する。
3つの認知症の原因は?
原因を取り除けば認知症の9割は予防できるアルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症という三大認知症が全体の9割を占めるという話をしましたが、それはつまり、この3つの認知症になる原因を取り除けば認知症の9割は予防できる、ということでもあります。
そこで予防法を考える前に、これら3つの認知症の原因を簡単におさらいしておきましょう。

■アルツハイマー型認知症の原因
→アミロイドβやリン酸化タウが溜まることで細胞毒性を示すようになり、神経細胞がダメージを受けて活性が落ちたり、数が減ったりすること
■血管性認知症の原因
→脳の血管が詰まったり破れたりする脳梗塞や脳出血、くも膜下出血によってその周辺の脳細胞に酸素が送られなくなって神経細胞が死んでしまうこと
■レビー小体型認知症の原因
→α-シヌクレインが蓄積して細胞毒性を示す「レビー小体」が形成され、神経細胞が壊されること
こうやってまとめてみるとよくわかると思いますが、これらの認知症はすべて、何らかの原因で脳の神経細胞の活性が落ちたり、その数が減ってしまい、神経細胞同士の情報伝達がうまくいかなくなることで引き起こされます。
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