
フィールドバス性能の性能が高すぎることによる弊害はありません。遅い制御環境を使用するより、反応時間の改善、設定作業時間の短縮につながります。さらに反応時間の改善は、遷移状態の待ち時間を短縮し(例えば、次のプロセス段階が開始されるまでの入力信号の待ち時間)、アプリケーションの性能向上になります。もし性能向上に関心がない場合でもEtherCATには別の利点があります。例えば、低コスト、柔軟なトポロジーや使いやすさなどです。高コストであるのに低速なシステムを使う理由があるでしょうか?
いくつかの理由があります。Subデバイスコントローラーが低コストなので、Subデバイスのコストも低くなります。特別なMainデバイス用のインタフェースカードは不要であり、オンボードのイーサネットコントローラーがあれば十分です。スイッチやハブが不要であり、インフラのコストを削減できます。標準のケーブルを使用できます。実装が簡単であり、実装コストを削減できます。自動設定をサポートし、手動設定、ネットワークのトンネル化が不要で、設定コストを削減できます。
いいえ。全ての産業用リアルタイムイーサネットのように、あるデバイス(Mainデバイス)はネットワーク管理とメディアアクセスコントロールを担当します。EtherCATはSubデバイス間通信を2種類の方法でサポートします。1つの通信サイクル内で行うトポロジに依存する方法(上流側のデバイスが下流側のデバイスに送信する場合)と、2サイクルで行うトポロジに依存しない方法です。EtherCATは競合する技術と比べ極めて高速であるため、2サイクルを使用するSubデバイス間通信でも他の技術より高速です。
コンフォーマンスとインターオペラビリティは通信技術を成功に導くにあたり非常に重要な要素となります。このためEtherCAT Technology Groupはこの項目を極めて重要であると考えています。まず、仕様による技術実装のコンフォーマンスが必須要件であり、インターオペラビリティはその次になります。インターオペラビリティとはマルチベンダーのデバイスが同じネットワークアプリケーションで協調動作をすることを意味しています。
インターオペラビリティを確実なものにするために、コンフォーマンステストツール (CTT) は必須となっています。さらに、EtherCATコンフォーマンステストセンタ (ETC) を世界各地に設置しています。公式ETCのEtherCATコンフォーマンステストに合格したデバイスにはコンフォーマンス合格認定書が発行されます。
デバイスのコンフォーマンスと認定証 (Certificate) に関する詳細は「コンフォーマンス」セクションの以下の項目をご参照下さい:
コンフォーマンスとインターオペラビリティ
いいえ。しかし、御社がEtherCATへの関心を持ち、ベンダーやユーザにこの技術へのサポートを表明するためにETGに参加したいと思われることもあるかもしれません。メンバーになればETGの会議への出席の案内が送付されます。また、技術情報、仕様、プレゼンテーションも入手できます。作業部会 (Working Group) で技術動向への議論にも参加できます。
EtherCATデバイスを御社の装置や装置システムに実装したい場合は、エンドユーザに相当しますのでETGに参加する必要はありませんが、ETGメンバーになることを推奨します (2.1/2.4を参照)。EtherCATデバイスを設計・製造する場合はETGに参加し、EtherCATのVendor IDを取得する必要があります。EtherCAT Vendor IDポリシーの詳細については以下のダウンロードセクションを参照してください (メンバーログインが必要です):
EtherCAT Vendor ID ポリシー なお、メンバーシップは無償です (2.5/2.6を参照)。
メンバーシップの申込は、ETG本部info@ethercat.org. 宛にその旨をメールでご連絡下さい。メンバーシップの要件や申込書などの必要な情報を返信いたします。ETGのメンバーになる前に以下の会員規約をお読み下さい。
ETG By-Laws
ETGメンバーはETGメンバーを対象とした技術サポート、EtherCAT仕様書・ガイドライン・無料のSubデバイススタックコード、その他のサポートツールや技術やイベント情報を入手できます。
また、技術委員会 (Technical Committee; TC) や技術作業部会 (Technical Working Group; TWG) などの仕様に対する議論と検討を行うETGの会議へ参加できます。ETGメンバーはEtherCATトレーニングクラスや開発ワークショップに参加する資格が与えられます。さらに、ETGメンバーは世界の各地で開催しているセミナーシリーズに協賛パートナーとして参加したり、EtherCATウェブサイトや主要な世界規模の展示会においてETGブースにて製品のプロモーションを行えます。
ETGメンバーの特典
オープンな技術へのアクセスには年間メンバーシップ費用やその他のコストは問題になりません。ETGメンバーシップは会費が無償であるだけでなく、ETGメンバーへはプロトコルスタック、サンプルコード、評価キット、実装サポートやその他のサービスは、無償か妥当な費用で提供されています。
現時点で、ETGメンバーシップを有償にする予定はありません。将来、(例えば、ETGから提供する付加的なサービスのために)メンバーシップ費用を課する必要が出てきた場合はメンバー総会 (membership assembly) で議論する必要があります。
EtherCAT技術は、ETGの会議においてその詳細が公開され検討されます。メンバーは、是非、技術作業部会やタスクフォースに参加してください。いつでも意見を述べたり、仕様の拡張や変更を提案できます。全作業部会(Working Group; WG) の一覧がメンバーエリア内の以下のページにあります (ログインが必要です):
ETG Technical Working Groupsユーザ、OEMベンダ、システムインテグレータやデバイスメーカからのフィードバックやご意見は、常に有益であり、歓迎するとともに改善に役立ちます。この仕組みが極めて効果的であることはETGの今までの軌跡が物語っています。この技術のユーザと開発者間の直接的な交流によってノウハウや技術の情報交換が可能となります。各メンバーがどのようにETGに参加しているかは次のリンクを参照してください:ETG の組織
ETGはドイツにおける組合や政党とほぼ同じ「非登録団体」(nicht eingetragener Verein) となります。これはドイツ国内法で法人とされています。By-lawsによるとETGはいかなる製品の販売もしないため、ETGは非営利団体となります。この場合、構成メンバーは団体内の資産の割合を上限とした責任だけが発生しますが、ETGには資産はなく、事実上責任は存在しません。
これは、誰でもがこの技術を使用し、実装し、恩恵を受けられることを意味します。また、EtherCATの各実装間には互換性があり、何者も他者が使用できないようにする変更をこの技術に加えてはならないことも意味しています。EtherCATは複数の国際規格 (IEC61158, IEC 61784, IEC 61800, ISO 15745) で標準化されており、SEMI標準 (E54.20) にもなっています。
はい。EtherCAT技術は、その他のフィールドバス技術と同様に、特許にする意義のある技術については特許を取得しています。一般的に、固有の機能を提供する技術には特許や、複製や改ざんから保護するためのライセンスが必要です。
EtherCAT Mainデバイスを実装するには無料のライセンスが必要であり、仕様準拠を要求する契約を行います。この目的はライセンス無料の維持と法的な裏付けのためです。SubデバイスについてはEtherCATはCANライセンスモデルを適用しています(CANは特許で保護されたオープンな標準化技術の優れた事例です)。少額のライセンス費用がEtherCATスレーブコントローラ (ESC) チップに「組み込まれて」います。このため,ESCベンダーはライセンスが必要になりますが,デバイスメーカー、エンドユーザー、システムインテグレーターやツールメーカーなどは追加のライセンス費用を支払う必要はありません。
EtherCAT 技術自体はオープンソースではありません。IEC、ISOやSEMI によってEtherCATが標準化されているので EtherCAT の技術情報へのアクセスは誰でも非差別的条件で可能です。Mainデバイスライセンスの使用料は無料です。この技術のメンテナンスやその他全ての技術開発はEtherCAT技術のユーザグループであるETGのメンバーシップのもとで全てのユーザが可能です。共用ソースまたはオープンソースシステムと併せたEtherCAT の実装または利用に関しての質問がある場合は、ETG 本部または EtherCAT 技術のライセンサーである Beckhoff にご連絡ください。
はい。EtherCAT Subデバイスコントローラ (ESC) の実装はASIX Electronics, Beckhoff, Hilscher, HMSインダストリアルネットワークス, Infinion, Innovasic, Microchip, Profichip, Texas Instruments, Trinamics, Renesasの他 IntelやXilinxもあります。
EtherCAT Subデバイスコントローラの概要はダウンロードページから入手できます。
EtherCAT Subデバイスコントローラの概要
最善は、Subデバイス実装ガイドを参照することです。この文書は、ダウンロードセクションの以下の項目を参照してください:
EtherCAT SubDevice Implementation Guideこの文書では、Subデバイス実装の最初のステップに参考となる開発ハードウェアとソフトウェア、ワークショップとトレーニング、コンフォーマンスをステップバイステップの手順を紹介しています。EtherCAT Subデバイススタックは複数のメーカから提供されています。ベッコフはSubデバイススタックコード(SSC) を全ETGメンバーに対して無料でソースコードを含めて提供しています。EtherCAT Subデバイス実装(評価)キットも複数メーカから供給されています。Subデバイス実装(評価)キットの詳細についてはETGウェブ内の製品ガイドをご覧ください:
EtherCAT製品ガイド > 開発支援ツール > Subデバイス評価キット
Mainデバイスに特別なハードウェアは必要ありません。どのイーサネットMACも使用可能です。EtherCATに必要なリソースは低く、専用の通信プロセッサも不要です。Mainデバイスコードは、無償のオープンソースプロジェクトによるRTOSまで含んだ製品のサンプルコードパッケージなどもあり、複数の供給元から提供されています。実装サービスも複数の供給元から提供されています。
ご希望のMainデバイスコードは、EtherCATプロダクトセクションの以下の項目をご参照下さい:
EtherCAT製品ガイド > 開発支援ツール > Mainデバイススタック
EtherCAT Subデバイスコントローラ (ESC) チップをESCサプライヤから購入すると、EtherCATライセンスはチップに組み込まれています。ESCの価格にライセンス費用が含まれているので追加のライセンス費用は必要ありません。
FPGAを半導体販売会社より購入した場合、EtherCATのコードはまだロードされていません。EtherCAT IPコアライセンスは IntelやXilinxのFPGA向けに提供されています。1回のライセンス費用の支払いで上限数無くEtherCAT Subデバイスを製造できるライセンスがあります。また、台数ベースのライセンスの用意もあります。
いいえ。公式EtherCATテストセンター (ETC) のコンフォーマンステストの実施はオプションです。 しかしながら、ユーザーによってはコンフォーマンス合格認定書が必要になることがあります。合格認定書はETCのテスト合格後にのみ発行されます。ETCで受験しない場合は公式のコンフォーマンステストツール (CTT) を自社の開発部門で実行し、コンフォーマンスを保証しなければなりまん。
CTTは一年毎の自動サブスクリプションライセンスです。コンフォーマンスに関する詳細は以下の項目を参照してください:コンフォーマンスとインターオペラビリティ
EtherCAT Vendor IDはベンダーを識別するためのベンダー固有の番号であり、EtherCAT Technology Groupが一意に割り当てます。Product Codeと一緒にEtherCATデバイスのIdentityオブジェクト内に記録します。
Vendor IDに関するトピックは以下の項目を参照してください:
EtherCAT Vendor ID
EtherCATの各ベンダーはそれ自身のVendor IDを使用いただくことを推奨しています。関連会社との関係によっては共有できる場合もありますのでETG本部までご相談ください。
いいえ。開発サポートメーカはEtherCAT通信インタフェースをセカンダリベンダIDで出荷します。これを購入し、機器に組み込む場合、EtherCATネットワーク内でデバイスのメーカを識別するためには必ずメーカごとに発行された固有のベンダIDに書き換えなければなりません。
これはオリジナルのVendor IDから導き出すことのできるVendor IDであり、通信インタフェースデバイスのオリジナルのベンダーを識別できるようにしたものです。このVendor IDはコンフォーマンステスト上は無効になります。
EtherCATデバイスに対するVendor IDが必要です。しかしながら、EtherCAT Vendor IDの申込時に同じ番号の取得を依頼することができます。ただし、その番号が未使用で、御社のEtherCAT Vendor IDとして割り当て可能である場合に限ります。
割り当て済のEtherCAT Vendor IDの一覧は以下の項目を参照してください:EtherCAT Vendor ID 一覧
以下のEtherCATウェブサイト内のメンバーセクションをご訪問下さい:EtherCAT Vendor ID オンライン申込書
いいえ。Safety over EtherCATはブラックチャネルアプローチで実装されています。標準通信インタフェースへの機能安全に関する依存性はありません。コントローラ、ASIC、リンクやカプラなどの様な通信インタフェースは変更せずそのまま使用できます。
2個のマイクロコントローラでSIL 3対応のセーフティデバイスを実装するのが一般的です。しかし、これはSafety over EtherCAT仕様で要求しているものではありません。安全プロトコルの実装には以下の要件を満たさなければなりません。
- IEC 61508 および IEC 61784-3 に完全準拠
- FSoE プロトコル仕様に完全準拠
- 安全度水準 (SIL) および製品固有の要件に完全準拠
はい。2005年の当初以来、Safety over EtherCATはオープンで、使用するバスシステムには依存していません。通信経路は任意であり、EtherCAT、他のフィールドバスシステム、イーサネットや他の同様な経路、光ファイバ、銅線ケーブルに加え、ワイヤレス通信も可能です。通信経路内のバスカプラやその他のデバイスに対する制限や要件はありません。
はい。ETGには認証済みのFSoEプロトコルスタックやセーフティ機器の開発サービスを提供しているメンバーがいます。Safety over EtherCAT仕様は極めてコンパクトであり、プロトコルステートマシンは明確に定義されています。経験的に、その実装は非常に短期間で行え、既存のソフトウェアアーキテクチャから変更できない認証済みスタックを使用するよりも短期間で行える場合があります。
はい。Safety over EtherCATデバイスに対し、Safety over EtherCATテストケース仕様があり、それはTÜV SÜD Railによって認証されています。Safety over EtherCAT Subインスタンスに対してはそれらのテストケースはEtherCATコンフォーマンステストツール (CTT) 上で提供され、テストは自動的に実行されます。一般的にMainインスタンススタックの自動化テストは、Mainインスタンスの設定が柔軟なため極めて複雑となります。このため、Mainインスタンスの認証には対応するテストケース仕様を使用します。
Safety over EtherCAT Policy ETG.9100にデバイス認証に必要な全てのテスト手順を含んでいます。
はい。Safety over EtherCAT技術を使用したデバイスの開発にはアセスメントがあります。デバイスの認証には、合格したEMCレポート、Safety over EtherCATコンフォーマンス認証とIEC 61508に基づく全セーフティライフサイクル過程の認証または適切な製品規格が含まれます。アセスメントは公認機関が行います。
FSoEスレーブデバイス場合、「はい」が回答になります。
EtherCATスレーブデバイスでは、FSoEデバイスの認証のために公式EtherCATテストセンターのテストの加え、追加のテストを受検しなければなりません。FSoEコンフォーマンステストの前提条件として、FSoEデバイスの有効なEtherCATコンフォーマンス認定書が必要です。
FSoEテストセンターで実施する全てのテストは、仕様書で公開されていますので予め自己テストを行ってください。
Safety over EtherCATロゴはETG本部から入手できます。Safety over EtherCATロゴはETGが発行しているETG.9001 EtherCAT Marking Ruleに従って使用しなければなりません。
EtherCATネットワーク内に市販のSafety over EtherCATデバイスを接続して動作させるだけであれば、Mainデバイス側にセーフティ関連の実装は必要ありません。EtherCAT SubデバイスインタフェースをもったFSoE Mainインスタンスがあり、セーフティPLCとして使用できます。
EtherCAT Mainインスタンスに必要な機能は、Subデバイス間通信だけであり、この機能によりFSoE MainインスタンスとFSoE Subインスタンスとの間のセーフティデータグラムをルーティングします。
いいえ。ライセンス無しに既製のSafety-over-EtherCATデバイスを使用できます。
ただし、構築したシステムの安全度水準 (SIL) や性能レベル (PL) については留意してください。関連する規格 (IEC 62061, ISO 13849) や製品規格および、国内や国際的な法律要件 (例: 機械指令, OSHA, ULなど) などのその他の関連する規格への準拠も満足する必要があります。