水道水質基準について
水道水質基準について
水道法第4条に基づく水質基準は、水質基準に関する省令(平成15年5月30日厚生労働省令第101号)により、定められています。
水道水は、水質基準に適合するものでなければならず、水道法により、水道事業体等に検査の義務が課されています。
水質基準以外にも、水質管理上留意すべき項目を水質管理目標設定項目、毒性評価が定まらない物質や、水道水中での検出実態が明らかでない項目を要検討項目と位置づけ、
必要な情報・知見の収集に努めています。水道事業者は、水質基準項目等の検査について、水質検査計画を策定し、需要者に情報提供することとなっています。
水道水質基準の改正経緯
●水道水質基準の制定(平成15年)
現在の水道水質基準は、平成15年に大幅な改正が行われ制定されたものです。
平成4年の水質基準の大幅な改正から約10年が経過し、
(1) 消毒副生成物に関してはトリハロメタン類以外にもハロ酢酸等の問題や新たな化学物質による問題が提起されていること。
(2) クリプトスポリジウム等の耐塩素性病原性微生物の問題が提起されていること。
(3) 世界保健機関(WHO)においても、飲料水水質ガイドラインを10年ぶりに全面的に改定すべく作業が進められていること。
(4) 規制改革や公益法人改革の流れの中、水質検査についての見直しなど水道水質管理の分野においても、より合理的かつ効率的なあり方を検討すべきことが求められていること。
等の社会的、科学的状況を踏まえ、平成14年7月24日に厚生科学審議会あて厚生労働大臣より水質基準の見直し等について諮問がなされました。 厚生科学審議会から平成15年4月28日に答申があり、これを踏まえ厚生労働省として水質基準等に係る制度の制定・改正を行いました。
- 厚生科学審議会の審議経過・資料等
- 水質基準の見直し等について(答申)
- 水質基準等に係る制度(平成15年)
- 水質基準及び水質検査方法等について
- 簡易専用水道の管理について
水道水質基準の逐次改正
平成15年に水質基準として、50項目が設定されましたが、厚生科学審議会答申において、常に最新の科学的知見に照らして改正していくべきとの考えから、必要な知見の収集等を実施し、逐次検討を進めています。
改正時期 | 改正内容 | 改正内容 |
平成20年4月1日施行 | ○水質基準: 塩素酸を水質基準に追加。基準値を0.6mg/Lとする。 ○水質管理目標設定項目: 従属栄養細菌、フィプロニル(農薬類の中の1項目として)を追加。 | 厚生科学審議会生活環境水道部会(平成18年8月4日、平成19年10月26日)において審議されました。 |
平成21年4月1日施行 | ○水質基準:
○水質管理目標設定項目:
| 厚生科学審議会生活環境水道部会(平成19年10月26日、平成20年12月16日)において審議されました。 |
平成22年4月1日施行 | ○水質基準: 「カドミウム及びその化合物」に係る水質基準を0.003mg/L以下に強化する。 ○水質管理目標設定項目:
| 厚生科学審議会生活環境水道部会(平成20年12月16日、平成22年2月2日)において審議されました。 |
平成23年4月1日施行 | ○水質基準: 「トリクロロエチレン」に係る水質基準を0.01mg/L以下に強化する。 ○水質管理目標設定項目:
| 厚生科学審議会生活環境水道部会(平成22年2月2日、平成22年12月21日)において審議されました。 |
平成25年4月1日適用 | ○水質管理目標設定項目:
| 厚生科学審議会生活環境水道部会(平成25年3月19日)において審議されました。 |
平成26年4月1日施行 | ○水質基準: 亜硝酸態窒素を水質基準に追加。基準値を0.04mg/Lとする。 ○水質管理目標設定項目:
| 厚生科学審議会生活環境水道部会(平成26年1月14日)において審議されました。 |
平成27年4月1日施行 | ○水質基準: ・「ジクロロ酢酸」に係る水質基準を0.03mg/L以下に強化する。 ・「トリクロロ酢酸」に係る水質基準を0.03mg/L以下に強化する。 ○水質管理目標設定項目 ・「フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)」の目標値の変更 ・農薬類の対象リスト中、「1,3-ジクロロプロペン」、「オキシン銅」の目標値の見直し | 厚生科学審議会生活環境水道部会(平成27年2月5日)において審議されました。 |
平成28年4月1日適用 | ○水質管理目標設定項目 ・農薬類の対象リスト中、「アシュラム」、「ジクロベニル」、「ダイアジノン」、「トリシクラゾール」、「フェニトロチオン」、「マラチオン」の目標値の見直し | 厚生科学審議会生活環境水道部会(平成28年2月17日)において審議されました。 資料等についてはこちら |
平成29年4月1日適用 | ○水質管理目標設定項目 ・農薬類の対象リスト中、「ピロキロン」、「ベンゾフェナップ」の目標値の見直し ・「ダゾメット」、「メタム(カーバム)」と、要検討農薬類「メチルイソチオシアネート(MITC)」を統合して、対象リストの「ダゾメット、メタム(カーバム)及びメチルイソチオシアネート」とし、目標値を見直し ・対象リストに「テフリルトリオン」を追加 詳細はこちら (平成29年3月28日「水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法の一部改正及び「水質基準に関する省令の制定及び水道法施行規則の一部改正等について」の一部改正」をご覧ください) | 厚生科学審議会生活環境水道部会(平成29年1月31日)において審議されました。 資料等についてはこちら |
平成30年4月1日適用 | ○水質管理目標設定項目 ・農薬類の対象リスト中、「2,4-D(2,4-PA)」、「イソキサチオン」、「シアナジン」の目標値の見直し ・対象リストから「ジチアノン」、「ジメピペレート」を削除 ・「プロチオホス」について、オキソン体の濃度も合計して算出 詳細はこちら(平成30年3月28日「水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法の一部改正及び「水質基準に関する省令の制定及び水道法施行規則の一部改正等について」の一部改正」をご覧ください) | 厚生科学審議会生活環境水道部会(平成30年2月15日)において審議されました。 資料等についてはこちら |
平成31年4月1日適用 | ○水質管理目標設定項目 ・農薬類の対象リスト中、「カルバリル(NAC)」、「プロベナゾール」、「メタラキシル」の目標値の見直し ・対象リストから「エディフェンホス(エジフェンホス、EDDP)」、「エトリジアゾール(エクロメゾール)」、「カルプロパミド」、「メチルダイムロン」を削除 ・「オリサストロビン」について、代謝物「(5Z)―オリサストロビン」の濃度も合計して算出 詳細はこちら(平成31年3月29日「水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法の一部改正及び「水質基準に関する省令の制定及び水道法施行規則の一部改正等について」の一部改正」をご覧ください) | 厚生科学審議会生活環境水道部会(平成31年3月13日)において審議されました。 資料等についてはこちら |
令和2年4月1日施行 | ○水質基準 「六価クロム化合物」に係る水質基準を0.02mg/L以下に強化する。 ○水質管理目標設定項目・「ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)」を追加。 | 厚生科学審議会生活環境水道部会(令和2年3月23日)において審議されました。 資料等についてはこちら |
令和3年4月1日適用 | ○水質管理目標設定項目 ・農薬類の対象リスト中、「カルボフラン」、「ベンフラカルブ」の目標値の見直し 詳細はこちら(令和3年3月26日「水質基準に関する省令の制定及び水道法施行規則の一部改正等について」の一部改正について) | 厚生科学審議会生活環境水道部会(令和3年3月17日)において審議されました。 資料等についてはこちら |
令和4年4月1日適用 | ○水質管理目標設定項目 ・農薬類の対象リスト中、「ホスチアゼート」の目標値の見直し ・対象リストに「イプフェンカルバゾン」を追加 ・「メチダチオン」について、オキソン体の濃度も合計して算出 詳細はこちら(令和4年3月31日「水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法の一部改正等について(施行通知)」をご覧ください) | 厚生科学審議会生活環境水道部会(令和3年12月15日)において審議されました。 資料等についてはこちら |
令和6年4月1日適用 | ○水質管理目標設定項目 ・農薬類の対象リスト中、「パラコート」の目標値の見直し 詳細はこちら (令和6年3月21日「水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法の一部改正及び「水質基準に関する省令の制定及び水道法施行規則の一部改正等について」の一部改正について(施行通知)」をご覧ください) | 厚生科学審議会生活環境水道部会(令和6年2月20日)において審議されました。 資料等についてはこちら |