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Home > Reviews > Album Reviews > AJATE- ALO

 いま、日本国内で一番「アツい」バンドと言ったら? と聞かれたら僕は迷いなく AJATE と答えるだろう。埼玉県の東秩父村を震源地にジャンルはお囃子からアフロビートまでもまたぐ、まさに「奇想天外」な彼らを紹介したい。
 僕が AJATE の存在を知ったのは2017年リリースの『Abrada (アブラダ)』が Bandcamp でフィーチャーされていたときだ。聴けば聴く程陶酔感が増していくリズムと音から伝わる熱量にやられてしまったのをいまでも覚えている。そんな AJATE が今年のお正月にめでたく3枚目のアルバム『ALO (アロ)』をリリース。3月にはフランスの〈180G〉からアナログも発売されたばかり。金色のバックがなんとも印象的なアートワークと共に、新しいメンバーを加え本拠地である東秩父村での制作合宿を経て完成した今作も、他のアーティストやバンドとは比較のできない圧倒的な「アジャテ感」がギッシリと詰まっている。

 「ピーチク」と呼ばれる竹で作られたギターをかき鳴らし歌うリーダーのジョンいまえだ氏が、西アフリカを訪れた際に見た村のお祭りに影響を受け始動したプロジェクトだけあって、ただの「和モノ」とは違う圧倒的な「グルーヴ」が全面に出ている。(日本っぽいと言ってしまうと語弊があるかもしれないが)何かとメロディーやソングライティングを軸に曲が展開することが多い日本の楽曲よりも、和太鼓やドラムといったリズムが軸にトラックが構成されているし、ベースやギターも「奏でる」というよりは「鳴らす/打つ」といった表現が正しいのかもしれない。そのひとつひとつの音が幾層にも重なり合い繰り返されるループがやがてグルーヴへと昇華していく。

 それぞれの楽曲で歌われている歌詞に注目すると、度々大地や山草、海や空と言ったように自然をテーマにした表現が並んでいる(気になる人は是非歌詞カードの付いているCDを手に取って欲しい!!)。例えば T2. の “GALAR (ガラール)” は大地を耕す農家の歌であったり。「皮を剥ぎ、骨を砕き割る~」と山の猟師をテーマにした T3. “SOWAH (ソワー)” といったように、大自然の中で暮らす人達のストーリーを歌っている。竹で作られたオリジナルのギターや太鼓、木琴のような打楽器をこれでもか! というくらいふんだんに取り入れ、それぞれが自由に独特なスタイルで演奏しているのも圧倒的な AJATE のオリジナリティーを後押ししている。

 このレヴューを見て少しでも気になった方は是非彼らの音楽を一度聴いてほしい。おそらく彼らの名前を全国各地、いや世界各国で見かけることもそう遠い先の話ではないと思う。すごく端的かもしれないが、彼らの楽曲を聴くと単純にとても元気になる。アナログ、CD、デジタル。どんなフォーマットでも、是非。

※ 2020年1月19日の TSUBAKI FM で AJATE の特集をしています。(AJATE の登場は30分頃から)
https://www.mixcloud.com/tsubakifm/weekly-show-19th-january/

AJATE HP:http://ajate.info

Midori Aoyama

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