Movatterモバイル変換


[0]ホーム

URL:


ele-king Powerd by DOMMUNE
ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. Stereolab ——日本でもっとも誤解され続けてきたインディ・ロック・バンド、ステレオラブが15年ぶりに復活
  2. Conrad Pack - Commandments | コンラッド・パック
  3. Eyed Jay - Strangeland | イアン・ジックリング
  4. Columns Stereolab ステレオラブはなぜ偉大だったのか
  5. Bon Iver ──ボン・イヴェール、6年ぶりのアルバムがリリース
  6. Chihei Hatakeyama & Shun Ishiwaka ――畠山地平と石若駿による共作、フィジカル盤の発売が決定。リリース記念ライヴには角銅真実も
  7. LA Timpa - IOX | LAティンパ、Christopher Soetan
  8. interview with Black Country, New Road ブラック・カントリー・ニュー・ロード、3枚目の挑戦
  9. Columns Special Conversation 伊藤ガビン×タナカカツキ
  10. ele-king vol.22
  11. GEZAN ──全国47都道府県と中国・上海などを巡るツアー・〈47+TOUR『集炎』〉の詳細を発表、ファイナルは日本武道館
  12. 恋愛は時代遅れだというけれど、それでも今日も悩みはつきない
  13. DREAMING IN THE NIGHTMARE 第2回 ずっと夜でいたいのに――Boiler Roomをめぐるあれこれ
  14. Stereolab ──ステレオラブが11年ぶりに来日  | ステレオラブ
  15. 釈迦坊主 - CHAOS
  16. Columns Special Conversation 伊藤ガビン×タナカカツキ | 『はじめての老い』刊行記念対談(前編)
  17. interview with Lawrence English 新しい世紀のために  | ローレンス・イングリッシュ
  18. すべての門は開かれている――カンの物語
  19. Stereolab ──再始動中のステレオラブが23年ぶりにシングル集をリリース
  20. Lust For Youth & Croatian Amor - All Worlds | ラスト・フォー・ユース&クロアティアン・アモール

Home > Reviews > Album Reviews > Basic Rhythm- The Basics

Basic Rhythm

Basic Rhythm

The Basics

Type

bandcampHMVAmazoniTunes

米澤慎太朗  Apr 11,2017 UP

 Imaginary Forces としてドラムンベースの黎明期から活動を続けてきた Anthoney J Hart が、別名義 Basic Rhythm で突然USのレーベル〈Type〉からデビュー・アルバム『Raw Trax』をリリースしたのは昨年のことだ。『Raw Trax』は、ソリッドなドラムにベース、そして女性ヴォーカルのサンプリングが駆け抜ける。初期ジャングルの感覚を現代にアップデートし、140bpm に落とし込んだアルバムとも言えるだろう。
 リリース後はベルグハイン出演や初来日など、ツアーなどでも精力的に活動している。Radar Radio では Kwam や Darkos Strife といったグライムMCが参加する回もあれば、彼のダブプレートを含むジャングルを詰めた2時間もある。彼はUKの音物語(*)を自由自在に行き来しているように見える。

 ロンドンに帰ってきた彼から届けられた2枚目のアルバム『The Basics』は、BPMの幅を広げながら個性を存分に聴かせてくれた。

 前半の02.“E18”(東ロンドン郊外 Woodford 周辺を指す)ではグライムMCの声がサンプルされ、03.“Fake Thugs”では、Mobb Deep の口撃が使われ、MCのエネルギーが抽出される。04.“Silent Listener”、05.“Cool Breeze (Summer In Woodford Green)”では、サイン波の低音に混じってヒップホップ的なサンプリング・カットアップが織り込まれる。06.“Blood Klaat Kore”は、Basic Rhythm 版の攻撃的なグライム・トラック、そして最後のトラック08.“Night Moves”は、キックとベースと1発の効果音だけで4分攻め切る。

 来日時に彼と話したとき、もっとも衝撃を受けたのは「ドラムを組んで、ノイズを乗せて、それでよければ曲は完成だ」と話していたことだ。
 構造的にはけっして4×4ビートではないが、エレクトロニック・ダンス・ミュージックのダンスの機能性に忠実すぎるほどで、それがかえってアヴァンギャルドな作風を作り出している。女声ヴォーカルと男声MC、ドラムマシンとサイン波、一瞬の静寂。テクノ、グライム、ジャングル、Basic Rhythm はどの呼び名にもハマりきらない、モダンで荒いダンス・ミュージックを鳴らし続ける。

(*) Simon Reynolds による、UKの90年代の音楽に関する理論では、「UKハードコア連続体」の言葉で説明される。
The Wire 300: Simon Reynolds on the Hardcore Continuum: Introduction

米澤慎太朗

Facebook  TWITTER  PAGETOP

ele-king™ © 2025 All Rights Reserved.


[8]ページ先頭

©2009-2025 Movatter.jp