ご無沙汰しております。ジモコロライターの田中です。
うちの子どもが通っている保育園や小学校では、水筒が毎日の持ち物になっています。最近多いですよね? つまり子育て世代の多くは、ほぼ毎晩水筒を洗っているわけですが……
あまりにもしんどくない!??
そこで僕が子育て世代を代表して、ジモコロ編集長のギャラクシーと共に、二人とも愛用しているブランド「THERMOS(サーモス)」へやってきました!
話を伺ったのは広報の藤本さん。
サーモスといえば魔法びんやタンブラーの老舗にして、120ヵ国以上で愛されている超大手メーカーです。ラクして水筒をお手入れする秘密のメソッドを探ってみたいと思います。
▼登場人物
田中|WEBライター・放送作家
水筒だけでなく弁当箱や保冷バッグも愛用(特に激推しのアイテムは後ほど紹介)
ギャラクシー|ジモコロ編集長
15年前、登山用に買ったサーモスが気に入って以来、日常生活用・サイクリング用・山専用ボトルの3本を愛用
藤本さん|サーモス ブランド戦略課広報グループ
水筒の専門家として田中の困った質問に答えてくれる。優しい
「今日はよろしくお願いいたします。さっそくなのですが、水筒って毎日洗った方がいいんですか?」
「え…………?」
「ワンチャン、水筒は毎日洗わなくてもいいんじゃないか、と」
「そんなわけないだろ」
「えっと……ボトルは使用したら必ず洗ってください。お皿や茶碗だって使ったら毎回洗いますよね?」
「よく『子育て世代を代表して』なんて言えたな……」
「でも、それだけ水筒を洗うのが負担になっているということで、サーモスとしては真剣に考える問題かと思います。具体的には、どのあたりが大変ですか?」
実際に子供用として使用しているボトルを持参しました
「毎晩毎晩、フタや飲み口、パッキンを外して洗うのが面倒ですね。油断するとすぐに茶渋やカビ汚れがついちゃうし……」
「なるほど。パッキンを洗うのが大変という問題については……それを解消する製品もあるので後で詳しく説明しますね」
「あと洗って乾燥させたあとボトルのなかを見ると白い汚れみたいなのがありますよね。アレなんですか?」
「カルシウム汚れ(水垢)といって、水道水に含まれた成分が残ったものです。人体にほぼ害はないのですが、見た目的にイヤはイヤですよね」
「それに、なんといっても“洗った感”を得られないことがストレスになっていると感じています」
「洗った感?」
「茶碗やお皿ならガシガシ洗って汚れが落ちてるのが目に見えるじゃないですか。でも水筒はその“洗った感”を感じにくい。いつもスポンジをボトルに突っ込んで、菜箸でグリグリしながら洗っているのですが、力も入らないしきれいになってるかも見えないし……」
「あーそれはわかるかも。汚れが落ちてるのが見えないから、永久にヌメりがあるように感じちゃう」
「そうそれ! もっと強くこすったり、特別な道具を使ったほうがいいんですかね?」
「いえ、少なくともサーモス製品は、摩擦が多く出るような特殊な洗剤や金属たわしなどを使うのはオススメしていません。食器と同じように中性洗剤を使って、食器と同じように柔らかいスポンジで洗っていただければ大丈夫です」
「僕は100均で売ってる 柄のついた長いスポンジブラシで洗ってるんですが、それもOKですか?」
「充分だと思います。私も長いブラシで洗ってますね。そして、力を込めてゴシゴシ洗わなくても大丈夫です」
「え! 以前、茶渋やカビが落ちてないことがあったので、むしろゴシゴシ洗うように意識していました」
「僕は三種類くらいサーモスを愛用してるけど、そもそもカビなんか見たことないよ……?」
ギャラクシーが持参したサイクリング用『真空断熱ケータイマグ』
「カビに関しては……もしかしたら乾燥が不充分なだけかもしれませんね。パッキンのようなパーツは水滴が溜まりやすくてカビがつきやすいので。洗ったら水を切れる場所でちゃんと乾かすとか、ふきんでしっかり拭くなどしていただければ」
「洗った後にさ、パッキンって細かいから、水切りかごの網の目からこぼれ落ちそうで、ついつい他の洗い物……例えばお皿とかお茶碗の裏とかに置きがちだけど……それだとなかなか乾燥しないよね」
「うちの場合、夜に洗えなかった水筒は翌朝に洗うんですね。すると洗った直後にすぐ使うことになるので……乾燥しないまま使い続けてるのかな……気をつけよう」
「夜にちゃんと洗えば乾燥の時間も取れますからね。あと茶渋は時間が経てば経つほど取れにくくなるので、一晩洗わずに放置していると落ちにくくはなると思います。夜に洗えない場合はせめて水でゆすいでおくなどしていただければ、少しはマシかも……」
「当たり前だけど、使用後はできるだけすみやかに洗うのがベストなんですね」
「具体的に、これ使えば便利だよってアイテムはありますか?」
「確かにプロのおすすめアイテムを知りたい」
「オススメというと酸素系漂白剤ですね。週に1回程度、酸素系漂白剤を入れたぬるま湯にパッキンなども全部外してつけおきするだけです」
「週に1回ならできそう! でも酸素系漂白剤ってどこに売ってるんですか?」
「ホームセンターやドラッグストアなどで普通に売ってますよ。また、サーモスのオンラインショップにもあります」
「サーモスブランドのボトル用漂白剤って、めちゃ信用できるじゃん……」
「あと、全てというわけではないのですが、パーツのみの販売もしてたりします。取り返しがつかないくらい汚れてしまったとか、パーツを無くしてしまったといった場合も、長く清潔にご愛用いただけると思います」
「いっそ『洗わなくていいボトル』って開発できないですか……?」
「さすがに洗わなくていい、とまではいきませんが、『まる洗ユニット』というのを搭載したボトルなら、洗うのはかなり楽になります。これは栓とパッキンが一体になっているユニットで、パッキンを取り外す必要がないんですよ。すごく楽なので私も使っていますね」
「良いですね! 一番面倒なのがパッキンを取り外して洗うことだから、それをしなくて良いってだけで楽そう!」
「楽といえば、田中くんの家に食洗機はないの? ウチ、食洗機使ってるけど便利よ」
「食洗機か……うちは使ってないんですよね」
「すべての水筒が食洗機に対応しているわけではありませんが、食洗機対応モデルも増えてきていますね」
「洗うのが面倒とか時間がないって場合は、食洗機対応モデルを買おう!」
「ちなみに食洗機対応モデルと、そうでないモデルの違いって何なんですか?」
「2点あって、ひとつは“外装の塗料”です。食洗機対応モデルは、食洗機の高温に耐えうるような塗料を使っているので剥がれにくいんですね。もうひとつは、“保護シート”です。この、底の部分ですね」
「???見たところ、変わった部分は見当たりませんが……」
「真空断熱構造の水筒の底には保護シートというものが貼ってあります。実は水筒の底には穴が開いており、そこから空気を抜いて真空にした後に、穴を封止材で塞いでます」
「ふむふむ……」
「その封止材を保護しているのが保護シートです。これがなければちょっとした傷から保温・保冷不良になったり、真空構造の内部に水などが入ってサビや故障の原因になったりします。すご~~~く大事な部分です」
「知らんかった!!!」
「普通なら保護シートは食洗機の熱や水流ではがれる危険がありますが……食洗機対応製品は、この部分が金属プレートになっており、水筒本体に溶接加工することで、水などが入らない設計になっています」
「じゃあ、嫌いなヤツの水筒を破壊したければ、真っ先に保護シートを狙った方がいいということですね?」
「たとえ嫌いな人でも保護シートを剥がすのはやめてあげてください。本当に使い物にならなくなるので……みなさんも保護シート部分がもし剥がれてきたら、ぜひ本体ごと買い換えてくださいね」
「真空断熱ボトルやタンブラーの底のシートを剥がすのはNGだと……心します」
「メーカーとして他にNGな行動はありますか?」
「“基本的には”入れてほしくない、という飲み物がありますね。例えば果肉などが含まれる飲み物。果肉のような固形物は飲み口に詰まる恐れもあり、酸化や腐敗の原因になりかねません」
「果肉入りのジュースなんて子どもが大好きな飲み物だから、入れちゃってるケースも多そう」
「あと、ボトルに入れる人はあまりいないと思いますが、味噌汁など塩分が入ったものもサビや腐食の原因になります」
「塩分と言うとスポーツドリンクなどはどうですか? サーモスのボトルを使用する場所として、登山やサイクリングといったスポーツシーンも多いかと思うのですが」
「スポーツドリンク程度の塩分であれば、温めなければ大丈夫という風にアナウンスしていますね。あと、スポーツドリンク対応のスポーツボトルもあるので、そちらをお使いいただくのがベストです」
「なるほど」
「他に入れてほしくないものというと……牛乳や乳飲料ですね。長時間放置すると腐敗する可能性があるので。腐敗するとガスが発生し、急にボンッ!となる危険性もあり、良くないですね」
「え! スタバでマイタンブラーにカフェオレ注文している人とかいそうですが……」
「あくまでも長時間放置した場合の話ですが……何かあってからでは遅いので、利用する際は早めにお召し上がりいただくようお願いしています」
「なるほど。あとは……パッと思いつくのは炭酸飲料とか?」
「炭酸飲料も内部でガスの圧が高くなってフタが開かなくなったり、逆にボンッ!とフタが飛んで噴き出したりという可能性があるので基本的にはNGです。ただ……」
「ちょっと待ってください! その先は僕から言ってもいいですか? ギャラクシーさん、確かに炭酸飲料は基本的にNGなんですよ。ただ……」
「これ!!!! 僕が愛用してるボトルなんですけど、炭酸OKの水筒なんですよ!!! マジで最高なんです!!」
「え~すごい! でも炭酸OKのボトルがあるっていうすごい情報は、プロの藤本さんから聞きたかったな……」
「いいじゃないですか! 実際に愛用してる人間の感想ってことで」
「これ、すごく売れてますよ!」
「炭酸飲料はもちろん、ビールも入れられるんですよ。地元のクラフトビール店へ行って、量り売りで買って、家でキンキンを飲めるのが最高なんです」
「……あれ? でも炭酸飲料を入れたら、ガスでフタが飛んじゃうって言ってませんでした?」
「フタの構造を少し変えています。フタを開けるときに少し回すとガスが抜けるので、安全に開けられるんですよ」
「これ本当に欲しいな……だって500mlのペットボトルの炭酸飲料って、その場で飲み切るの不可能じゃない? 水筒に入れたら冷たいまま持ち歩けるじゃん!」
「せっかくオフィスにお邪魔して、たくさんの製品が並んでいるので、他にもオススメのアイテムを教えてもらえますか?」
「そういうことでしたら、用途別に3時間くらいおすすめ商品を紹介したいところですが……絞りに絞って―」
「まずはこちらの真空断熱構造のマグカップはいかがですか。魔法瓶と同じ構造で、夏場でも氷が半日ぐらい溶けないし、冬場でも温かい飲み物の温度をキープしてくれます。ちなみに、結露しないのでデスク周りでも安心して使っていただけます」
「気軽に使えるし洗うのも楽そう! お子様サイズもある!」
「あと、水筒というわけではないのですが、こちらもおすすめですよ」
「保冷できる缶ホルダーですね。ロング缶用もありますし、キャンプのときなどに便利です」
「キャンプやバーベキューのシーンだと、それぞれ好きな飲み物をこのホルダーに入れるっていうのが確かに良さそう」
「あとカバンの容量的に会社に毎日ボトルを持っていけない人もいるから、そういう人はデスクにこれ置いとくと幸せになれそう」
「アウトドアがお好きな方でしたら、こちらの山専用ボトルもオススメです。登山中落としてしまっても保護できるようにカバーがあったり、グローブのまま開閉しやすいようにラバー素材を使っていたり」
「これのサンドベージュ愛用してます。デザインがめちゃめちゃかわいい! そして軽い!!!」
「山だと軽さこそ正義ですから、良いですね」
「あともうサーモスの製品大体そうなんだけど、保温力が化け物なのよ。朝に熱いコーヒー入れたら、夕方まで熱々すぎて、帰宅するまでに3口くらいしか飲めなかったことある」
「それは申し訳ありません(笑)」
「日常使いとして人気なのがこちら。キャリーハンドルがついていて、会議室間の移動時などに片手で持てるから便利です。ベージュピンクやカフェオレカラーなど可愛らしいカラーもラインナップしてまして、街中で女子高生のみなさんがぶら下げているのをよく見かけます」
「じゃあ僕も買おうかな」
「『じゃあ』って、あなたは女子高生じゃないですよね?」
「ちなみにこれ、私も使ってます! 書類を抱えて移動する時なんかにハンドルがついてると便利ですよ!」
「自社の製品を実際に愛用してるって理想的ですね」
「実は、当社はペットボトル禁止で、全員水筒持参というルールがあるんです。入社したらひとり一点好きなボトルをもらえるので、みんなそれを持ってきてますね」
「え、どれでももらえるんですか!? なら全員、一番高いやつをリクエストするのでは?」
「い、いえ……それぞれで必要な容量であったり、用途、好みのデザインがありますので。高価だからという理由だけで選ぶ社員は少ないと思いますよ……」
「田中くん……なんか聞いてて恥ずかしくなっちゃったわ」
「あと、ボトルではないのですけど、おまけとして紹介したいのが……『&ONDO(アンドオンド)』というシリーズ。毛足の長い極起毛や、熱伝導率が高いチタンコートのビーズを使用して『カラダの熱を蓄え、保温する』という製品です」
「サーモスさんて、ボトル以外にも調理器具とか様々な製品がありますよね」
「これ知ってます。くつ下とかネックウォーマーとか色々あるけど、特に『手首あったかビーズウォーマー』がSNSで話題になってましたよね」
サーモスの新サブブランド&ONDOのアイテムを紹介✨
「手首あったかビーズウォーマー」
魔法びんのような保温効果で手首をやさしく包み込んでくれますð¡
おうち時間もPC作業のときもðhttps://t.co/BOff9tWkux#サーモスあったかソックス#サーモス#アンドオンド#手首あったかビーズウォーマーpic.twitter.com/InBF7AL3SB— サーモス【公式】 (@THERMOS_promo)September 9, 2024
「へ~良さそうですね。キーボードを叩いたり何か細かい作業をする時って、手袋をすることができないじゃないですか。手首があったかいのってめちゃありがたい!」
「まさにそのニーズでよく売れてまして、多数のお問い合わせをいただいております」
「私もこのシリーズ大好きで、特にこの『あったかビーズクッション』は、自宅でもオフィスでも愛用してます。肌触りが良くてあったかくて、とっても気持ち良いんですよ!」
「『オフィスでも愛用してます』のポーズが仕事中に居眠りする人のそれですが……昼休みってことですよね?」
「今日は水筒のお手入れに始まり、製品のことをいろいろと教えてくれてありがとうございました! サーモスさんという会社のファンになりました」
「こちらこそありがとうございました。ぜひ毎日洗うようにしてくださいね(笑)」
「ぜひ毎日洗うように」という藤本さんの言葉を胸に、取材を終えたその足でドラッグストアへ行き、酸素系漂白剤を購入してみました(ついでに柄がついたブラシも買った)
帰宅して子どもの水筒で試してみたところ―
「うわ〜!!!!」
汚れが出てくる、出てくる。毎日一生懸命洗ってるつもりだったけど……ごめん、我が子……!
さて、結果は……
まずは普段、普通に洗った後の写真。底の部分に水垢が見えますね
こちらが今回、酸素系漂白剤を使用した結果
めっちゃキレイになった……!
今日から心を入れ替えて、しっかり洗います。みなさんもぜひ参考にしてね!
(おわり)
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