オシドリという鳥をしってます?
漢字では鴛鴦と書きます。難しいですね。
東アジアに分布するカモの仲間の渡り鳥で、日本では本州中部以北で見られるようです。上高地の湖沼や渓流などに生息していて、木の枝に留まることもあります。そして雑食で割と何でも食べる。
繁殖期のオスはカラフルになるんですが、そのイメージが強いと思います。
ちょっとカラフルすぎて苦手な人もいるでしょうけども。
ちなみに低地で見られ人に発見されやすい秋から冬は繁殖期でこのカラーリングです。だから普通に「派手な鳥だな」なんて思ってる人もいるかもしれませんが、繁殖期以外は普通に地味です。
ところで、仲のいい夫婦のことを「オシドリ夫婦」なんて呼ぶことを知ってるって人も多いかと思います。
それだからなのか何なのか、オシドリって図鑑とか画像とかでオスとメス一対の写真が使われることが多いです。こんな風に。
実際に割といつもいっしょにいて、巣作りとかもメスが場所を決めてオスがせっせと作るんで「ああ仲良さそう、いい夫婦だな」ってことでオシドリ夫婦って言葉が生まれたんでしょう。
しかしですね…。
実はオシドリってオシドリ夫婦じゃないんです。残念なことに。
鳥って割と一夫一婦というか、つがいになったらずっといっしょな種類が多いんですが、オシドリは繁殖期ごとにパートナーを変えます。ていうかおそらく、毎回毎回相手が誰かとかは考えてないんじゃないでしょうか。どうも近くにいる異性と手軽につがいになるっぽい。
まぁ、オスが繁殖期に派手になってメスが地味な鳥って一夫多妻が多いみたいですね。そしてメスもより派手なオスを選ぶ。つまり、派手なほうがモテる。メスがこれを選ぶのは、より派手なオスを選んで我が子にも派手になってもらってモテてもらうため。そうすることで自分の遺伝子が残るようにしたいんですね。
そして、オスはメスが卵を産んだらすぐに巣を飛び出して他のメスとランデブーします。子育てもするのはメスだけ。子育てといっても、オシドリのヒナは孵化したらすぐに自分でエサを探して食べ、すぐに巣を離れてしまうので卵を温めて安全な状態にすることのみなんですけども、とにかくメスしかしない。
そういう鳥ですから、オスがいつもメスといっしょにいるのは、他のオスにちょっかいを出されないようにするためだけです。どのメスも俺はいいけどお前はダメってことです。
ていうか、オシドリ夫婦どころか夫婦ですらないような気がしますが、とにかくそういうことです。
なんというか、種として優秀な遺伝子を残すっていうより、自分の遺伝子をいかに残すかを考えて出来たシステムが興味深いですね。
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