香港(CNN) 香港紙「リンゴ日報」の創業者、黎智英(ジミー・ライ)氏(78)が香港国家安全維持法(国安法)違反などの罪に問われた裁判で、香港の裁判所は15日、黎氏に有罪判決を言い渡した。今回の裁判は、中国政府の統治下で香港の自由が縮小しているかどうかを測る試金石とみられ、注目を集めていた。
香港で広がった民主化を求める大規模な抗議活動を受けて、国安法は2020年に施行された。黎氏は国安法に基づき起訴された最も著名な中国政府批判者のひとり。
黎氏は、中国共産党に対する批判的な論調で知られた「リンゴ日報」を創刊した。同紙は21年に当局の圧力で廃刊に追い込まれた。
黎氏は、終身刑を科される可能性がある。量刑は後日、言い渡される。

15日の判決言い渡しで、裁判官は黎氏について、「成人してからの長い間、中国に対する憤りと憎しみを抱いていたことは疑いようがない」と述べた。
また、黎氏が第1次トランプ米政権時に米国の政治家らに働きかけたことを、扇動や外国勢力との結託の証拠として指摘した。具体的には、当時のペンス副大統領やポンペオ国務長官との会談や、トランプ大統領本人との面会を試みたことなどを挙げた。
黎氏は終始落ち着いた様子で、冒頭には手を振って妻と息子にあいさつした。判決が下された際に反応は見せなかったが、眼鏡を外して顔をぬぐい、法廷から退出した。
この裁判は世界中で注目されており、黎氏を「救い出す」と発言したこともあるトランプ大統領も関心を寄せていた。
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