パリ(CNN) フランス政府が国内での武力衝突を含む「差し迫った脅威」に備えるため、「サバイバルマニュアル」を全世帯に配布する準備を進めている。
フランソワ・バイル首相の広報は19日、マニュアルの狙いについて、自然災害やサイバー攻撃、新型コロナのような公衆衛生上の危機、テロ攻撃や武力衝突といった安全保障上の危機を想定して、市民の回復力を高めてもらうことにあると説明した。
マニュアルは全20ページ。バイル首相が承認すれば、夏までに各家庭に配布する。
同様の冊子はスウェーデンやフィンランドも配布しており、武力衝突や通信障害、停電、自然災害などへの備えについて解説している。
フランスのマニュアルは3部構成で、自分と家族の身を守るための現実的なアドバイスを記載。緊急連絡先(消防、警察、救急)のリスト作成やラジオのチャンネル確認、原発事故が起きた場合に全てのドアを確実に閉めることなどを勧告している。
予備役や地元消防団へのボランティア参加など、地域を守る活動に貢献する方法も紹介。各家庭で飲料水6リットル、食品12缶、電池、懐中電灯などを含めた「サバイバルキット」を用意することや、鎮痛薬、湿布、生理食塩水といった医薬品の購入も促す。
同マニュアルについて、CNNの取材に応じた56歳の女性は「戦争になるとは思わない。エマニュエル・マクロン大統領の役割はトランプとプーチンの間に介入することではない」と話し、「私たちは新型コロナを生き延びた。また何か起きても何とかなる」と言い添えた。
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