桜の便りが全国各地から届く中、東京・台東区の上野東照宮の桜の枝に「紐」が結びつけられているのが見つかった。何者かが結びつけたとみられる。
上野東照宮はXの公式アカウントで、桜はとてもデリケートな木としたうえで「痛む原因になるので、ひもを結んだり、枝を折ったりなさらないようにお願いいたします」と呼びかけている。
●建立400年、絶好の花見スポットとして知られる歴史ある神社
東京・台東区の上野公園内に鎮座する上野東照宮は、1627年に建立されて、重要文化財にもなっている歴史ある神社だ。
古き良き日本の姿が楽しめるとして、国内外の観光客から人気を集めている。
この時期、参拝者を魅了するのは、参道に植えられた桜。夜になるとライトアップされる五重塔と織りなす幻想的な風景は、絶好の「花見スポット」として知られている。
そんな春を彩る桜の木の異変に職員が気付いたのは、3月26日。「閉門時に、桜の木に紐が結ばれていることに初めて気づきました」。
●スタッフが丹精込めて育てた桜の木
上野東照宮によると、30本ある桜の木のうち、紐が見つかったのは1本。枝に紅白の紐が2本結び付けられていた。枝が折られていたり、幹が傷つけられたりといった被害は確認されていないという。
弁護士ドットコムニュースの取材に対して、担当者は「結んだ理由はわからない」としたうえで「スタッフが大切に育てている桜。傷がつかないようにするために触らないでください」と話した。
毎年、参拝者の心を癒そうと、職員たちが丹精込めて育てている桜の木。触りたい気持ちはぐっとこらえて、ぜひその目に焼き付けてほしい。