高額療養費、来夏以降上限を改めて引き上げへ 所得区分の細分化も

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足立菜摘
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厚生労働省が入る合同庁舎=東京都千代田区
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 医療費の自己負担額に上限を設ける高額療養費制度をめぐり、厚生労働省は15日の専門委員会で、2026年夏以降に月ごとの上限額を全体的に引き上げる方針を示した。27年夏以降には上限額を決める所得区分を細かくし、現在の各所得区分の中でも、所得がより多い人の上限額を上げる。具体的な引き上げ額は、年末の予算編成にあわせて決める。

 高額療養費制度は、患者の経済的な負担が重くなりすぎないようにする重要なセーフティーネットだ。70歳未満で平均的な所得層の年収約370万~770万円の場合、ひと月の医療費が100万円なら自己負担は8万7430円に軽減される。この所得区分の上限は、医療費から26万7千円を引いた額の1%と「8万100円」の定額を足した額となっており、まずこの定額部分を引き上げる。引き上げ率は、1人あたりの医療費の伸びを念頭に置くが、具体的な数字は明らかにしていない。昨年末に示した見直し案では、所得区分ごとに2.7~15%増額する方針を示していた。

 上限は所得ごとに決まっており、27年夏以降の所得区分の細分化では、住民税非課税世帯を除いた所得区分をそれぞれ三つに分ける。現在は、年収約370万円まで、約370万~770万円、約770万~1160万円、約1160万円以上の4区分だが、12区分に増やす。

 区分に合わせた上限額を細か…

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