海賊版サイト配信めぐり、米IT企業に約5億円の賠償命令 東京地裁
漫画の海賊版サイトの配信に加担したのは違法だとして、講談社など4出版社が米国IT企業「クラウドフレア」に計約5億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、東京地裁(高橋彩裁判長)であった。判決は4社の主張を認め、クラウドフレアに計約5億円の支払いを命じた。
原告は講談社、集英社、小学館、KADOKAWA。訴状によると、4社は、クラウドフレアのサーバーから『進撃の巨人』や『ONE PIECE』などの漫画の海賊版データが配信されたと主張。2020年4月~翌年12月にかけ、1カ月あたり約7千万~20億話が閲覧され、多大な損害を被ったと訴えた。
クラウドフレアは、元のサイトのサーバーから送信されたデータを複製してユーザーに配信する「コンテンツ・デリバリー・ネットワーク(CDN)」というサービスを提供する。
同社は海賊版サイトの運営者ではないが、このサービスで大量のデータを日本のサーバーから送れるようになり、日本から海外の海賊版サイトにアクセスしやすくなった。4社は、著作権侵害だと指摘してもクラウドフレアが配信を停止せず、賠償責任があると主張した。
一方、クラウドフレアは「受動的に海賊版データを送信していたにすぎない」と反論。「データ送信の効率化のために著作物を複製することは原則として著作権侵害ではない」と定める著作権法の規定が適用される、と主張した。
判決は、クラウドフレアのサービスによって海賊版サイトのアクセス数が最大で月間計3億回を超えたなどと指摘。4社の指摘で著作権侵害を認識できたのに、サービス停止を怠ったのは出版権侵害の「幇助(ほうじょ)」にあたると判断した。
そのうえで、クラウドフレアからユーザーへのデータ配信は「独立した著作物の利用行為」だと認めた。著作権法は、データ送信の効率化などのための著作物の複製であれば権利侵害にならないと定めるが、今回はこれにあたらず、免責されないと結論づけた。
判決に対し、クラウドフレアは「判断を非常に残念に思う。日本国内のみならず世界全体のインターネットの効率、セキュリティー、信頼性にも深刻な影響を及ぼす可能性がある判決だ」などとする声明を出し、控訴する意向を明らかにした。
判決が「技術革新を阻害」?
日本の漫画の海賊版サイトで…


































































