クマ対策で自衛隊を派遣? 現場に戸惑い「駆除のノウハウない」

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矢島大輔
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 クマによる人的被害が深刻化していることを受けて、秋田県の鈴木健太知事が28日にも自衛隊の派遣を要請する。防衛省は応じる方向で調整中だが、クマに対して、どんな対応がとれるのか。

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能登半島地震対応のため、災害派遣された自衛隊の車両=2024年3月19日午後4時23分、石川県輪島市、土井良典撮影

 鈴木知事は26日、自身のインスタグラムに「もはや県と市町村のみで対応できる範囲を超え、現場の疲弊も限界を迎えつつある」と投稿。28日にも防衛省を訪れ、小泉進次郎防衛相と面会する予定だ。

 防衛省は、自衛隊法に基づく「土木工事等の受託」や「災害派遣」などの枠組みでの派遣を検討している。

 「土木工事等の受託」の場合、自治体から委託されれば、自衛隊の訓練の目的に適合する範囲で実施できる。クマ対策も土木工事「等」に含まれるとの解釈だ。

 「災害派遣」は、地震や津波、台風、山火事といった自然災害において、人命救助や物資支援などを行うのが一般的で、豚熱や鳥インフルエンザ対策、山菜採りの遭難救助で行った事例もある。「緊急性」「公共性」「非代替性」の3要件が必要になるが、クマ対策が当てはまるのかを検討している。

戦闘機でトド駆除した前例も

 ただ、いずれの形で派遣され…

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