熱中症対策、作業直前まで安全帯つけず マンホール転落、会社が説明
埼玉県行田市で2日、マンホール内で作業員4人が転落して死亡した事故で、作業を受注した三栄管理興業(さいたま市)が5日、当時の状況について報道各社の質問に文書で回答した。
亡くなった4人はいずれも、転落を防ぐ安全帯(命綱)をつけていなかったとされる。
三栄管理興業の説明では、安全帯はビニール製の「防護服カッパ」の上に装着することになっていた。現場の判断で、熱中症を防ぐため、作業開始の直前まで防護服を着ないようにしていたという。
気象庁によると、事故が起きた2日午前9時ごろ、行田市と隣接する熊谷市で、気温はすでに34度に達していた。
最初に転落した作業員がなぜ安全帯をつけていなかったのかについて、会社側は説明していない。
次々に助けに向かったとみられる3人については、作業直前ではなかったり、地上作業の担当だったりして、そもそも防護服を着ていなかった。「三名は緊急性を感じ、すぐにマンホール内に入ったと思います」とした。
4人が安全帯をつけていなかったことについて、「作業ルールを基準とすると適切ではない」と回答した。
また、硫化水素などを吸い込むことを防ぐためのマスクについて、会社側は、「このような作業の場合、エアラインマスクを用意することはルールとなっています」と説明。しかし前回(7月)に同じ場所で作業した際に硫化水素濃度に問題がなく、マスクを使用しなかったため、今回は現場の判断でマスクを持っていかなかったという。
硫化水素を検知する検知器については、国の基準に基づき、硫化水素の濃度が10ppm以上で警報が鳴る設定だったという。
同社が3日に明らかにした内容では、1人目の作業員がマンホール内に入る際、警報は鳴っていなかったといい、その後に濃度が上昇して、次々と転落する事故につながったとみられる。
































































